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できるモデラーは背景にもこだわる…整備? 解析? 出撃前? 見る人の想像力を刺激する“格納庫収容ガンプラ”の世界

MSN-06S SINANJU(シナンジュ) 制作・画像提供/swmiruko氏 (C)創通・サンライズの画像

MSN-06S SINANJU(シナンジュ) 制作・画像提供/swmiruko氏 (C)創通・サンライズ

 ガンプラ作品を表現する上で、機体に力を入れるのはもちろんだが、その背景によって見る人の印象が変わるのは確か。今回紹介する2人のモデラーは、それぞれ異なる機体を“格納庫”に収容した作品を作り上げ、それぞれそのリアルさや、イメージした物語が賞賛された。シナンジュとΞ(クスィー)ガンダム(以下/クスィーガンダム)は、なぜ格納庫にいる姿が描かれたのか?

【写真】「後ろ姿がリアルすぎ!」今にも出撃しそうな態勢で格納庫に待機するシナンジュ<swmirukoさん作品>

■リアリティを追求する上での“格納庫”

 swmirukoさん(@swmiruko)は、モビルスーツの兵器としてのリアルさにこだわった作品を発表し続けているモデラー。このような作風になったのにきっかけがあったと自身で分析する。

「おそらく僕自身のベースとして、『機能美』が好きなんです。車や、ロードバイクが趣味なんですが、その辺はいつも意識しています。ですので、ガンプラでも同じようなものを求めることが、リアルさの追求に繋がっているのかと思います。制作時、リアルさをどうしたら出せるかは常に考えていますね。『写真の向こうに、実際のモビルスーツがそこにあるようなガンプラを作れるようになりたい!』と、夢みて始めたガンプラなので、そこは追求していきたいと思っています」

 その想いはガンプラだけにとどまらない。ガンプラを生かす背景にも生かされ、「2年前の夏に制作した」という格納庫は、「庫内に自作エレベーターがあり、手動で動くようになっています」というこだわりよう。リアリティのある作品を追求するための、手間暇を惜しまない同氏だが、一方で作り上げた作品の“設定”へのこだわりはあまりないよう。

「僕自身はストーリーや物語なども特に意識はしていません。人それぞれ感じ方は違うと思いますので、見ていただいた方達が、いろんな物語を想像して頂ければ…と、考えています。1枚の写真から、人それぞれの物語が出来ればうれしく思います」

 今春に発表され大きな反響を巻き起こした『シナンジュ』も、細かな設定よりも自身が表現したいものを追求した結果、制作することにしたという。

「前作を作り終えた後、『次の制作はキャンディー塗装にしよう!』って思ったのが先なんです。キャンディー塗装が似合う機体としてシナンジュを選びました。ですので、シナンジュに特別な思い入れがあった訳ではありません(笑)。ちなみに、このシナンジュを見た人のコメントを見ると、比較的、出撃前のイメージを持たれる方が多いようです(笑)」

 というものの、賞賛の声に対しては、「正直、反響の大きさには戸惑いましたが、皆さまの声は素直にうれしいです。中でも『リアルさを感じた』という声は、やっぱり特別うれしかったですね(笑)」と喜びを隠さない。そして、モデラーとしてこうなりたいという憧れがあるという。

「僕にとって、ガンプラ作品を発表されているモデラーの皆さまが先生であり、目標でもあります。僕は模型歴がまだまだ短いのですが、以前、制作方法が分からない時、あるモデラーさんにDMでお尋ねしたことがありました。その際、会ったこともない僕に、凄く丁寧に教えてくださいました。そのようなモデラーさんになっていきたいですね」

■イメージした物語を作り上げる上で、格納庫である必然性があった

yuji.otani(@otani_yuji)さんは、昨年公開され大きな話題になった映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主役機・クスィーガンダムが囚われるという衝撃のシーンの作品を発表。リアリティを追求する装置として格納庫を作ったswmirukoさんに対し、同氏は、イメージした物語から、表現したいものが格納庫にいる必然性を導き出した。

「映画を観た後に『HG 1/144 Ξガンダム』を組み立て、その後しばらくしてから『閃光のハサウェイの印象的なシーンを再現しよう』と思い立ちました。どのシーンにしようか考えていたときに、ペーネロペーとの戦闘後をイメージしました。映画の戦闘シーンではクスィーガンダムが勝利しましたが、攻撃を受けて被弾しているだろうと思いました。そこに原作小説の終盤にあると聞いた『囚われた』という設定を加え、自分なりの発想で表現してみることにしました」

 被弾したクスィーガンダムの痕跡がリアルに表現されているが、これはこだわりのひとつだという。

「いつもガンプラ作るときは被弾跡のリアルさにこだわっています。以前は、世の中にはすごいモデラーの人たちが多くて、ウェザリングを施した作品の領域にはいけないだろうなと思い、『美しいガンダム』を目指していました。でも『ガンダム00』でキュリオスが最終決戦で『傷つきながら覚醒する』という作品の制作をターニングポイントに積極的に『傷ついたガンダム』を制作するようになりました」

 “生け捕り”にされ、格納庫に入れられたクスィーガンダムは、その後どんな運命が待ち受けているのだろうか?

「解析されて、連邦軍側の機体として大きな戦力になっていくイメージです。圧倒的な強さを誇るクスィーガンダムですので、連邦軍も戦力として計算できる。また秘密裏にΞガンダムを製造、マフティーに引き渡していたアナハイム・エレクトロニクス社とマフティーの関係が明らかになることで、連邦軍が、アナハイム・エレクトロニクス社へアプローチすることになるだろうな、などと想像していました。実は小説のあらすじは見ましたが、実際に読んではいないのです(笑)。この辺りの詳細なストーリーは、映画の続編を楽しみに待ちたいと考えています」

 原作小説の設定を入れつつ、自身の描きたい世界観を見事に表現した同氏。そんな彼がモデラーとして大切にしていることは「自由に楽しむこと」だという。

「“ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ”という精神のもと、『自分らしさ』『自由に楽しむ』ことを大切にしてやっています。ガンプラは、現実を忘れさせてくれるオアシス。たとえ仕事でつらいことがあっても、ガンプラを作っている瞬間はそのことを忘れて没頭できます。モデラーには年齢や性別、国籍など関係なく、みんなで作品を褒め合う文化があり、本当に素晴らしいと思っています。ガンプラを始めたことで、多様な方と関わり、学び得るものもすごく多いです。関わっている皆さん、そしてガンプラを生み出しているバンダイさんに本当に感謝しています」

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