映画『零落』の公開記念舞台あいさつでバースデーサプライズを受ける竹中直人(C)2023浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会
俳優で映画監督の竹中直人が18日、都内で行われた、映画『零落』の公開記念舞台あいさつに参加。同作に出演している斎藤工、MEGUMI、主題歌と劇中音楽を手がけたロックバンド・ドレスコーズの志磨遼平とともにトークを行った。
【写真】映画『零落』でプロデューサーとしても活躍したMEGUMI
同映画は、青春漫画『ソラニン』などの作者・浅野いにおの同名漫画が原作。主人公の元人気漫画家・深澤薫を斎藤が、“猫のような目をした”風俗嬢・ちふゆを趣里が演じる。深澤の妻・町田のぞみを演じるMEGUMIは、同作のプロデューサーも務めた。
竹中監督は、本作について「これは浅野いにおというひとりの作家、たったひとりの観客のために作った映画です。その作品の共犯者として、みんなのタイミングが合ってこの作品が撮れたと深く思います。趣里さんにしても、玉城ティナさんにしても、みんながこの映画に必要な人たちでした。斎藤工は斎藤工にしかできない深澤薫を作った。その妻を演じたMEGUMIはいつも僕を見守り、非常に難しいキャラクターを演じてくれた。浅野いにおさんに向けた、僕のラブレターです」と語った。
トークが進む中、イベント中には「ハッピーバースデートゥユー」の音楽が流れはじめ、3月20日に67歳の誕生日を迎える竹中監督へのバースデーサプライズも行われた。
斎藤から花束が贈られると、2人はがっちりと抱擁。竹中監督は「自分が67歳になるなんて思ってもみなかった。素敵なメンバーに恵まれた。スタッフとキャストも含めて、この『零落』という作品に向き合えたことは一生忘れないでしょうね」といい、「どんなにおじいちゃんになっても絶対忘れない。ありがとう、本当にありがとう」と、照れ隠しに声色を変えながら、うれしそうな笑顔を見せた。
最後に竹中監督は、改めて「この『零落』という本と、ふと立ち寄った本屋で出会い、この美しい漢字を見て、絶対に映画にしなきゃいけないと思ったんです」とメガホンを取るまでの過程を回顧。そして「この漢字が、夜の歩道橋に筆文字で浮かび上がったら、どんなにキレイだろうと。それに向かって撮りました。そして直感的に浮かんだ俳優たちに集まってもらって、でき上がりました。みんなの声色が積み重なってひとつのハーモニーを作っている映画になりました」といい、「いろんなものを感じられる映画です。1回だけでやめないで、2回3回、4回と、繰り返し耳を澄まして観てください」と力強く伝えた。