音楽映画『キリエのうた』ポスター（C）2023 Kyrie Film Band

　元BiSHのアイナ・ジ・エンドが主演を務め、松村北斗（SixTONES）、黒木華、広瀬すずが共演する岩井俊二監督の音楽映画『キリエのうた』（10月13日公開）のポスターと予告編が11日、公開された。

【動画】キリエが歌う楽曲も印象的に使用！『キリエのうた』予告編

　描かれるのは、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄される男女4人の人生が、切なくもドラマティックに交錯していく。

　今回解禁されたのは、アートディレクターの吉田ユニが手がけた映画のポスター。吉田氏が今作を見て、体感し感じ取ったものをデザインとして表現した。撮影はNetflixオリジナルシリーズ『First Love 初恋』（2022年）のメインビジュアルも担当した濱田英明氏が担当し、吉田氏が岩井監督と打ち合わせを重ね完成されたデザインとなっている。

　中央に象徴としておかれている全長約5メートルの巨大ギターは、キリエの“歌”によってみんなのつながり、歌によって大きな力になっていくんだということを表現するかのようにどっしりと構え、海で放流されていたようなテーブルやいすなどの古い家具を実際に組み合わせ特別に制作されている世界にたった1つのギターとなっている。

　ギターに寄り添うようにアイナ演じるキリエ、松村演じる夏彦、黒木演じるフミ、広瀬演じるイッコがギターを取り囲み寄り添うように表現されたデザインで、傷ついた人々の人生が絡み合いひとつの物語を織りなす今作を象徴するかのようなポスターとなっている。

　吉田氏は「ギターを構成するのは、海に放流されていたような、朽ちたような、はかない印象が残る家具なのですが、それらが集まって大きなものになり、どこか強さが感じられるビジュアルになったらいいなと思って考えました」と明かし「家具などの中に、ドライフラワーなども入れて少し動きを出したり、蔦でギターの弦を表現しています」と伝えた。

　濱田は「キャストのみなさんがセットに入った瞬間、それぞれの役の姿になったのを見て、きっとよいポスターになると勘苦心しました。ユニさんからイメージイラストをいただいたときは、実際にどうやってセットが作られるのか想像ができないほどだったのですが、スタジオに行くとほぼその通りのものが出来上がっていました。その完成度と再現性に驚いています」とコメントした。

　予告編では、運命に翻弄（ほんろう）されながらも懸命に生きる４人の姿を中心に“キリエのうた”が奏でる物語が岩井監督ならではの美しい映像で贈られ、ギター片手にキャリーケースを引いて都会を彷徨（さまよ）うキリエや、真っ白な雪景色に寝転ぶキリエとイッコの姿が心に残るものとなっている。

　また、キリエが歌う楽曲も印象的に使用され、予告編冒頭でカフェで歌われる「名前のない街」、ライブで人々を魅了する主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」のほか、物語を彩る楽曲の数々に心を奪われる予告編となっている。