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中村悠一、五条悟の魅力は説明不可能「言語化できない」 【呪術廻戦インタビュー】

『劇場版 呪術廻戦 0』五条悟役の中村悠一 (C)ORICON NewS inc. 撮影:平野敬久の画像

『劇場版 呪術廻戦 0』五条悟役の中村悠一 (C)ORICON NewS inc. 撮影:平野敬久

 芥見下々氏による大人気コミック『呪術廻戦』を原作とするアニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』が、昨年12月24日の封切りから快調にヒットを飛ばしている。原作漫画の前日譚にあたり、通称「0巻」として単行本化もされた『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』を映画化した作品だ。ORICON NEWSでは、人気キャラクター・五条悟を演じる声優・中村悠一にインタビューを実施。五条に対して抱いている想いや演じる際に意識しているポイントについて、自身の仕事への取り組み姿勢を交えつつ語ってもらった。

【写真】黒服でクールに決める!五条悟を熱く語った中村悠一

■五条悟の魅力は謎 役を生きる立場からの視点

 主人公・乙骨憂太(声・緒方恵美)らが通う呪術高専の教師にして“最強の呪術師”・五条悟。チート級の強さと白い包帯で目を隠し陰のある雰囲気を持つという、男女問わず人気の高いキャラクターだ。パンダ役の関智一が昨夏開催されたスペシャルイベント『じゅじゅフェス 2021』で“五条推し”を公言したほどだが、中村自身は五条の魅力について、意外にも「僕は“感じていない”」と驚きの言葉を口にする。なぜだろうか?

 その理由を、「五条に限らず根本的な話として、僕は演じる際には常に『一人の人間を演じなきゃいけない』と思っているので、キャラクターの何が魅力かを考えないようにしています」と切り出し、「魅力というのは“第三者視点”なものだと思います。その人物になることにおいては“余分な情報”なのでは…とも考えており、あまり気にしないで演じます」と持論を展開する。

 だからこそ、「『どういうところがファンに受け入れられていると思いますか?』と言われても正直、『わからない』としか答えようがない」と苦笑いを浮かべ、「例えば自分に置き換えた場合、自分の魅力を聞かれてすんなりしゃべれる人も少ないと思う(笑)。僕は精一杯に(キャラクターを)生きているだけなので、それが魅力的に見えているなら『すてき』と捉えています」と自身の考え方を補足説明していく。

■実は“七海推し” キャラクターのカッコよさを説明する難しさ実感

 五条のカッコよさを客観的に知るため、周囲の人に質問したことがあると明かした中村。「はっきりと言語化できない感じはありますよね。『五条がすごく好き』という人に『どこが?』と聞くと、例えば『強いから』と返ってくる。強いのが好きなら、極端に言えば強いヤツだったら何でもいいことになっちゃう(笑)。それこそドウェイン・ジョンソンとかね(笑)。五条に魅力を感じているけど、しっかり言語化して伝えてくれた人が今もいなくて、大体強いか目が隠れているしか出てこない(笑)。ほかのキャラクターでもいいですよね」とちゃめっ気たっぷりに話す。

「五条 悟は言葉にするのが本当に難しい人物だなと思います。僕は原作を読ませていただき、どちらかというと七海が好きなのですけど(笑)、何がカッコいいかを聞かれたら言語化は難しい。作品を読んだ上で、人間らしい面がすごくカッコよく見えたし、完璧じゃないところが七海はいいと思いますが、それ以上かみ砕いての説明は難しいなと思います」と自身も推しキャラに対して同じであるとうなずく。

 五条が支持を集めている状況や周囲の反響には、「反響があること自体はとても良いことだと思いますが、その理由は自分には少ししっくりこない感じもしていますね」という答えが返ってきた。

■“完璧”な役を演じる際に意識しているのは「メリハリ」

 五条を演じる際、「白い包帯を目隠しとしてしている時とそうでない時で、見た目でいうと2人のキャラクターを演じているような感覚があります」と語っていた中村に、改めて意識している点を尋ねると、「ある種ドライさ、冷徹さ的なものが彼の中にあって。普段はギャグを言ったり明るく出てきたりという描写も多く、飄々としゃべるから取っつきやすそうに見えますが、実は人に対してクールに接する部分がある」という。

 自身が感じた印象を踏まえ、「言葉の端々のどこかにちょっと冷たい部分が出るようにしないと、自分のような普通の人間にはできない(笑)」と冗談交じりに話し、「優しい言葉は優しく言うのが普通ですが、五条の中では優しい言葉を言っているだけ、かけただけにすぎない。寄り添いすぎないことが必要で、そこは気をつけないと表現しきれないと思いやっています」と五条の役作りの“幹”となる要素を説明する。

 まさに非の打ちどころがないキャラクターだが、そんな五条に対して原作では、「逆に貴様は 何を持ち得ないのだ!!」というセリフが登場。中村は「自分自身はここまで生きてきて『俺は何を持ち得ていないんだ?』なんて思わないし、足りないことだらけで生きてきているので、そういう意味では五条にシンクロは難しいですよね(笑)。」

 それでも五条のカッコよさを表現するため、「キャラクターの中にメリハリをつけていく」ことを心がけていると言い、「寡黙で強いキャラクターだったら表現としては寡黙が立ちますが、五条はその時々で見せ方が大きく変わる。生徒といる日常的な場面では陽気だしバカなこと言うけど、敵対している者には真剣に向き合っているかそうじゃないかでも表情が変化。それこそ素顔が出た状態だとさらに印象が変わってくるので、メリハリ感がある程度お芝居にないと、全部ヘラヘラしている延長線上になってしまいかねない。そういう意味ではメリハリは意識しています」と五条を演じる苦労の一端を明かす。

■五条役は「難しい部類」 それでも飽くなきストイックさで挑み続ける

 これまでも数多くの個性的なキャラクターを演じてきているが、「難しく感じながら常に演じています」と表現する五条は、中村にとってどのような存在なのだろうか。

 「やりにくいことはやりにくいキャラクターですかね。僕はもう少し必死にもがいたりあがいたり、決心をして挑んでいくようなキャラクターを演じることが多かったですし、そういう人物の方が気持ちはわかりやすいというか、心情が理解しやすい部分があります。五条みたいにすべてを持っていて圧倒的な強さもある。それを『言葉で表現してください』となると、やっぱり難しいなとも感じるし、気持ちがおもむくまま演じても五条にはならない。そういう点ではやらせていただいている役柄の中では難しい部類だなとは思います」と真剣なまなざしで語る。

 そんな五条を演じていて充実感感じる瞬間があるか投げかけると、「感情をむき出しにしてぶつけて『やりきった…』という、いわゆる“発散型のキャラクター”ではないので、五条を演じている時は少ないかもしれないですね」と答え、「トータルとして完成していますっていうキャラクターは、自分自身が“頑張る部分”が少なく充実感を得にくい面もありますね」と理由を説明する。

 逆に、「未熟で全部に体当たりをしていかなきゃいけないキャラクターほど、自分自身も体当たりで試行錯誤して悩みながら仕事に取り組んでいるのでリンクしやすい」とシンパシーを感じるという。十分なキャリアがありながらも、「五条を演じていて常に『今ので成立したのかな』とか『もうちょっと違う表現があったのかも』と考え迷っていますね」。どこまでも役とストイックに向き合う真摯なスタンスを見せてくれた。

撮影:平野敬久/取材・文:遠藤政樹/編集:櫻井偉明

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