火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』の場面カット(C)TBS
俳優の福原遥と深田恭子がW主演を務める、TBS火曜ドラマ枠『18/40(エイティーン/フォーティー)~ふたりなら夢も恋も~』(毎週火曜 後10:00)の最終回(12日)を前に、韓哲プロデューサーがコメントを寄せた。
同作は、夢に向かって歩きはじめた18歳の妊婦と、アラフォーで恋を後回しにしてきたアートスペシャリストの2人の女性が、年の差を超えたシスターフッド(=女性の絆)を築き、それぞれ訳あり男子と恋に落ちるラブストーリー。タイトルの“18/40”は主人公2人の年齢を表しており、今の時代の女性の生き方や悩み、葛藤をそれぞれの目線で描くオリジナルストーリーとなる。
■どうしても描きたかった「出産直後の育児に奮闘する2人の姿」
海が産まれ、育児に追われる有栖と瞳子。瞳子の母・貴美子(片平なぎさ)や有栖の父・市郎(安田顕)の手を借りながら、初めての子育てに奮闘する様子が描かれた。
「第5話では出産シーンを、第6話では出産直後の育児のシーンを、時間をかけて描きました。そうすることで有栖の中に芽生えた母としての強さと、支える瞳子との絆の強まりを表現できたのではないかと思います。ラブストーリーをじっくり描くために出産直後の育児シーンを飛ばす選択肢もありましたが、脚本の龍居由佳里さんが当初からそこを描きたいという思いが強く6話はほぼ育児の回となりました。そうしたことで後の有栖と市郎との関係性の変化や、麻生康介(八木勇征)との向き合い方などのエピソードに、より共感していただけることにつながったのではと思います」
続く夜泣きで有栖と瞳子が疲労困憊する姿や、どうしても外せない局面で入る保育園からのお迎え要請など、子育て経験者が共感できる“あるある”話。出産がゴールではないというメッセージが描かれた。
■大切に描いた「康介との別れ、そして海が繋ぐ家族関係」
物語前半では思春期の有栖とどう接していいか戸惑っていた市郎も、孫を介してその遠慮がなくなったと感じた視聴者も多いことだろう。
「市郎さんは少し不器用な父親であり、妻が亡くなってからひとり娘の子育て、そして18歳での妊娠など様々な葛藤があったと思います。それでも娘の幸せを願う深い愛情があるからこそ、何より有栖の思いや選択を尊重するに至りました。それが2人の関係性の変化にもつながっています」
そんな市郎に対して気になるのは、海外へ逃げてしまった海の父親である康介のこと。有栖の出産を知った康介は帰国し、有栖の前に現れる。さらに、康介の母・由美子(シルビア・グラブ)から海を預かってもいいと心無いことまで言われる始末。そんな由美子に対し、市郎が目を真っ赤にさせながら有栖の気持ちを代弁したシーンでは涙を誘った。そして、康介と対峙する場面。初対面となった康介に掴み掛かる市郎の中にはさまざまな感情が渦巻いていた。
結果、有栖はあらためて康介と向き合い、そして別れを選んだ。康介は一緒に生きることはできないことを受け入れ、それでも父親としての責任を果たし海と有栖の力になるために、養育費を稼ぐためにバイトに勤しむ姿が第9話では映し出された。第8話のお宮参りのシーンでは、麻生家も交えた和やかなムードとなり、ふたつの家族に愛される海の幸せな未来を予感させた。
「この先そのシーンが描かれなくても、康介と康介の両親が海の幸せを願い成長を見守っていくことに変わりはありません。有栖は今後も、定期的に康介や麻生家に海との面会を行い、その成長の様子を見せてあげたいと思うんじゃないかと。そして節目ではお宮参りのように両家が揃って顔を合わせることもあるのではないかと。そんな未来を想像できるケジメとなるシーンを描きたくて、お宮参りのシーンを作りました。一緒に生きることはできない有栖と康介の別れの場面であると同時に、海にとってはこれからも続いていく2つの家族との新しい関係がスタートする場面でもあります。康介の役は本当に難しかったと思いますが、八木さんが全力で挑んでくれたことで、康介の後悔とそれを胸にこれから前に進んで行く姿を描くことができありがたかったです」
■諦めない祐馬と待ち続ける加瀬との関係性に答えが…。
有栖に振られても諦めない姿勢を見せ続ける黒澤祐馬(鈴鹿央士)だが、ラストだと決めていたダンスオーディションに落選。有栖と距離を取ってしまう。2人の関係は終わってしまうと思われたのも束の間。キュレーターを目指す有栖が掴んだ最終選考直前で、海が熱で保育園からの呼び出しが…。すると自分が代わりに行くと駆け出す祐馬。有栖のことが好きだと改めて自覚した祐馬は、自分の足で立ち再び夢に挑戦することと、有栖や海の力になりたいという思い告げる。
一方で、大人のラブストーリーパートを担っていたのは瞳子を待ち続けた加瀬息吹(上杉柊平)。加瀬の告白から付き合うまで、そしてその後プロポーズを承諾するまでと、2人には長い道のりがあった。将来子どもが望めないかもしれないという葛藤はもちろん、有栖や海との生活がある瞳子は、決断までにかなりの時間を要した。
「鈴鹿さんと上杉さんにはこちらの想像のはるか上を行く魅力的な祐馬と加瀬を演じてくれました。金沢でのキスシーンから始まった、加瀬の待ち続けた時間は本当に長い(笑)。瞳子がなぜ加瀬に惹かれたのか、加瀬もなぜ瞳子を待ち続けることができたのか、第9話のふたりの姿から伝わるものがあったのではないかと思います。一方、誰よりも優しさに溢れていて、でもそれを相手に押し付けることをしない鈴鹿さん演じる祐馬の演技は素晴らしくて惚れ直しました。恋愛のことなど考える余裕のない有栖にとっても、祐馬と一緒にいるときはなぜかいろいろな心の鎧を外して自然体でいられる。諦めない祐馬が有栖とどんなラストを迎えることができるのか、ご期待いただきたいです」
■最終回は、「“未来”に続くストーリーに」
夢に向かって歩き出した直後に分かった有栖の妊娠をきっかけに、奇跡のような出会いをした有栖と瞳子。一緒に暮らしながらお互い助け合い、海を育ててきた。そんな2人を主人公にした物語もいよいよ最終回を迎える。
「まずはここまで見てくださった多くの方々に、感謝申し上げます。福原さんは難役ながらも、ご自身の中にある芯の強さと真っ直ぐさで、回を追うごとにどんどん我々を魅了する素晴らしい有栖を演じてくれました。深田さんは、その柔らかさとしなやかさで、強くて時おり弱い唯一無二のすてきな瞳子を見せてくれました。全キャストが素晴しいお芝居でつくりあげてきた本作もいよいよ最終回です。それぞれの登場人物の未来に幸あれと思えるようなエンディングとなっておりますので、最後まで見届けていただけたら幸いです」
加瀬との結婚を決めた矢先、突然金沢への帰郷を匂わせる瞳子。有栖と祐馬の恋の行方。そして有栖と瞳子の間にあった、ある奇跡の物語とは…。
■最終回のあらすじ
今よりも前に進むために同居の解消を決断してからも、有栖(福原遥)と瞳子(深田恭子)はいつもと何も変わらない時間を過ごしていた。
ある日、瞳子のマンションに貴美子(片平なぎさ)、祐馬(鈴鹿央士)、加瀬(上杉柊平)、市郎(安田顕)、薫(松本若菜)が集まり、食事をしていると、瞳子が突然地元金沢に戻る可能性を話し出す。急な展開に驚く一同を前に、瞳子には心に秘めたある考えがあった―。
一方有栖は、BVアートの10周年プロジェクトにも選ばれ忙しい日々に追われていたが、綾香(嵐莉菜)から祐馬への本当の気持ちを問われ答えられずにいた。しかし、瞳子や薫に背中を押され自分の気持ちに気づいた有栖が出した答えとは―。
後日、瞳子のマンションで貴美子や市郎が昔を懐かしむ話をしていると、話題は亡くなった有栖の母・真理(美村里江)のことに。市郎から真理の写真を見せてもらうと、瞳子は何かを思い出し慌てて自室からある写真を持ってきた。そこには、過去に秘められた奇跡が―。
とうとう、偶然出会った18歳と40歳が育んできた日々にも別れの時が―。友情、家族、そして夢も恋も諦めずに決断し歩き出した有栖と瞳子。そのふたりの未来に待ち受けるものとは―。