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“延長保育”を理解しない親「たかが数分過ぎたら金とるんか!」怒鳴られる保育士、クレーム対応も「業務のうち…」現代保育の問題点

『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』より(C)KADOKAWAの画像

『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』より(C)KADOKAWA

 子どもたちの笑顔と笑い声が溢れる保育園。しかしその水面下には、モラハラ園長、モンスターペアレント的な保護者、部外者の侵入、過酷な労働環境など、保育士を悩ますさまざまなトラブルが起こっているケースも多いという。実体験をもとに、子どもたちの笑顔を守るために日々、奮闘する保育士の姿を描いた漫画『保育園トラブル モラハラ園長と闘います』(KADOKAWA刊)著者のたぷりくさんに、作品に込めた思いと、現代の保育園の問題点、増加する事件事故を防ぐために必要なことを聞いた。

【画像】アレルギー嘔吐した園児に「大げさ!」笑い飛ばし…モラハラ園長のトンデモ発言

■モラハラ園長、足りない保育士、モンペのクレーム対応…漫画で描かれる現場のリアル

――モラハラ園長をはじめ、悪質な保護者や保育士の労働環境など、本作には保育園にまつわるさまざまな社会問題が描かれています。ご自身の保育士としての経験を活かして描かれたそうですね。

【たぷりくさん】保育園を舞台にしたトラブル面に着目して描きましたが、マイナス部分だけでは終わらせたくないという想いもありました。保育士の先生たちは、子どもたちそれぞれにどう成長してほしいか、そのためにはどんな関わりや取り組みが必要かを考えながら、1人ひとりと日々向き合って奮闘しています。子どもたちを想って保育している先生たちの姿も描きたかったので、主人公のはる先生に、その思いを託したんです。

――主人公をはじめとする先生たちの姿から、保育士が直面している苦悩や努力を具体的に知ることができ、現場のリアルが伝わりました。

【たぷりくさん】例えば、退職した先生の穴を埋めるのが大変というエピソードを描きましたが、保育士が抜けて保育が大変になるのは、多くの園で実際にあることです。保育士が不足していると、クラス内でどういった状況になるのか。その中で、先生方がどう尽力して保育しているのかが、少しでも伝わればという思いで描きました。

――非常識な保護者も登場します。お迎えが遅れた場合の「延長保育料金」の請求に対して、「そんな制度知らんわ! たかが数分過ぎたら金とるんか!」と激昂する父親が描かれましたが、理不尽なクレームを寄せる保護者に対しては、どういう策を練られているのですか?

【たぷりくさん】作中のケースは別の保育士の体験ですが、クレームを言ってこられる保護者はやはりいますので、丁寧に説明してお願いするとか、信頼関係がよく築けているベテランの先生が対応するなど、保育士間で対応に気を遣っています。

■「給料を払うのが癪」とんでもない“モラハラ”がはびこる園長の経営

――近年、スクールバスでの置き去りなど、保育園や幼稚園での様々な事件、事故が注目を集めています。一方で、責任がともなう中での保育士の厳しい待遇についても、広く関心が寄せられています。

【たぷりくさん】保育園での事件や事故には、私も本当に心を痛めています。これらは昨今に始まったことではなく、以前からもありました。そのたびに各園で対策を強化し、職員間で意識を高め合ってきたと思います。個々の保育士が、常に危険を予想しながら注意することはもちろん必要だと思いますが、園の責任を担っている園長の意識自体が低いことも、多くの事故が起きている要因にあると思います。

――運営面でも、細かなチェックと更新が必要なんですね。

【たぷりくさん】事件や事故のニュースを見ると、「長年やってきたいつもの流れだから大丈夫」という意識の低さがにじみ出ているように見えて仕方ありません。そのたびに、「またか、どうして…」「あれから学んだのではないのか」という、やるせない気持ちにさせられます。

――保育士不足の問題もあります。本作でも、倒れるまで働く主人公に園長が「たるんでる」と叱りつけ、「給料を払うのが癪」と嫌がらせをしていました。運営に関わる経営の問題ですね。

【たぷりくさん】保育士の数が足りない、人手不足で配慮が届かないという問題は、確かにあります。だけどその前に、子どもたちの安全を守るための最低限のことをしていかなければ、事件事故を防ぐことはできないと思います。きちんと園と保護者間で対策を共有し合い、何のために行っているか、行わないとどうなるのかを忘れずに続けていくことが必要だと思います。

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