左から戸塚祥太_五関晃一(C)松竹
人気グループ・A.B.C-Zの五関晃一、戸塚祥太が20日、大阪市内で行われた大阪松竹座開場100周年記念『夜曲~ノクターン~』(同所、6月6日~22日)取材会に出席した。
【画像】五関晃一&武士姿の戸塚祥太も… 幻想的な『夜曲』チラシ
小劇場ブームさなかの1986年に「善人会議」(現・扉座)によって初演され、大きな話題を集めた劇作家・横内謙介氏の『夜曲 放火魔ツトムの優しい夜』が原作。これまでさまざまな演出家・キャストによって上演されてきた。
気弱な放火魔のツトムが、700年前の武士・十五たちを長い眠りから目覚めさせてしまったことから、過去の愛憎劇に巻き込まれ、不思議な夜を体験するストーリー。劇団・柿喰う客の代表で、舞台『黒子のバスケ』やハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』まで、幅広く活躍する気鋭の中屋敷法仁氏が演出を手掛ける。
五関は「今回、田山ツトム役を演じさせていただきます五関晃一です。稽古(けいこ)が始まって手ごたえも感じており、はやくお客様にお見せしたいという気持ちでいっぱいです。観ていただいた方の背中を押せるような作品にしたいです。そしてこの公演を成功させ、大阪松竹座開場100周年のバトンを次につなげたいと思います」と張り切った。
戸塚は「今回、塚田遼一くんに休むことに専念してほしいということで、私が田村十五役を演じさせていただくことになりました。これまで何度も出演させていただいた大阪松竹座の100周年に自分が携われること、大変光栄に思っております。いつも以上に張り切って舞台に立ちたいと思います!そして松竹座を盛り上げることはもちろん街の活気にも貢献したいです」と意気込んだ。
■一問一答
――五関さん、戸塚さん、お二人で主演をされるのは初めてでしょうか。
五関「ジャニーズの舞台以外で、とっつー(戸塚祥太)と2人で出演することは初めてですので、とても新鮮です。自分のキャラを分かってくれているので、アドリブのシーンでは安心感があり、思いっきりぶつかりにいくことができます」
戸塚「僕はジャニーズの舞台以外でメンバーと出演すること自体がはじめてですので、今回凄く楽しみです。どのような化学反応が起きるのか。貴重な時間になると思います!」
――戸塚さんは田村十五の役をどのように解釈されていますか。
戸塚「700年前の侍の役。自分はその時代に生きたことはないので、台本に書いてあることをしっかり読み取っていきたいです。生まれにコンプレックスがある役で、いろいろ考えさせられることがあります。十五が生きるために強いられている枠組みがあり、一生懸命生きようとした人間という印象です」
――五関さんは、田山ツトムの役をどのように解釈されていますか。
五関「僕が演じるツトムは現代人の役ですので、700年前からタイムスリップしてきた十五とは価値観のズレがあります。そこに生まれるクエッションをお客様側で表現していくイメージです。お客様の共感を得ないといけないので意識していきます」
――お稽古が始まって手ごたえを感じている部分はありますか。
戸塚「アンサンブルの方がいろいろな相談にきてくださったり、出演者の皆さんが良い意味でぶつかってきてくださいます。また今回、セリフが結構な分量あるのですが、殺陣のシーンもたくさんあって、正直びっくりしています(笑)。ですが、殺陣をやるとチームワークがさらに強化されます。僕自身、アクションが好きなので、気持ちが高ぶっており、すごく楽しみです」
五関「(劇団新派の)河合雪之丞さんとは稽古場での席がお隣で、所作やイントネーションなど、たくさんアドバイスをくださいます。出演者のみなさんとの距離感は、とてもありがたいです」
――役者としてはお互いどのようなイメージをお持ちですか。
戸塚「五関さんはどのお仕事でもすごく器用でマルチ。“天才”という言葉がしっくりきます。もちろん努力があってのことだと思いますが、そもそものポテンシャルがすごく高い人です」
五関「スイッチが明確で分かりやすいです。今回、ツトムと十五の友情が芽生える場面と、逆にぶつかる場面があるのですが、目が全然違います。ぶつかるシーンは、こちらが演じる必要もないぐらい『こわい…』と思いますね(笑)。あとはセリフ覚えがとても早いです」
――どうやってセリフを覚えているのでしょうか。自分なりのルーティーンなどはありますか。
戸塚「芝居は、同じ言葉が出てくることがあるので、何回この言葉を通過したというイメージで覚えています。ドライブのような・・・このコースを通るんだという感覚です。前後の接続詞が違うトラップもあるので、楽しんでやっています。あとは声を録音して、聞きながら散歩しています」
――40年ほど前にできた作品ですが、現代に通じる部分はありますか。
五関「700年前を生きる十五たち。そして現代を生きるツトム。いつの時代も、ツトムはお客様側の心情だと思っているので、ツトムという役が、その年、その年の現代代表というイメージです。そういう意味では、お客様にも分かりやすいのではないかと思います」
戸塚「物事は正義や悪ではなく、なんでそうなったのかが重要だと思っています。人によってとらえ方が違う。自分がどう考えるかは、レビューだけでは判断できないと思います。そういう意味では、より現代の方が“君はなにをどう信じるのか”というところが大切な時代だと思います。同様に、本当の判断はぜひ劇場に見に来てほしい、それぞれ感じたことを持って帰ってほしいと思います」