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伊藤健太郎、2年ぶり映画「めちゃめちゃ怖かった」撮影初日 ベテランだらけの現場が大きな財産に

伊藤健太郎(撮影:平野敬久) (C)ORICON NewS inc.の画像

伊藤健太郎(撮影:平野敬久) (C)ORICON NewS inc.

 6月3日公開の映画『冬薔薇(ふゆそうび)』で主演を務める俳優・伊藤健太郎(24)。今作で彼が演じるのは、学校へも行かず、友人や女性にお金をせびりながら刹那的に生きる渡口淳というキャラクターだ。阪本順治監督が伊藤への当てがきで生み出した役と物語には、現実でも虚構でもない、得体の知れない緊張感がみなぎる。現場に入ったときの心境やベテラン俳優陣との現場など、約2年ぶりとなった映画出演への思いを伊藤に聞いた。(取材・文/東海林その子)

【動画】伊藤健太郎「失うものは何もない」撮影現場で感じた”いつもの気持ち”

――完成した作品をご覧になって、どんな感想を持たれましたか?

まだ一回しか見れてなくて、客観的に全部を把握して見るのは難しかったのですが、終わったあとはしばらく席から立ち上がれなかったですね…。もちろん今まで自分が携わった作品すべてに強い思いはあるんですけど、それとはまたちょっとベクトルの違う感情の入り方というか。再始動させていただいてから最初に出た映画作品というのもあったし、スクリーンに自分が映っている姿を見れたのもすごくうれしかった。阪本(順治)さんやキャストの方々とご一緒できたことがすごくありがたかったです。

何より、これまでやってみたいと思っていたけど、なかなかできなかったテイストの作品を、このタイミングでやらせてもらえた新鮮さに感動して、いろんな感情が巻き起こっています。

――出演にあたって、「失うものは何もない」と強い言葉で気持ちを示されたことも印象的です。クランクインを迎えて現場に入るときは、どんな気持ちを抱えていましたか。

正直なことを言うと、めちゃめちゃ怖かったです。今までどうやって現場に入っていたかな、というところからすごくドキドキしていましたけど、それが周りには伝わってほしくない、という気持ちもあったので(笑)、どこかそうじゃないように取り繕っていました。以前ご一緒したことがあるスタッフの方がたくさんいらっしゃったし、初日はプライベートでも会うことがある坂東(龍汰)くんとのシーンからスタートしたので、そこでリラックスできて、すごくありがたかったですね。

――そうやって緊張されている伊藤さんに、阪本監督は気づいていたのでしょうか?

気づいていたのか気づいてなかったのか、僕は分からないですけど、ファーストテイクで監督が「今のところいらない」「こうしたほうがいい」と指導してくださって、そこで自分の中で淳を最終的にガチッとつかめた感じがしました。現場でも2人でお話させてもらう時間が多くあったし、そういうところでもリラックスできたので、もしかしたら分かっていたのかなぁ。

――父親役の小林薫さん、母親役の余貴美子さんをはじめ、周りを固めるキャストのほとんどがベテランの先輩方ですが、その中で座長を務める心境はいかがでしたか?

いや、シビれましたよ(笑)。自分の両親が出会う前から芝居している人たちとカメラの前で並んでお芝居させてもらっていることに、やっぱり(俳優は)不思議な仕事だなと思いました。素晴らしい方々が周りにいてくださったからすごくポジティブな意味で気を張っていたというか、ちょっとでも隙を作ったら全部崩れちゃいそうな気がしていて。ただ自分の中での役割もあるので、先輩方に飲み込まれないように意識していました。

――先輩方との共演の中で印象的なことはありますか?

船に乗り込むときに細い板を登らなきゃいけなかったんですけど、年齢が一番上の(石橋)蓮司さんが胸を張って登っていく姿がすごくカッコよく、刺激を受けて。先輩方が第一線で活躍している姿を見ると自分はまだまだだなと改めて思ったし、自分が蓮司さんと同じくらいの年齢になったときに仕事をできているかな、続けるためにはどうしたらいいかなといろいろ考えました。あとは昔の現場の話を聞いたり、みなさん健康や体調の話もしていて、それも先輩が多い現場ならではだなと思いました(笑)。

――製作前に伊藤さんと監督が2時間以上お話した上で今回の脚本が作られたそうですが、当て書きだからこその手応えや、逆にやりにくさを感じたことはありますか?

当て書きとはいっても(役は)自分とは違う人間で、自分自身を出すわけではないですし、あまり意識しないようにしていました。ただ、阪本さんに自分の人となり、バックボーンからすべてお話しして台本が出来上がったので、やっぱり淳というキャラクターが抱えている感情、怒り、孤独みたいな部分で理解できることは非常に多かったし、だからこそ演じているときの難しさはすごくあって。

というのも、わかるからこそ、どうしても自分が出そうになるときがやっぱりあるんですよね。理解できない部分があるほうがキャラクターになるためにいろいろ考えられるけど、完璧に理解できすぎちゃって自分そのものになっちゃうと、またそれも話が変わってくる。でも、だからこそ出来た表情や言い回しも確実にあったと思いますね。

――今作の『冬薔薇』というタイトルも印象的です。淳のここまでの人生に対して阪本監督がつけた言葉かと思うのですが、伊藤さんが今まで歩んで来られた道にタイトルをつけるなら?

何だろうな……映画のタイトルっぽいかどうかはわかんないですけど、以前そういうことをお話しする機会があったときに、言われてしっくりきたのが「砂漠」だったんですよ。どういうことなんだろうと思ったら、砂漠ってすごく広いし、先が見えているようで見えなかったり、歩いている中でカラカラに喉が乾いて倒れそうになるときもあるし、実際に倒れることもあるけど、どこかに絶対オアシスがあってそこで回復できて、また歩いていく。人生も決してうまくいくことだけじゃないし、めちゃくちゃしんどいことももちろんあるし、だけどそればかりじゃなくて、キレイなものを見られるときもあるし、前に行くしかない。そういった意味で「砂漠」という表現が合っているのかなと思いますね。

――テイスト的にも俳優としての伊藤さんの新たな一面がたくさん見られる作品になりましたが、最近新しい自分を発見されたことはありますか?

くだらないことでもいいですか? 意外と掃除が好きっていう(笑)。マジでくだらないですね、ごめんなさい(笑)。でも最近、暇さえあれば家を掃除しているので「俺、こんなに掃除好きだったんだな」って思うんです。今まで嫌いだったわけじゃないんですよ。やるはやるんですけど、面倒くさかった。でも最近だんだん好きになってきて。今、面倒くさいことをなるべく好きになろうと頑張っています(笑)。

――「面倒くさいことを好きになる」大切さというのは、仕事に通じる部分もあるのでしょうか?

めちゃめちゃ通じますね。どの職業も一緒だと思うんですけど、大変なこともたくさんあるけど、そこを楽しんだり、ポジティブに捉えないと続かないと思うし。そこを含めて好きになれるように頑張ろうと思っています。

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