鎌倉で13年ぶりのソロライブを開催したサザンオールスターズの原由子 Photo by 西槇太一
サザンオールスターズの原由子(66)が7日、神奈川・鎌倉芸術館で13年ぶりのソロライブ『原 由子 スペシャルライブ 2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」』を開催した。
【写真】原由子が花束を抱えて笑顔 夫・桑田佳祐やサポートメンバーと記念撮影
昨年10月に発売した31年ぶりのソロアルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady)』を携え、13年前と同じ、鎌倉芸術館のステージに立った。1985年に発表したサザンオールスターズのアルバム『KAMAKURA』収録曲で原のリードボーカル曲「鎌倉物語」で鎌倉でのライブがスタートすると、90年代のソロ曲「涙の天使に微笑みを」「少女時代」を演奏。柔らかな原の雰囲気を表現したかのようなステージセットや照明の演出も相まって、会場は優しさと温かさで包まれた。
最新アルバムから「千の扉~Thousand Doors」(NHK「みんなのうた」2022年10〜11月新曲)や、ビリー・アイリッシュのような最先端ポップスからサウンドの着想を得たという「オモタイキズナ」を2曲続けて披露。サザンオールスターズや桑田佳祐のソロライブでも活躍する豪華ミュージシャン・斎藤誠(Gt)、小倉博和(Gt)、角田俊介(Ba)、河村“カースケ”智康(Dr)、曽我淳一(Key)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Tp)、金原千恵子(Vn)、笠原あやの(Vc)、村石有香(Cho)の演奏に加え、ダンサーも登場するなどぜいたくな編成でも観客を魅了する。
「旅にまつわる曲を聴いていただきたいと思います」との曲振りで、1991年のリリース当時、東海旅客鉄道のテレビCM曲として使用された「花咲く旅路」を。続けて最新アルバムから「旅情」を、2010年発売のソロ企画アルバム『ハラッド』収録の「京都物語」を歌い、心地よいアンサンブルとともに観客を音楽の旅に誘った。
中盤では、ステージ後方の大きなLEDビジョンいっぱいにサンリオの人気キャラクター“ぐでたま”が映し出された。昨年Netflixで独占配信されたシリーズ『ぐでたま ~母をたずねてどんくらい~』の主題歌として書き下ろした「ぐでたま行進曲」をダンサーとともに楽しく歌いあげる。
続いて、最新作の中で特に大人な魅力があふれたジャジーなナンバー「夜の訪問者」では、ハンドマイクで歌唱。さらに、生ギターのコーナーでは、「ヤバイね愛てえ奴は」と「Good Times〜あの空は何を語る」をバンドメンバーとともに演奏し歌い上げた。
終盤に差し掛かり、ビジョンに鎌倉の名所が映し出される中で、ソロの代表曲「あじさいのうた」で魅せると、ライブのハイライトとなったのは、最新アルバムのリード曲「鎌倉 On The Beach」。「鎌倉物語」の続編を描くように作られたという同曲を鎌倉で披露し、2つの楽曲の物語が、38年の時を超えて一つになった。
アップテンポな「ハートせつなく」「スローハンドに抱かれて(Oh Love!)」「じんじん」の3曲では観客が総立ちとなり、銀テープが宙を舞い、華やかに本編を締めくくった。
アンコールでは、学生時代の想い出を歌った人気曲「いちょう並木のセレナーデ」を歌唱。その後、「43年前に私が初めてリードボーカルをとった曲を聴いてください」という曲紹介でサザンオールスターズの名曲「私はピアノ」を歌い、会場は大盛り上がりとなった。
ライブ最後の曲として披露したのは、2002年発売のカバーアルバム『東京タムレ』収録曲の橋幸夫と吉永小百合のデュエット曲「いつでも夢を」。原が歌い始めると、途中から夫で“戦友”の桑田佳祐がハンドマイクで歌いながら登場。桑田は花束を手渡して祝福し、13年前と同じ楽曲での夫婦デュエットにこの日一番の歓声と拍手が沸き起こった。
同ライブは6・7日の2日間にわたって開催され、計3000人を動員。7日公演は全国13都市16館でライブビューイングも行われ、計6000人を集めた。各ストリーミングサイトでは、ライブのセットリストのプレイリストがオフィシャルで公開された。
■原由子スペシャルライブ 2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」
01. 鎌倉物語
02. 涙の天使に微笑みを
03. 少女時代
04. 千の扉~Thousand Doors
05. オモタイキズナ
06. 花咲く旅路
07. 旅情
08. 京都物語
09. 恋は、ご多忙申し上げます
10. ぐでたま行進曲
11. 夜の訪問者
12. ヤバいね愛てえ奴は
13. Good Times~あの空は何を語る
14. あじさいのうた
15. 鎌倉 On The Beach
16. ハートせつなく
17. スローハンドに抱かれて (Oh Love!!)
18. じんじん
【アンコール】
EN1. いちょう並木のセレナーデ
EN2. 私はピアノ
EN3. 初恋のメロディ
EN4. いつでも夢を