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“唯一無二の格闘家”青木真也の歩いてきた道と、これからの道「理想の引退とかない。自分が納得するようにやるだけ」

『ONE 163』でザイード・イザガクマエフと対戦する青木真也 (C)ORICON NewS inc.の画像

『ONE 163』でザイード・イザガクマエフと対戦する青木真也 (C)ORICON NewS inc.

 19日シンガポールで開催される格闘技『ONE 163』に参戦する格闘家の青木真也(39)が、試合を2日後に控え現地で最終調整している合間の貴重な時間で、ORICON NEWSの単独インタビューに応じた。

【動画】青木真也、昨今の格闘界をバッサリ「みんな俺のパクリですから」

 勢いのある若手選手との試合が迫っている状況のなか、この戦いの意義と決してブレない格闘家としての自分の信念、日本の格闘技界への提言、そして刻一刻と近づいてくる自身の“カウントダウン”について…。淡々とした言葉の端々に込められた、揺るぎない青木真也イズムを感じ取っていただきたい。

■若手強豪選手との試合は「何かを見つけたいんだと思う」競技の追求は20代で終わり

 今回対戦するザイード・イザガクマエフ(ロシア)は今年1月からONEに参戦して2連勝し、ONEのレジェンドである青木に対戦アピールしていた。若く強力な打撃が武器のファイターで、相性的には青木が苦手とするタイプだが、今回のオファーを受けた理由を聞くと「俺が選んだわけじゃないんだけど、やれって言うから。心境的には子安慎悟と戦ったケンドー・カシンって感じじゃないですか。猪木会長がやれって言うから、みたいな(笑)」と、21年前の2001年大みそかの『INOKI BOM-BA-YE』の一戦を持ち出した。誰にでもわかる言葉では説明しない、読み手の読解力を常に刺激する青木らしい表現である。

 そんな試合について「何かを見つけたいんだと思いますよ、自分自身で答えみたいなものを。答えは自分のなかでわかっていて、その答えを自分で出したい。だから、自分が試合をして出てくる言葉を待っていて、そのために(格闘技を)やってるんです。自分自身がまだ意地を張れるのか、確認する意味でも必要なんだと思うんですよね」と意味を持って取り組む。

 10月に行われた今回の試合に向けた会見では、格闘家としてのキャリアが終わりに近づいていることを感じさせる発言も飛び出した。来年で40歳、同世代の選手はほとんどがファイターを引退し、第二の人生をスタートしている。改めてキャリアのカウントダウンについて聞くと、「もう終わってると思いますよ。20代で終わってるんじゃないですか」とあっさり答えた。

「DREAMで戦ってた26~27のときは本気で世界で1番を目指していたけど、コンペティション(競技)としては20代で終わって、そこからは生きるためというか、生き方として格闘技をやってますから。だから引退っていう概念はないです。試合があればその時のベストのパフォーマンスをして、その次があればまたその時点でのベストを見せる。手を変え品を変え、なんとか戦ってます」

■新規ファンは「場が荒らされるので必要ない。行間を読めない人は相手にしない」

 提示された試合に全力で取り組む、格闘家として極めてシンプルに当然の姿勢を貫く青木。20代で日本の格闘技界に献身し、30代はONEで唯一無二の存在感を高め続けてきた。その結果、今回のような“若手がベテランを乗り越えていく”という格闘技でよくあるマッチメイクでも、簡単に踏み台にはならず「そんな構造に食われないですよ。今回だって俺の座組に勝てるやつはいない。俺の生き方の戦いと、格闘技として競技での戦い、その2軸で勝ちますから」と堂々と胸を張る。

 青木には、起業家や経営者、一流企業のトップランナーなどにファンが多いことでも知られる。逆に言うと、若い新規の格闘技ファンにとって青木真也というファイターは、理解するのに難解な存在となってきた。青木も自身の魅力について「教養があったり、長く見てきた人じゃないとわからないし、そんなにわかりやすいものを提供するつもりはない。日本の格闘技にワーワー言ってる人は、俺の客じゃないんで。行間を読めない人を相手にしていない」と自らのハードルを上げている。

「みんなYouTubeの再生回数を大事にしてるけど、自分は良くしてくれる“客”を大事にしてるだけだから。新しいファンが増えたら、場が荒れるから困るんです。今がすごくいい状況で、青木真也がやってることを理解して楽しんでくれて、すごくいい空間があるので自分もそれに向けていいものを作っている自負がある。そのなかで新しい人が入ってきて、わかんない価値観で騒がれると荒れちゃうし、それが嫌なんですよ。自分は自分の客を大事にして、それ以外の“にぎやかし”の人は、来るなとは言わないけど、自ら獲得しにいこうと思っていません」

 他のどの格闘家からも出てこない話の連続に、こちらが頭をフル回転にして理解しようとしていると、「メディアにも、『面倒くさいけど青木に話を聞いてみようかな』って思ってもらえるのが価値というか、それを大事にしたいですよね」と、こちらの心理をえぐるような言葉を投げかける。このインタビューの場も、青木にとっては一種の戦いであり、客に自分の現状を伝える機会としているのだ。

■「客にコントロールされる格闘家はダサい」引退の質問には、しばし無言となり…

 そして、その鋭い舌鋒は日本格闘技界にも及ぶ。「特殊な国なんで、面白い試合をしても誰も見ないっすからね。だからって過激な言動に走る人もいるけど、みんな俺のパクリですよ。俺は昔からずっと、試合前に作り上げていくことが大事だって言ってたけど、その時は『青木がなんだか奇特なことを言ってんな』って反応だったのに、でも今はみんなそうなってんじゃん。やり方が10年早かったけど、また今の自分は違うところを見てるから。だから、客にコントロールされてる格闘家は、ダセいって思っちゃうんですよ」。

 客との向き合い方のエピソードとして、青木はプロレスラーの鈴木秀樹の発言を紹介した。

「鈴木秀樹がプロレスの試合で客から野次られて、控室に帰ってきたら『客のくせに文句を言って、人に指図しやがるんだよ』って言ってて。それが、本当に芯を食ってるなと思ったんです。俺は自分のレスリングを見せてるのに、それに対して何か言ってきやがって、生意気な奴らだって。それが最高で、確かにと。こっちが専門家で、そこを客に寝ちゃったら(関係性が)崩れちゃうじゃないですか。俺はここは譲らないというラインを鈴木さんは持っていて、カシンさんも藤田(和之)さんもそうだし、やっぱり業界で生き残ってる先輩方からは、学ぶことが多いですね。腕っぷしだけで生き残ってる人は、一家言あるんですよ。そういう業界内外の先輩方を見て、教えてもらって、今の僕の価値観ができてきたので、わりといろんなところで勉強してる方だと思いますけどね」

 常に矢面に立ち、自分の発言に責任を持ち、孤独と戦いながら目の前の試合に全てをさらけ出す。それが、青木真也が唯一無二であり続ける理由である。ファイターとしてオンリーワンの価値を築き上げ、多くの客を獲得しているが「負けたら全員いなくなると思っていて、手のひらを返される恐怖は常にあります。これまでに手のひらを返され続けてきた人なので、本心では誰も信用していないし、人は離れていくと思っています。それは、裏切られたからじゃなく、自分が未熟で能力が低いから人が離れていく。本当に怖いですね」と、常にすべてを失う恐怖も抱えながら戦っている。

 最後に、自身の引退へのカウントダウンが進むなか、ラストマッチのゴングが鳴るまでにやってみたいこと、戦ってみたいことを聞いた。それまでの質問には饒舌に答えていた青木だったが、この質問にしばし無言となり、熟考の末に次のように語った。

「あんまりないな。自分で納得すればいいです。面白くないと思われたり、能力が追いつかなくなって『いらないよ』って言われたら、それまでなんで。そしたら、条件を下げても自分が納得するようにやっていくだけで、別に理想の引退とかないっすよ。求められなくなったら終わり、そんだけです。俺が好きでやってることだから」

◆『ONE 163』大会情報
・放送日時
11月19日 午後7時~
・対戦カード
秋元皓貴VSペッタノン・ペットファーガス
平田樹VSハム・ソヒ
青木真也VSザイード・イザガクマエフ
岡見勇信VSアウンラ・ンサン
若松佑弥vsウ・ソンフン ほか
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