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青木真也が感謝し続ける、桜庭和志のプロフェッショナル「自分も日本人に介錯してほしい」【敗戦翌日インタビュー】

『ONE 163』試合翌日にインタビューに応じた青木真也 (C)ORICON NewS inc.の画像

『ONE 163』試合翌日にインタビューに応じた青木真也 (C)ORICON NewS inc.

◆『ONE163』(19日/シンガポール・インドア・スタジアム:ABEMA PPVで生配信)
 “ロシアの新鋭”ザイード・イザガクマエフに1ラウンド1分26秒、TKOで敗れた青木真也(39)が、試合から一夜明けた20日の朝、滞在するシンガポールのホテルで現地取材した日本メディアの取材に応じた。

【動画】青木真也、昨今の格闘界をバッサリ「みんな俺のパクリですから」

 試合のダメージが心配された青木だったが、顔に痛々しい傷はあるものの、ホテルのプールで疲れを取っており、プールから上がって取材が始まると開口一番、「負けたのに話を聞きにきてくれてありがたい」と、こちらの空気を察してリラックスした雰囲気を作り出してくれた。

■「格闘技は負けても死ねない。だからこそ学びもあるし、つらさもある」

 まずは、完敗とも言える試合内容について聞くと「僕自身が御神体みたいな扱いをされてるので、勝手に解釈されて勝手に(評判が)回ってきますよね。それはもう、自分が積み上げてきた努力と、みなさんのおかげですけど、それもひっくるめて期待に対しても主導権を取られるのが嫌なので、最後まで手放したくないですよね」と、試合内容だけではなく試合に至る過程と、試合後の議論も含めて“周りに好きにさせない”という持論を貫く。

 試合のテーマを「生きていく」と掲げていたが、「やっぱり格闘技って死ねないっすよね。死ねないからこそ学びもあるし、つらさもあるし。死んでた方が楽ですからね」とサッパリと語る。その真意をもう少し尋ねると「だって、負けて終わりの方が楽じゃないすか。負けたことを味あわなくていいし、スパッと終われるなら楽ですけど、負けても勝っても続いていく部分が難しい。昨日の試合だと、勝っても『お前は次にどうするの?』って言われるし。」と、格闘家という生き様の続け方について言及した。

 「ONEだけじゃなく、UFCでもベラトールでも同じだけど、金が集まって選手が集まれば代謝は早くなっていく。だから昨日の試合に勝っても、次にもっとハードな選手との試合が続いていく。特に『ONE』はここ3年くらいそれが加速していて、なんとか生き残ってきたけど、そろそろしんどいって僕自身もこの試合の前から感じていて。これはどこかで止めないと体が持たないですよね」

 今回の試合は1ラウンド1分26秒という短期決戦となったが「自分を出せなかったとは思わない。時間尺じゃないし、別にやったことに対する後悔も、試合に負けた後悔もないっす」と試合内容には後ろめたさは感じていない。そして、「それでも人が勝手に解釈して自分の物語が進んでいくっていうのは、若い頃から20年近く一生懸命に客と商売をしてきたからだと思います。若い頃からちゃんとやってきたことが、ここにきて生きてきた」とこれまでのキャリアに対する自負ものぞかせた。

■「いま平田樹を叩くのはダサいし、ズルい」格闘技ファン層の変化は「RIZINとYouTube」

 「試合翌日ですが、今後のイメージはありますでしょうか?」と恐縮しながら聞くと、「全然ありますよ。ただ、おまえらの思い通りになると思うなよ」と青木節はますますヒートアップ。「みんな勘違いしているんですよね。感情移入して“俺たちの青木”みたいなのが強まってくるから、こうあってくれって思うんですけど、自分はずっとそれを裏切り続けてきた人だから。ナメんなよとは思いますけど(笑)。まぁ、負けて話題になる、話を聞きに来てもらえる選手になれてることがありがたいっす」と、ファンの期待すらも華麗にかわしてみせる。

 話題は、同大会に出場予定ながら体重超過で試合が不成立になった平田樹にも及んだ。前戦に続いて2試合連続の超過、そして今回は試合もキャンセルになったことで、一部で炎上騒動となっているが、「話題にならないよりはなったほうがいいですから。もちろんプロとして体重超過はダメなんだよ。ダメなんだけど、いま叩くヤツらって本当にダサいっていうだけ。俺は前の時はバカにしたけど、今回は本当にヤベえと思ったから抑えた。いま叩いてるヤツは、本当に叩かれたり追い込まれたことがないヤツだし、ズルい。今の平田は本当に落ち込んでて危ない可能性があるから、俺はフォローする。やっぱり、みんな愛がないし優しくないし、ユーモアがないですよ。叩くにもセンスが必要」と、かつては技術を指導した“愛弟子”への心遣いも感じさせた。

 青木に続く日本人も『ONE』に続々と参戦しているが、青木以上にインパクトを残せている選手はまだいない。前日の『ONE 163』もメインカードに出場した日本人4選手が揃って敗れる結果となった。この状況について「代謝が早まっている」と前言を繰り返し、「若松(佑弥)がもう喰われる立場になってる。どんどん代謝されていって、生き残るためにはなにか違う分武器を見つけるとか、手を変え品を変えやっていかないと」と“強さの追求”だけでは生き残れないと警鐘を鳴らす。

 「僕はそこで競ってないですから。イザガクマエフも僕の存在は喰えてないですよね。僕の憧れていたプロ格闘技って、そういうものだったので。『負けても平気なのか』とか言ってくる人もいるけど、自分の客じゃない声は関係ない。じゃあこの20年近くトップでやってきてるのは誰だって話じゃないですか。MMAだけじゃなくミックスルールとかもやって、団体を1~2個潰してきたのは誰だっていう話でね。RIZINとYouTubeがきっかけで新しい格闘技ファンが増えて、わかってない人も増えてきたけど、そこは俺の客じゃないので」と唯一無二の選手として自分のプライドは揺るがない。

■「桜庭さんや藤田さんにケツを拭いてもらってきた。今は俺が若手のケツを拭くのは当たり前」

 今回対戦したイザガクマエフは、1度目の計量で体重超過してしまったが、青木は「それでもやるよ」と即答していた。「だって、平田も体重超過して試合が無くなりそうで、俺が試合をやらないと興行がどうしようもないじゃんっていう責任感があるから。だから落ち込んでる平田に言ったんですよ、『俺が全部形にしてやるから』って」。その責任感のルーツは、若手時代に見た偉大な先輩の後ろ姿だった。

 「DREAMが立ち上がって最初の年の大みそかの『Dynamite!!』で、自分はエディ・アルバレスとやったんですけど、メインは桜庭和志VS田村潔司だったんです。俺たちじゃ数字にならないからって先輩が働いてくれて、あの試合の桜庭さんは、前の試合で左腕を骨折してたのにサポーターをして試合に出ていたんです。他の大会でも先輩たちにケツを拭いてもらって、桜庭さんや田村さん、藤田(和之)さんが未熟な僕らをカバーしてくれました。だから、今は既得権益で食ってる俺らオジサンが若手のケツを拭くのは当たり前ですよね。若松と平田とかそこら辺の選手は、オジサンが頑張ってる間に育ってもらって、俺らがいなくなったら、今度は彼らが下のことフックアップしてくれたらいいなと」

 そして、最後に「できるならば、日本人に介錯(かいしゃく)してほしいですね。自分が2015年のRIZINで桜庭さんを介錯して立場をスイッチしたように、僕もちゃんと責任感があって引っ張ってくれる人にスイッチされたい。その思いは強いです」と言葉を残した青木。たっぷり30分以上にわたって語ると、「ありがとうございました」と笑顔を見せて、再びプールに入っていった。

◆『ONE 163』はABEMA PPVで全試合ノーカット配信中

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