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日本やアメリカのアニメーションにはない魅力 仏・伊合作『シチリアを征服したクマ王国の物語』

ロレンツォ・マトッティ監督(C)2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - INDIGO FILMの画像

ロレンツォ・マトッティ監督(C)2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - INDIGO FILM

 フランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』が14日より新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺(東京)ほか全国で順次公開される。「“アニメーションの国”で自分の作品が上映されるという感動に加えて、今回の配給をとてもうれしく思っています」と、日本での公開を喜ぶロレンツォ・マトッティ監督のインタビュー映像が到着した。

【動画】ロレンツォ・マトッティ監督のインタビュー映像

 マトッティ監督は、ベネチア大学で建築を学んだ後、漫画家の道を志し、「ザ・ニューヨーカー」、「ル・モンド」、「コスモポリタン」といった新聞・雑誌でイラストレーターとして活躍。1982年には「Le signor Spartaco」でバンデシネ(フランス・ベルギーなどを中心とした地域の漫画のこと)作家としてデビュー。以降、絵本、アニメと活躍の場を広げる。ファッションとのつながりも深く、ルイ・ヴィトンが発行したトラベルブックコレクション・ベトナム編を担当。フランス・イタリアを代表するアーティストの一人だ。

 カンヌ国際映画祭・ベネチア国際映画祭、直近では2021年10年にベネチアで開催された第11回カフォスカリ短編映画祭のポスターイラストを担当。イタリアのミケランジェロ・アントニオーニ監督の短編映画『エロスの誘惑』(2004年)内に、彼の作品「NELL’ACQUA」がアニメーションとして挿入されている。第76回ベネチア国際映画祭ではオープニングムービーも手がけた。フェリーニやパゾリーニ、オーソン・ウェルズといった監督たちからの影響を公言しているが、建築学と西洋美術に裏打ちされた確かなデッサン力とイタリアのDNAを感じさせる赤・緑・白を基調とした美しい色彩が特徴的で、国際的に高い評価を得ている。

 そんなマトッティ監督は、本作の原作者ディーノ・ブッツァーティからも大きな影響を受けているという。映像内には含まれていないが、「ユーモアに富んだ比喩を用いることで時間を超えて、幾世代もの人々へ語りかける力がこの原作にはある」と、ヨーロッパでは半世紀以上にわたって読み継がれているロングセラーとなっている原作を激賞していた。

 ディーノ・ブッツァーティは、イタリアの作家で、その不条理で幻想的な作風から「イタリアのカフカ」と呼ばれることも多い。唯一イラストも手がけた児童文学が「シチリアを征服したクマ王国の物語」だった。イタリアの子ども新聞「ピッコリ・コッリエーレ」に1章ずつ掲載され、その後、ブッツァーティは姪のために絵を描き始め、本にするに当たって物語を手直し、1945年に上梓。2022年で没後50年となる(1972年1月に死去)。

 本作の劇中ではブッツァーティの原作の挿絵も登場する。意図としては、「ブッツァーティのアイデアを自身のスタイルに変えるところから始めた」とのことだが、映画は原作のクマより実際のクマに近い等身で描かれ、立体感のあるクマとなっている。

 また原作にはいない語り部のジェデオンとアルメリーナ、そして老クマが映画には登場する。レオンスが本能と指導力を失い、クマたちが少しずつ人間ぽくなり、人間の悪徳に染まることまでしか描かれていない原作に対し、映画ではトニオのキャラクターに力を入れ、人間との関わりを作るため、女性のアルメリーナが存在する。

 日本やアメリカのアニメーションと違う、マトッティ監督が生まれ育ったヨーロッパならではの寓話。マトッティ監督は「作品ごとにふさわしいスタイルを見つけ子どもたちの想像力を飛翔させるべきです」と語っている。

 新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺では、14日から入場者先着、数量限定でロレンツォ・マトッティ監督が描き下ろしたポストカードをプレゼント。日本公開を記念して、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』より「神奈川沖浪裏」をオマージュした富士山と“クマ”のドローイング。本作のポスターともリンクしたデザインとなっている。また、両映画館では、14日から異なる上映時間の『シチリアを征服したクマ王国の物語』半券を2枚持って劇場窓口で提示すると、非売品タブロイド版プレスもプレゼント(なくなり次第終了)。

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