プレゼント・クーポンPRESENT COUPON

フェリアSNSSOCIAL

その他

「お年玉渡す子に通じるかな…」高校の国語でおなじみの名作をネタにしたポチ袋に反響 寅年作者による『山月記』愛

SNSで話題になった『山月記』のポチ袋(画像提供:手づくりはんこ史緒さん)の画像

SNSで話題になった『山月記』のポチ袋(画像提供:手づくりはんこ史緒さん)

 お正月の楽しみといえばお年玉。お年玉はもちろん、ポチ袋を集めたことがある人も多いのでは。今ではキャラクターもののほかにもキュートなものからユニークものまでさまざまなポチ袋が展開されている。そんな中、なかなかニッチなポチ袋が話題に。中島敦の『山月記』をネタにした消しゴムはんこポチ袋で、「なかなか見ないチョイス!」「今の子どもにこのネタは通じるか分からないけど買ってしまった」「義務教育で習ったけど、教養が必要ポチ袋だ」などTwitterで注目されている。ほかにも渋沢栄一「先行投資」や明智光秀「『あ、ケチ』って思ないでね」など、“歴史上の偉人×言いそうだけどありえない一言ネタ”のバリエーションが豊富で、まるでナンシー関のよう。このポチ袋の制作者である手づくりはんこ史緒さんに話を聞いた。

【画像】渋沢栄一「先行投資」、明智光秀「『あ、ケチ』って思わないでね」…クスッとくる手づくりはんこポチ袋

■寅年生まれの作者「2022年は『山月記』と中島敦ネタは絶対外せない!と思っていた」

 話題となっている『山月記』とは、1942年に発表された中島敦の短編小説で、夢破れた男が発狂し、虎になってしまうという変身譚。現在も高校国語の教材で扱われている。エリート官僚だったのにもかかわず、上司にコキ使われるぐらいなら詩人になって有名になってやろうと意気込むも結果虎になってしまった李徴の「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」という言葉は多感な学生時代に刺さった人も多いはず。今回、史緒さんが制作した『山月記』ポチ袋には「中島敦がデザインされるのは伝わりにくそうでウケる」「対象年齢が高すぎるwww」と多くの反響が寄せられた。

――今回の反響についてどう感じていらっしゃいますか。

「思ってもみないことでビックリしました。家族から『SNSで話題入りしてるよ』と聞かされて気づきました。まず投稿者さんと奥様に『面白がってくれてありがとう』と感謝の気持ちでいっぱいです。私自身寅年生まれで、2022年は『山月記』と中島敦ネタは絶対外せない!と思っていましたし、そして皆さんの心の中の『山月記』愛が疼いたことで、ご注目いただけたのかと思います。」

――『山月記』以外にもアインシュタインや渋沢栄一、坂本龍馬などがありますが、ご自身の中でお気に入りの作品を教えてください。

「前出の『山月記』はもちろんですし、虎の色をイメージさせる色の「黄ポチ袋」も2022年ぽくて気に入っています。あと「黒ポチ袋」の「秘宝在中」は、ツタンカーメンの顔を彫るのが大変でした。普段の彫り方ですと顔や目の輪郭線を残し肌の部分を削るのですが、ツタンカーメンの場合はその逆で、黄金の肌部分を残して細かい目鼻口の線を彫らなければならないため苦心しました。黒ポチ袋「ロマン代」は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の列車のイメージで癒されるので気に入っています。」

――ご自身がお年玉をもらっていた頃の印象的なエピソードがあれば教えてください。

「田舎暮らしの祖母からもらったお年玉です。小中学生のころ、おばあちゃんちに親戚が集まってお年玉をもらっていたのですが、おばあちゃんは人前ではくれず、母屋の一番奥にあるおばあちゃんの部屋で、そっとお年玉をくれました。高齢で出かけることもなかったおばあちゃんなので、カワイイなポチ袋とか買うこともなく、ティッシュや食べ終わった和菓子の袋にお金を入れていました。文が書いてあることもありました。今でもその袋は思い出にとっておいています。」

■大好きな『水戸黄門』が消しゴムはんこの原点「ナンシー関さんのように的確な描写力を磨きたい」

――中島敦の『山月記』に出てくる寅と来年の干支に絡めたネタかなりマニアックな印象がありますが、こういった発想はどのようにして生まれるのでしょうか。

「文具メーカーの株式会社オリエンタルベリーさんと相談して制作しています。文言はオリエンタルベリーさん、干支や歴史ドラマで注目されそうな人物のはんこ制作を私が担当しています。昔の真面目な人物像が、コミカルでありえないような一言を放つ姿が面白味を醸し出しているのかな~と思います」

――実在した人物(歴史の偉人)の似顔絵を消しゴムはんこで表現するところ、まるで令和のナンシー関の再来かのようなイメージを受けますが、ご自身の創作の原点やインスピレーションはどういったものに受けることが多いですか。

「そう言っていただき恐れ多いですが、ナンシー関さんの大ファンなので嬉しいです! 人物+言葉の組み合わせがカッコいいと思っています。「水戸黄門」など往年のTV時代劇が大好きだったので、キリッとした決めポーズとセリフをはんこにしていました。それらが友人から好評を得て、どんどん作れと言われたことが消しゴムはんこにハマるきっかけになりました。この俳優さん素敵だな、この人みたいになりたい、近づきたい、という憧れが創作のキッカケになることが多いです。私は描くのに時間がかかるので、ナンシーさんのように的確な描写力を磨きたいです。」

――消しゴムはんこで偉人を制作するうえで大切にされていることは何でしょうか。

「彫りたいと思った人物の功績や人物像を人物事典やネットや調べたり、伝記や小説、映画を見てイメージを膨らませます。『この人、こんなことを成し遂げたんだな~』と知ること自体が楽しいです。下書きや消しゴムを彫るときは、その人物と友達になったかのように心を通わせて(もちろん妄想ですけど)制作しています。あまり極端なデフォルメはせず、穏やかな表情を選ぶようにしています。」

――2022年に挑戦したいことを教えてください。

「歴史上の人物イラストを描いて物語や絵本を制作したいです。あとは、日本や世界の気になる人をはんこに彫って、みんなでスタンプして楽しむ機会を作れたらいいなと思います」

ORICON NEWSは、オリコン株式会社から提供を受けています。著作権は同社に帰属しており、記事、写真などの無断転用を禁じます。

こちらの記事もどうぞ