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「女性らしく・男性らしく」に違和感…ジェンダー意識を“結婚”から斬る、話題のマンガ描く作者の思いとは?

『ゆめカワ婚 〜夢みたいに可愛い男の子と結婚しました〜』(C)Hayari8mai/LINE Digital Frontierの画像

『ゆめカワ婚 〜夢みたいに可愛い男の子と結婚しました〜』(C)Hayari8mai/LINE Digital Frontier

 近年、“ジェンダーレス”という言葉が社会に定着したが、男女の性的役割は「らしさ」を求める考えはいまだ残っている。仕事ひとすじのキャリアウーマン・響も同じく、仕事を頑張りたいのに「女らしくしろ」と言われることにモヤモヤする毎日を過ごしていた。そんな彼女の前にとびきり可愛くてめちゃくちゃ奔放な男の子・雛が現れ、勢いで入籍することになってしまう。そんな正反対の2人を描いたLINEマンガのオリジナル作品『ゆめカワ婚 〜夢みたいに可愛い男の子と結婚しました〜』が、話題を集めている。作者のはやり8まい(はやりはちまい)さんは、今作でなぜジェンダー意識に切り込んだのか。作品に込めた想いとともに話を聞いた。

【漫画】「女の子なんだから…」にモヤモヤ、“王子”と言われるキャリアウーマンが意外な相手と結婚?

■自身の経験を合わせて生まれた2人の対照的なキャラクター

 営業成績も優秀で性格も優しくスタイルもよい響は、社内でも同性から「我が社の王子様!」と目を惹く存在。しかし「女の子なんだから…」という周りの何気ない一言に、モヤモヤを抱えていた。女らしい洋服を求め、ウィンドウショッピングをしていると、キラキラした瞳に、蜂蜜みたいな唇、人形のような髪の毛…と女子力高めの男の子、雛に出会う。

――“バリキャリOL”の響と“ゆめカワ男子”の雛という対照的なキャラクターはどのようなきっかけで生まれましたか?

【はやり8まいさん】2人の設定は、私自身に会社員経験があること(バリキャリOLではありませんでしたが…)と、ショップ店員のアルバイト経験があることから着想を得ました。あとは、原宿文化のようなものが昔から好きだったということも影響しているかもしれません。

――響はいわゆる「男性っぽい」女性、雛は「女性っぽい」男性。このような2人をメインに据えた意図とは?

【はやり8まいさん】そもそも「かわいい人」と「かっこいい人」が描きたい! という思いが強かったんです。でも「かっこいい男性」と「かわいい女性」ではあまりひねりがないと思い、逆転させたらおもしろいのではという理由でこの2人をメインに据えることとなりました。

――周囲の「女らしくしろ」という言葉に違和感がありながらも、響自身が「女性はこう、男性はこうあるべき」という固定観念にとらわれているような言葉もあります。このような“矛盾”を入れ込んだ意図とは?

【はやり8まいさん】雛との関係が進むにつれて響が変化していくというストーリー展開を描きたかったからです。そのために、雛に出会う前の響は、反発心が強い故に自分自身もまた固定概念に囚われている、という設定にしました。

――先生ご自身でも、ジェンダー意識の矛盾を感じたことはありますか?

【はやり8まいさん】私自身フラットな考えを持っているつもりでも、時々人からいただく言葉などで矛盾に気づかされ、反省することがよくあります。

――自分の“好き”を貫く雛へ託した思いを教えてください。

【はやり8まいさん】雛は、この漫画の中で一番自由に生きているキャラクターです。自分の趣味と違っても、好きなものを愛して輝いてる人は素敵だという思いは託せたかなと思います。

■賛否あるテーマに「考えや趣味嗜好は自由、どの考え方のキャラクターも否定しない」

――性別にとらわれず自分らしい考え方・生き方をする新しい価値観を持つ雛。いわゆる「ジェンダーレス男子」になると思いますが、先生は彼らへどんなイメージをお持ちですか。賛否のあるキャラクターを物語の主軸に持ってくるのは、勇気のあることだったのでは。

【はやり8まいさん】人の考えや趣味嗜好は自由だと、個人的には思っています。賛否あるキャラクターだとは連載前からある程度予測していたので、「出来る限りどの考え方のキャラクターも否定しない」というところだけは、最後まで意識しました。

――2人が「付き合う」ではなく、「結婚する」という展開にまで振り切った理由は?

【はやり8まいさん】ストーリーの主軸として、恋愛だけをテーマにしていなかったからです。2人が「出会って恋に落ちて両思いでゴール」にするより、結婚からのスタートの方が恋愛以外の要素も描きやすかったため、結婚からのスタートとなりました。

――ジェンダーや多様性を描いた部分で、読者やフォロワーからの印象に残る反響はありましたか?

【はやり8まいさん】こういった作品を描く中で批判的な感想もあるかと思っていたのですが、思った以上にその部分に関しては肯定的な意見が多かったことがとても嬉しい印象として残っています。

■生きづらさが残る社会でも、自分を持っていれば愛される人になれる

――LINEマンガで初めての連載となった同作ですが、すでに全24話連載が終了していますね。描き終えての感想をお聞かせください。

【はやり8まいさん】初めてづくしで至らない点もあり、戸惑うこともありましたが、読者の方や担当編集者さんのおかげで最後まで描ききることが出来ました。 1人で描くこととは違い、誰かと一緒に作品を作り上げる楽しさも感じることが出来た貴重な体験でした。感謝してもしきれません。

――今回は恋愛ものでしたが、今後描いていきたいマンガの構想などはありますか?

【はやり8まいさん】ホラー、サスペンス、バトル、お仕事、恋愛…これからもスタンダードなものから多種多様なストーリーまで、枠に囚われず思いついたものは取り敢えず、何でも描いていきたいです!

――最後に、読者の中でも「男らしさ」「女らしさ」といった部分に悩みや迷いを抱える人もいると思います。先生からメッセージをお願いします。

【はやり8まいさん】確かにまだまだ生きづらい部分もある社会ではあるとは思うのですが、結局最後は「男らしく」ても「女らしく」ても人間性が大切なのかと、マンガを通して、読者の方の意見をいただき、私も気づかされました。どんな人でも人として素敵であれば、きっと個性として受け入れられ愛される人になるのではないのかなと思います。

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