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松村北斗、声優初挑戦は「魔法のような体験」 声に自信持てずも新海誠作品に抜てき【インタビュー】

『すずめの戸締まり』に声優として参加した松村北斗(SixTONES)撮影:山崎美津留(※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.の画像

『すずめの戸締まり』に声優として参加した松村北斗(SixTONES)撮影:山崎美津留(※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.

 人気グループ・SixTONESの松村北斗(27)が、新海誠監督3年ぶりの新作アニメーション映画『すずめの戸締まり』(11月11日公開)に登場する宗像草太(むなかた・そうた)役で声優初挑戦する。オーディションを勝ち抜き大役を射止めた。自身の声に関して「良いとも武器とも感じたことがなく、自分が作りたいものの邪魔になってしまう」とコンプレックスを抱えていたと明かしつつ、「魔法のような体験」したという今作のアフレコを振り返った。

【写真】さわやか!笑顔で手を振る松村北斗

 日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・岩戸鈴芽=すずめ(CV:原菜乃華)の解放と成長を描く物語。草太はすずめが九州のある廃墟に向かう途中で出会う「旅の青年」で、謎の猫・ダイジンに“椅子”に姿を変えられたことによって、すずめとともに冒険を繰り広げていくこととなる。

■「今の自分の声には自信はない」でも作品と草太には「すごく自信があります」

――前日に完成作を観たばかりということですが、まず感想をお願いします。

なかなか冷静に観ていられず、ずっとひじ掛けを握って肩を力ませてしまいました。上映後は、自分が何に対して感極まっているのかわからなかったけど、場内の熱気も、自分の中であふれるものの温度がすごく高かった。その場にいる全員の目頭が熱くなっているような。なんとなく部活3年生みたいな感じ。僕は部活やったことないんですけど(笑)。

アフレコは1ヶ月半ですが、製作期間でいえば、何年もかかっていたこの作品に1回“点”が打たれた。振り返れば部活のような青春が、映画からもあふれていました。エンドロールを観れば、ありえない数の人が、ありえない数の役職で関わっている。自分で経験した思い出と、映画自体が持っている思い出を想像しながら思いをはせていました

――観終わった後、自分の口からどんな言葉が出たか、覚えていらっしゃいますか。

すぐに、新海監督からごあいさつがあって、その流れで『北斗くんと菜乃華さん、前に出てもらっていいですか』と。なので一言目は、皆さんへのあいさつでした(笑)。何もまとまらないままで、何を言ったかも覚えてない。ただ「新海監督が」なのか「作品が」なのか「観てくれた人」なのか「共演した方」なのか…何に対してはわからないけど、すごく『好きだな』という思いにあふれながらしゃべっていました。前に立って、皆さんにあいさつしていること自体に違和感がありましたが、プロモーションも任せていただいているので、すべての魅力が伝わるように頑張ります、といった宣言をしました。

――新海監督から声を褒められたと聞いていますが、それまで自分の声に対してどういう印象でしたか。

自分の声は、「性格と合わないな」と思っていたんです。性格と合うと感じる声を出していると身体に無理がある。自分では、もっとひ弱に、ナヨナヨしゃべっていたいんです(笑)。ちょっと太かったり低かったりひっかかりのある声だとは自覚していて、それを良いとも武器とも感じたことがなく、自分が作りたいものの邪魔になってしまうな、と感じたこともありました。

――それが、新海監督から褒められたことで、自信が生まれたりしましたか。

自信というか、この声が武器になる場所は一応あるんだとうれしかったです。でも、正直、別のどこかで『この武器を使え』と言われても実は使えない。新海監督と響監督が引っ張ってくれないと出せない。音を所持するのは僕だけど、演奏できない状態に近い。テーマパークのように、そこに行ったら嘘みたいな魔法にかけられたような体験です。

今の自分の声には自信はないけど『すずめの戸締まり』、草太にはすごく自信があります。でも、今同じことをやってと言われてもできないです(笑)。もしこの話を聞いて『草太の声とまったく一緒でいいから、ウチでやってくれ』って言われても、今回のチーム全員連れてきてもらわないとできないですね。

■役作りで架空の“すずめ”と同居「お風呂からリビングにいるすずめさんを呼ぶ」

――草太は重心が低いイメージがあるとおっしゃっていましたが、それも役を作るときに考えたのでしょうか。

特別意識しました。普段の芝居においても、重心は割と意識しているかもしれません。落ち着いているときは、心臓ってこのへん(みぞおち)にある感じしますよね。(自分は)緊張しいなので、どんどん心臓が上がってきて苦しくなるタイプ。それでも支障がない時と、逆に弾んでいたほうがいい時があるような気がする。

草太の動きは、腰が入っている。口から声が聞こえるというより、どこからともなく声がする人。どこからともなく声が響いてきて、だから重心は低く身体の真ん中、つま先と頭で声が響くように、自分の中のアプローチとしてやってみて、少しずつ新海監督の手で洗練されていきました。

――今作は、アクションシーンや、走りながら叫んだり、激しい動きの中でのセリフを言うシーンが多いように感じました。

叫ぶシーンは多かったですね。特に草太は戦闘も多い。でも撮ってみて、発した声が似すぎている場所は、後であえて変えたりしています。あとは、『すずめさん』と呼ぶことがすごく多い。全部言い方を変えすぎても違うだろうし、中盤・後半ですずめが呼ばれて安心するような、身に覚えがある声である必要がある。途中から草太の『すずめさん』という声が、どこかで聞いたような言い方ではあるからこそ、すずめが“知っている人から知っている呼ばれ方”をされた喜びと安心みたいなものにつながってくるので、その塩梅は最終的には新海さんに任せつつですが、忘れてはいけないなと思いました。

どこで使うかは決めずにいろいろ練習はしました。例えば『すずめさん』の呼び方や、よく出てくる『クソ』や『うおー』とかは、自分でとっさに出るようにいくつかレパートリーを用意して。あとは架空のすずめさんを普段から呼ぶ練習もしていました。

――それはアフレコ前の準備としてですか。

そうですね。これは『すずめさん』の呼び方のレパートリーが必要だな、と。生活の中ですずめさんと“同居”してるみたいな時期ありましたね。この状況だったら草太はなんて呼ぶかなとか、“あ、そっか、そういうのもありか!”みたいな。そのうちの数%しか使っていないんですけど、そういう練習をしてました。

――具体的には、自宅ではどんな状況で架空のすずめを呼んでみたんでしょうか。

新海監督の作品には身近に転がってるような日常の温かみも魅力的に描かれている。今作でもそういったシーンがたくさんあるんですよ。でも、ちょっと声量を大きくしたかったので、お風呂からリビングにいるすずめさんを呼ぶ、というのは割とやりました(笑)。自分が設定した日常の距離感や状況のなか、草太がすずめをどう呼ぶか。キッチンからリビング、隣の部屋にいるとか、覗き込みながらなど。しばらく考えてましたね。

――映画『ホリック xxxHOLiC』で共演した神木隆之介さんと、親友役で再共演することも話題となっています。アフレコについてアドバイスをもらうことはありましたか。

神木くんには、オーディションを受ける前に、声の仕事をする上での細やかなこと“入口”のようなことを聞きました。役に決まってからもアドバイスをいただいたり。意外だったことは、息の扱い方を大事にしているという話。リアクションもそうですし、普通のせりふでもどれくらいの息でしゃべるのか。息の量や圧が大切で、声のことや“お芝居すること”を意識するものだと思っていたからこそ、経験しないとわからないことを教えていただいました。

――実際に同じシーンでの出演はほぼありませんが、神木さんのアフレコも見学されてみて、いかがでしたか。

いや、もう衝撃的でしたね。神木くんはすごい。新海さんも、音響監督さんも、彼は声優さんだからっておっしゃってて、それを目の当たりにしました。『ホリック xxxHOLiC』の神木くんとはまったく違う存在だった。芸能活動楽しいだろうな~って思いました(笑)。

■新しい仕事への挑戦は“不安”が大きい「毎回、人生の挫折を経験しています」

――声優初挑戦にして、いきなり新海誠監督の最新作のメインキャラクターに抜てきされました。松村さんは新しいことに挑戦する時は期待と不安、どちらが大きいでしょうか。

期待から入って、最後は不安だけになっていくタイプです(笑)。今回も、オーディションを受けることになって、ものすごくワクワクしました。オーディションに参加すること自体が夢のようで。資料をいただいて練習し始めて、どんどん不安になって(笑)。でもまだ楽しくて。

オーディションは、実はすごく好きなんです。何の責任もないお芝居というか、もしダメでも世に出ないだけで、その瞬間は自分にとっては、もう趣味に近い。『この役をやりたい』と思ってオーディションを受けるので、ダメだったらもう演じることができないという不安はあるけど、まずは1回テスト本番、練習試合みたいな、なんの責任もないことができるので、すごく興奮しながら演じました。

ただ『受かりました』となってから、不安の増殖が始まって、期待が食われていく。正直どの作品でもそうですね。話をいただいて、ワクワクして、台本読んで、(本番に)近づくにつれ、どんどん不安になって、不安しか残らない…というのが定番ルートです。僕のルーティンです(笑)

――役に対して考える時間が多いから余計に不安になる。

そういうことだと思います。毎回、子どもの頃、初めてなりたいものができた時みたいな感覚。ヒーローを見て、あ、ヒーローなりたいって思ったみたいな時の気持ちになるんですよ。自分の中で『こうなりたい』という理想を描いて、でも、だんだん、“今の俺の技量じゃなれない”、“俺の体格じゃ”、“俺の声じゃ”とか…って。だから毎回、人生の挫折を経験しています(笑)

――そういう気持ちとどう折り合いをつけていらっしゃるのでしょうか。

火事場の馬鹿力…は出ないけど、ありがたいもので、どれだけ挫折しても、撮影日はやってくる。現場に行くしかないということに尽きます。スッキリ晴れた気持ちで『よし、行きましょう!』ということは1回もない。だいたい“どうしよう、どうしよう”と思いながら現場に行く。折り合いの付け方というか、時に身をゆだねているだけですかね。

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