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朝ドラ俳優・辻凪子「濱田岳さんのような役者になりたい」 内気だった少女の生きる道を変えた“喜劇”の愉しみ

主演・監督を務めた活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』で監督として映像を確認する辻凪子。朝ドラ『わろてんか』に出演し話題にの画像

主演・監督を務めた活弁映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』で監督として映像を確認する辻凪子。朝ドラ『わろてんか』に出演し話題に

 吉本興業の創業者をモデルにしたNHK連続テレビ小説『わろてんか』にて、踊り子芸人「安来節乙女組」のメンバーの一人・小豆沢とわ役を演じ、一躍脚光を浴びた辻凪子さん。『べっぴんさん』『まんぷく』『おちょやん』と朝ドラを始めとした映像作品への出演を重ね、大学在学中に手掛けた映像作品が国際映画祭で入選するなど映像監督としての歩みも進めている。彼女が目指すのは「日本一の喜劇女優」。なぜ“喜劇”にこだわるのか理由を聞いた。

【画像】すごい喜劇っぷり…すすまみれで佇む、辻凪子 ドラマの配役とのギャップに驚き

■「お芝居だったら役柄になって表現できる」爆笑を浴びて自分の新たな一面を知った

━━『わろてんか』に出演したのは、大学在学中のことでしたが、喜劇俳優を目指していたことから、このドラマには「絶対出たかった」そうですね。

辻 はい、地元大阪を舞台にした“笑い”をテーマにした作品でしたから、絶対出たいと思っていました。オーディションでは、落語を披露して、その後、「最近面白いことありましたか?」と聞かれて、ちょうどバイトしていたパン屋をクビになったときだったので、笑い話として披露したら、めっちゃ笑っていただけました(笑)。

━━そもそも、なぜ、喜劇だったのですか?

辻 小さい頃からお笑いが好きで、芸人さんをめちゃくちゃ尊敬していたんです。でも、人前に出たら泣いてしまうような内気な子どもだったので、自分には無理だなと思っていて。そんなとき、テレビで『Mr.ビーン』を観て、動きや表情で人を楽しませられることを知って、しかもお芝居だったら役柄になって表現できるので、これなら私にもできるかもって思うようになったのがきっかけでした。

 そんな思いから小学生の頃は友達とコントをするようになって、その後、中学時代に全校生徒の前で『桃太郎』の芝居をする機会があったんですけど、大勢の前に立ったのにぜんぜん恥ずかしくなくて、しかも犬役の私のセリフ一言で爆笑をかっさらってしまって、快感を得たというか(笑)。自分の新たな一面を見ることができた気がして、そのときから本格的に喜劇女優を目指し始めました。

━━それで、夢を叶えるために、芸能文化科のある高校に進学されたんですね。

辻 高校では、お芝居だけでなく、落語や三味線、日舞、あと、舞台の裏方や映像のことも勉強して、ますます芝居の道に向かうテンションが上がっていきました。舞台にも魅了されて、舞台の出演者オーディションも積極的に受けて、いくつか出演することができました。

━━京都芸術大学に進学し、さらに多くの舞台やインディーズ映画に出演されるようになりました。間寛平さんが旗揚げした劇団間座にも参加されましたね。

辻 間座のオーディションは、虫のミュージカルを作るということでしたので、何か生き物を演じようとカエルの演技をしたら、寛平さんがめっちゃ笑ってくれて、主役のセミの幼虫をやらせていただきました!

━━寛平さんとの芝居はいかがでしたか?

辻 喜劇女優になりたい私にとっては、寛平さんはもちろん、芸人さんとお芝居をすることは滅茶苦茶刺激的でした。みなさん、観客を笑わせることに全力投球で、寛平さんは舞台に出てきた瞬間、それだけで会場がドッと湧いて、本当にすごいなと。尊敬はもちろん、ますます喜劇の愉しみを知って、喜劇女優を目指す気持ちが強くなりました。

■「その場にいる全員を笑わせる」尊敬する俳優たちの立ち居振る舞い

━━テレビドラマデビューも大学在学中で、『べっぴんさん』を皮切りに、『わろてんか』『まんぷく』『なつぞら』『スカーレット』『おちょやん』とNHK朝ドラに立て続けに出演されました。喜劇女優を目指す辻さんにとって、朝ドラ出演はどんな刺激がありましたか?

辻 第一線で活躍している方とご一緒させてもらってすごく刺激をもらいました。例えば、『まんぷく』で主演を務められた安藤サクラさんは、映画『百円の恋』とかいろいろな作品を観ていて、前からすごく憧れていたのですが、実際、お会いしたらすごく面白い方でした。ラーメンを食べるシーンの撮影前に私が「ラーメン食べたらセリフ喋られへんなぁ」って他の共演者と話していたら、「気にせず、食べ! それがリアルなんだから」って言ってくれたことをすごく覚えています。あと、なんといっても濱田岳さんですね。今まで出会ったなかで役者として一番尊敬していて、私は濱田岳さんのような喜劇役者になりたいです。

━━具体的には濱田岳さんのどんなところに魅せられているんですか?

辻 現場でみんなを楽しませる精神がすごいんです。どのシーンでもカットがかかるまで、その場にいる全員を笑わせるつもりで全力で演技を続けられて、毎回、岳さん劇場ができあがっているくらい(笑)。笑いだけでなく、涙を含んだ人情劇としてもとても素晴らしいですし、本当に尊敬しています。安藤サクラさんもそうなんですけど、私が好きな役者さんは、仕事以外のプライベートの時間もすごく楽しんでいらして、いろいろ吸収されているんです。だから話も面白いですし、若手にも興味をもってくださるから、私にも優しく接してくれます。役者としてだけでなく、人間的にもとても魅力的で、見習いたいと思うことばかりですね。

━━そんな中、大学在学中には映画監督としてもデビューされましたが、それはどんな経緯からですか?
辻 ゼミで「しぐさで映画を作る」という課題が出て、俳優も企画を出すことができたので、提出したら通りまして。自分で監督も主演もするのは恥ずかしいなと思ったんですけど、担当教員だった青山真治監督に「どっちも自分でやってみいや」と言われて、こんな挑戦は大学生の今しかできないかもと思ったのがきっかけでした。

━━どんな映画だったのですか?

辻 家族全員、貧乏ゆすりが激しくて、食卓が地震かっていうくらい揺れる家に住む女の子を主人公にした『ゆれてますけど。』という作品です。通学電車で目の前に貧乏ゆすりの滅茶苦茶激しい人がいて、これを映画にしたら面白いなと思って浮かんだ企画なんですけど、これがすごく評価が良くて、まさかのロンドンの映画祭でも上映することになりまして。なんとそこでも喝采を浴びて調子に乗ってしまい(笑)、女優だけじゃなくて、作ることもやりたいなと考えるようになりました。

■失われつつある”活弁”にスポットを「私がその存在になれたらいいなと思っています」

━━最新作の『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』では、活動弁士の大森くみこさんとタッグを組んで、活弁映画を完成させました。それ以前にも他の作品で活動弁士を演じられるなどしていますが、活弁に興味を持ったきっかけは?

辻 大学在学中に、活弁をつけたジョルジュ・メリエス監督の無声映画の上映会を見る機会があって、無声映画と弁士の語りとピアノの生演奏の3つが重なったとき、身体が震えるくらい感動したんです。100年も昔からあるアナログの形態なのに、ものすごく新しいものに触れたような、これはなんだって思ってしまうくらい、見たことも感じたこともない魅力があって、これを知ったら、みんな絶対好きになっちゃうはずなので、この面白さを広めたい! って思いました。

━━周防監督の映画『カツベン』や、活動弁士の坂本頼光さんの活躍など、今、活弁の波が徐々に起きている気がしているのですが。

辻 芸人さんや俳優、アイドルの方も挑戦されたりしていますからね。でも、私のまわりを見ても、まだ、実際に活弁映画を見たことがない人は多くて、活弁は、映画館で、生でしか味わえないのが魅力の娯楽なので、新作の無声映画を作って、プロの活動弁士さんとともに全国をまわって、活弁を広めていきたいです。

━━監督・俳優として喜劇を作り続けていくんですね。

辻 『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソンもチャップリンも、みんな自分で脚本書いて、プロデュースして演じているコメディアンですが、今、日本の女優でそういう人はなかなかいないので、私がなれたらいいなって思っています。シチュエーションコメディが好きなので、いずれは『Mr.ビーン』みたいな、1シチュエーションでセットを組んで、毎回いろいろなゲストを呼んでのコメディ番組を持てたらと願っています。女優としては、最終的には恋愛映画にも出たいし、いろいろな役を演じられる女優になりたいですけど、でも、私の強みはやっぱりコメディだと思うので、まずは“一番の喜劇女優”と言われるように、あの人が出たら面白そう、あの人がいるだけで楽しいシーンになるよねって思ってもらえるような女優になりたいです。

━━現在放送中のドラマ『晩酌の流儀』も好評です。今後の見どころを教えてください。

辻 自分にあまり自信がなくて、先輩の言うことを素直に聞いて、言われたことを素直にやってみる女の子の役なのですが、私自身も役柄と同じく、この撮影でビールに目覚めてしまうなど、役と一緒に初めての経験を楽しんでいます。第6話では私が晩酌の流儀を楽しみますので、ぜひ観てください!

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