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“おまめさん”だけじゃない、ヨーグルト市場に果敢に参入したフジッコ 異分野でヒット商品を生み出せたワケ

フジッコから発売している『カスピ海ヨーグルト』と『大豆で作ったヨーグルト』の画像

フジッコから発売している『カスピ海ヨーグルト』と『大豆で作ったヨーグルト』

 コロナ禍で売り上げが飛躍に伸びているヨーグルト市場。同市場に大手乳業メーカーと並んで名を連ねているのが、豆製品や昆布製品で知られる「フジッコ」だ。2005年から販売している『カスピ海ヨーグルト』は、発売から15年以上たった今も売り上げを伸ばしており、2020年に発売した『大豆で作ったヨーグルト』も人気。かつてナタデココブームも巻き起こした同社が、「フジッコのおまめさん」に代表される“メインと異なる商品”でヒットを生みだせる理由とは?

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■社員総出の店頭試食販売からヒットに…免疫力向上への意識が後押し

 コロナ禍で感染予防の自己管理ニーズが高まる中、健康志向のヨーグルトが売り上げを伸ばしている。大手乳業メーカーのヨーグルトと並んで人気を誇っているのが、大豆・昆布製品で知られるフジッコの『カスピ海ヨーグルト』だ。好調に推移する要因について、同社のヨーグルト・デザート事業部の入道知生氏はこう分析する。

「最大の特長である“ねばり”が、コロナ禍における消費者の免疫を高めたいという期待に合致したのではないかと思います。健康感の高まりからヨーグルトを味付けせずそのまま食べたいというニーズも高まっており、酸味が少なくまろやかなためプレーンでもおいしく召し上がっていただける『カスピ海ヨーグルト』が支持していただけたのでは、と考えています」

 創業時から商品化されたわけではなく、“カスピ海ヨーグルト”事業がスタートしたのは、’02年。開発のルーツは、世界の長寿食研究で著名な京都大学名誉教授の家森幸男博士が、ジョージアの自家製ヨーグルトを日本に持ち帰ったことだった。それまで、大豆の健康成分・イソフラボンについて家森博士と共同研究を行っていた同社は、「ヨーグルトの健やかさを届けたい」という博士の強い思いに賛同し、“カスピ海ヨーグルト”の種菌を作って日本に広めることに。

 まずは存在を知ってもらうために、阪神百貨店で専門店を初出店。手作りして食べるヨーグルトとして注目され、連日行列となり大きな話題となった。しかし、それに続く量販店での発売は、『カスピ海ヨーグルト』を“買って食べるもの”として認識してもらえず苦戦したという。その後、社員総出で地道な店頭試食販売を行なった結果、徐々に認知度を高めていき、今に至る。

■新たに開発した“大豆ヨーグルト” 飲料と共に、植物性ブーム到来の兆し

 ’20年には、大豆を丸ごと使った『大豆で作ったヨーグルト』を発売。豆乳ヨーグルトは市場に定着しつつあるが、大豆を使った大容量ヨーグルトの全国展開は業界初の試みに。

「家森博士と研究を進める中で、“大豆もヨーグルトも健康効果はトップクラスで一緒に摂ると良い”と伺っていました。大豆には、良質なタンパク質はもちろん、食物繊維、ミネラル、ビタミンなど現代人に必要な様々な栄養素が含まれています。そこで、どちらも健康効果が期待できる、この和と洋の最強伝統食を掛け合わせた食品を作りたい、と思ったのが開発のきっかけです」(入道氏)

 商品化までに費やした年月は実に6年。大豆も乳酸菌も数多くの種類があるため、発酵温度や時間などの細かい条件と合わせると組み合わせは膨大に。様々な組み合わせで検証、調整し、ザラツキのない“なめらかな口当たり”を実現させるための研究を繰り返した。

「『カスピ海ヨーグルト』は独特のなめらかな口当たりをご支持いただいているので、同商品にも活かしたいと開発当初から考えていました。生乳や豆乳と同じように作るとどうしても舌ざわりがザラザラとしてしまうため、新たな製法を取り入れて完成させました」

 それまで大豆を丸ごと摂れる商品は納豆や煮豆が中心だったが、そのまま食べられて食事にもデザートにもなるヨーグルトとして届けることで、より手軽に大豆を摂取できることに。主の豆製品と、カスピ海ヨーグルトで培ったノウハウが合わさった商品が誕生することとなった。大豆ヨーグルトが画期的なのは、乳酸菌と食物繊維が同時に摂れること。貧血予防などの効果が期待される葉酸も含まれており、和と洋が融合した新たな商品として期待されている。

 植物性ヨーグルトの売り上げは各社ともに好調で、『大豆で作ったヨーグルト』も、’21年は前年比15%増に。豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクなど植物性飲料も右肩上がり。今年も、男女問わず幅広い層へ広がっていきそうだ。

■かつてはナタデココブームの立役者にも ブランドとヨーグルトの親和性を高めたい

 同社は、過去にナタデココのブームの立役者でもあった。その後『カスピ海ヨーグルト』もヒットし、それぞれで得た経験や実績をもとに、『大豆で作ったヨーグルト』の開発につなげるなど、主力商品の豆や昆布製品以外にも積極的に参入している。

「フジッコは豆や昆布からスタートした会社ですが、創業当初から健康創造企業として、おいしさと健康をキーワードに商品開発を行なってきました。今後も豆・昆布に限らず健康に役立つ食品の開発に挑戦していきます」

 とはいえ、“フジッコのおまめさん”のイメージは絶大で、同社がヨーグルト事業へ参入していることへの認知度はそれほど高くない。しかし、『大豆で作ったヨーグルト』を開発したことで、今後より多くの消費者に届けていきたいと入道氏は語る。

「『大豆で作ったヨーグルト』のような豆素材の製品を通じて、“フジッコブランド”とヨーグルトの親和性を高め、少しでも多くの方々に知っていただけるようにしていきたいと考えております。従来の大豆製品とヨーグルト製品が相乗効果を生み出し、お互いが成長出来るようになりたいですね」

 さらに同氏は今後の展望について、こう話す。
「昆布や豆などの日本の伝統食からヨーグルトのような世界の長寿食まで、様々な自然の恵みが持つ、本来の美味しさと健康の可能性を追求し、お客様に新たな発見のある食生活をご提案し続けていきたいと考えております」

 コロナ禍を経て、生活スタイルとともに変化を遂げる食生活。2022年にヒットが予測されている“植物性”の広がりとともに、「おいしさ、けんこう、つぎつぎ、わくわく。」という企業スローガンを持つフジッコが、今後もわくわくさせてくれる画期的な商品を届けてくれる予感だ。

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