映画『こんにちは、母さん』(公開中) (C)2023「こんにちは、母さん」製作委員会
山田洋次監督の90本目の映画『こんにちは、母さん』(公開中)より、監督のあふれ出るアイデアに、爆笑&翻ろうされるキャスト陣の姿が微笑ましいメイキング映像集が公開された。大泉洋と現役力士・明生(立浪部屋)が“相撲稽古”する様子も必見だ。
映像冒頭で映し出されるのは、母が密かに想いを寄せる牧師・荻生(寺尾聰)と対面し、昭夫(大泉)が複雑な表情を浮かべながら言葉を交わすシーンの撮影風景。真剣な様子で撮影に挑む吉永、大泉、寺尾らの姿が映し出される一方、映像内では山田組の和気あいあいとした空気が伝わる撮影現場の様子も。
吉永の手を借り支えられながら歩く山田監督を目撃した大泉が「私が肩をお貸ししてもいいんですよ!?大丈夫ですか?」と声をかけると、山田監督は即座に断り、 「こちらの方が何十倍も(良い)」と茶目っ気たっぷりに答え、コントさながらの息ぴったりな二人の掛け合いに、吉永やスタッフが爆笑する姿も収められている。
さらに撮影中、監督のあふれんばかりのアイデアが冴えわたる瞬間も。宮藤官九郎が演じる昭夫の同僚であり友人・木部が、リストラ候補に挙げられていることを知ってが神崎家に殴り込みにくるシーンで、台本では「お母さん、僕は会社をクビになるんです!」となっていたせりふを、急きょ監督のアイデアで「僕は“クビを会社になる”んです!」へ変更に。
予想外の展開に一瞬フリーズする宮藤だったが、即座に対応しようと監督から演出を受けながらリハーサルを重ねていく。リハーサルから笑いを堪えきれない吉永や、思わず「私たち笑わないでやるんですからね〜!」とツッコミを入れるYOUの姿もあり、作品同様に笑いの絶えない、温かな空気が流れる撮影現場の様子が伝わってくる。
さらに映像では、本作に出演した現役力士・明生の撮影シーンのメイキングも登場。撮影後、大泉が明生と相撲を取るも、その力の強さに思わず爆笑してしまう楽しげな様子も映し出されている。今月に92歳を迎えるが年齢を全く感じさせず、なおも素晴らしい発想力で映画を引っ張る巨匠・山田洋次監督の姿をはじめ、吉永や大泉らキャストたちの貴重な姿が凝縮されたメイキング映像となっている。