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『格付けチェック』でお馴染み、一流芸能人を欺いてきた『ほぼカニ』誕生秘話 「カニが悔しがってくれるような商品を」

見た目も味もそっくりなかまぼこ「ほぼカニ」の画像

見た目も味もそっくりなかまぼこ「ほぼカニ」

 今年も元旦に放送が決定している『芸能人格付けチェック!』(テレビ朝日系)。同番組恒例の高級食材を当てるコーナーで「絶対アカン食材」として提供され、唐沢寿明、武田鉄矢、檀れいなど数々の芸能人をだましてきた「ほぼシリーズ」と呼ばれる食品たちをご存知だろうか。カネテツデリカフーズという水産練製品・惣菜の製造を行う会社が販売する加工食品で、カニやホタテ、うなぎなどを練り物で完全再現している。高いクオリティを誇る同シリーズ誕生のきっかけやこだわり、番組で一流芸能人たちをだませた時の想いなどを同社担当に聞いた。

【写真】カニだけじゃない、味も見た目も本物すぎるうなぎ、ホタテ、カキフライなど「ほぼ」シリーズ一覧

■「夏場にも練りを食べて!」切実な思いから企画が始動 本物のカニを研究し尽くし、試作は100回以上に

 “ほぼ”シリーズの始まりは、2014年に発売された「ほぼカニ」。「本物に最も近い」ことを表現でき、わかりやすいという点から、最終的に商品名として採用された。これまでに、ズワイガニに換算すると3600万匹にも及ぶ、3億6千万本以上を売り上げる大ヒット商品となった。

 そもそも「ほぼカニ」はなぜ生まれたのか。カネテツデリカフーズ経営戦略室の高浦良子氏は2つの狙いがあったと話す。

「弊社のメインである練り製品の需要期は秋冬(おでん)やお正月(かまぼこ)でした。そこで、夏場にも練り製品を食べて頂きたいという思いがあり、シーズンに関わらない商品の開発が望まれていました。また、当時はカニの価格が高騰しており、普段の食事で手に届きにくい存在になりつつありました。このような状況から、これまでにない圧倒的にカニに近い『カニ風味かまぼこ』が開発できれば、お客様の役に立てるのではないか。『これがあれば十分、もうわざわざ高いカニを買ったり食べに行かなくてもよい』と思って頂けるような、本物のカニが悔しがってくれるような商品を作ろうと考えたのが開発のきっかけです」

 そして、「世界一ズワイガニに近いカニ風味かまぼこ」を目指して開発に着手。しかし発売までの道のりは簡単ではなく、「味」と「食感」の再現に苦労した。

「カニの味を再現するために、本物のズワイガニのアミノ酸分析を行い、味の研究を行いました。100回以上試作を重ね、本物のカニのアミノ酸値に近づけていきました。そして食感ですが、本物のカニの繊維の向きやほぐれ感を徹底的に研究し、本物に近い食感を再現しました。特に口の中にいれた際の繊維のほどけ方は、従来のカニ風味かまぼこと大きく異なり、『ほぼカニ』と呼ぶにふさわしいものに仕上げることができたと思います」

■『格付けチェック』効果で爆売れも…「だますことが目的になってはいけない」

 構想から約2年をかけてついに商品化。お客からは「本物より美味しい!まさにカニ!」、「カニの価格が高いので、もうこれで十分」といった反響が寄せられた。その後、2015年には「ほぼホタテ」、2016年には「ほぼエビフライ」、2018年には「ほぼうなぎ」などを発売しシリーズ化。そして2020年には『芸能人格付けチェック!』に取り上げられると、一時ホームページのサーバーがダウンするほどの反響が。通信販売にも注文が殺到し、放送後約2週間で、前年の年間販売件数の2倍を超える注文があったという。

 高浦氏も「美味しいものを普段からたくさん召し上がっている芸能人の方が、ほぼシリーズを本物と間違えてくださったことは大変嬉しかったです。商品開発担当や生産担当者も含め、社員一同大変喜んでおりました。また、ほぼシリーズの再現性の高さを認めて頂き、品質への自信にも繋がったように思います」と当時を振り返る。

 とはいえ、一流芸能人をだますことが目的になってはいけない。「本シリーズは『お客様のお困りごとを解決する』というテーマのもと開発を行っております。例えば、普段の食卓で食べたいが、価格が高い等の理由で手が届きにくい食品や、アレルギーや食中毒等、お客様が困る要素のある食品、そしてうなぎなどの絶滅の危機にあり、資源を保護しなければいけない食品などを『ほぼシリーズ』として展開しています。そして何より、お客様にわくわくして頂きたい、楽しんでいただきたい、喜んでいただきたいという気持ちが1番強いです」

■根幹にあるのはエンタメ精神…中島らもの“遺産”が今も継続

 食品会社でありながらも、このようなエンタメ精神を持つ根幹には、小説家やミュージシャン、広告プランナーとしても活躍していた故・中島らも氏の存在がある。1982年より雑誌「宝島」に中島らも氏の企画で始まった、カネテツデリカフーズの連載広告『啓蒙かまぼこ新聞』では、一見同社の宣伝とはおよそ無関係に見え、従来の企業広告の手法をことごとく無視した大胆なものであったことから大きな反響を呼んだ。

「このような広告や、中島らも氏主宰の劇団『リリパットアーミー』の名物イベント『ちくわの狂い投げ』のちくわの協賛等、中島らも氏との取組みは、それまでの練り製品のユーザー様とは全く異なる層の方に、カネテツを知って頂くきっかけになりました。そして、それは現在もお客様に感じて頂いている、カネテツデリカフーズのイメージを形成する大きな要素の1つとなっていると考えています」

■新作は「非常にプレッシャー」 “唯一無二”の代替食品ブランドとして食糧危機にも光明照らす

 大豆ミートやアナログチーズなど、宗教上の理由や資源保護の観点、また食材の価格高騰等を背景に、近年その需要や流通が増えている“代替食品”。「ほぼシリーズ」はその役割を担うことができる食品でもあると同氏は語る。

「本商品が、水産資源の価格高騰によって食卓に及ぼす影響を少しでもおさえることができたり、資源保護について考えて頂くきっかけになればとても嬉しいです。元の食品を食べず、『ほぼシリーズ』を食べて頂きたいという思いではなく、これがあることでお客様の選択肢の幅が広がるような、そんな存在でありたいと思っています。『価格が高く、手に入らないから仕方なくカニかまを食べよう』ではなく、『カニが無ければ、ほぼカニを食べればよいじゃないか』というぐらいの楽しい気持ちで、召し上がっていただければと思います」

 また、「ほぼシリーズ」は、従来の練り製品のユーザー層とは異なる若年層にも人気があり、若い世代が魚肉練り製品の良さを知るきっかけにもなっているそう。「次はどんな『ほぼ』商品がでるのか」という期待の声もある同シリーズ。求められるクオリティも高いため、新商品には「非常にプレッシャーがある」とも明かす。

 しかし、「これからもお客様のお困りごとを解決できる、楽しくてわくわくする商品を開発していきたいと考えています」とこれからの展望も語ってくれた。私たちだけでなく一流芸能人でさえもアッと驚く「ほぼシリーズ」は、むしろ代替の効かない唯一無二の“本物”ではないだろうか。

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