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JUVENILE×KEN THE 390「何度も聴いて楽しんでほしい」 2ndアルバムでコラボ

(左から)JUVENILE、KEN THE 390の画像

(左から)JUVENILE、KEN THE 390

 「From Tokyo To The World」を掲げ、RADIO FISH『PERFECT HUMAN』など手掛けてきた楽曲群のYouTube総再生数は1億回以上。独自のCity Musicを発信し続けるDJ/アーティスト/音楽プロデューサーのJUVENILEが、2作目となるSession Album『INTERWEAVE 02』を12月22日にリリースした。これを記念し、本作収録の『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』でコラボしているKEN THE 390との対談インタビューを敢行。ジャパニーズヒップホップシーンの転換期を盛り上げ続け、今年でデビュー15周年を迎えたラッパーとのヒップホップ談義を届ける。

【ジャケット画像】モダンなデザインが綺麗!『Dreaming High』

――まずはおふたりの接点から伺っていきたいのですが、もともと交流はあったのでしょうか?

JUVENILE:ここ数年『ヒプノシスマイク』(男性声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト)の舞台(通称ヒプステ)でご一緒させて頂いているんですけど、それより前から現場でライブは観ていて。

KEN THE 390:近いところにいるイメージはあったよね。で、ヒプステに僕も曲を書いて携わるようになって、JUVENILEもヒプステに曲を作っていて、自分たちで歌っているわけじゃないけど、その制作のやり取りをしている中で何度も顔を合わせるようになって、ここ数年で距離が近くなった。

JUVENILE:そういう流れもあって、そろそろJUVENILE名義の作品で何かご一緒したいなと思っていたんです。で、今回のSession Album『INTERWEAVE 02』に向けた、ヒップホップを軸としたプロジェクトをスタートしていたんで、これはうってつけだなと思って、満を持して「もしよかったら」とお声掛けさせて頂きました。

――KEN THE 390さんには、もともとどんな印象を持たれていましたか?

JUVENILE:クリーンだなと思っていました。ラッパーってどうしてもダーティーなイメージを持たれるじゃないですか。悪いエピソード持ってこそのヒップホップみたいな。でも、別にヒップホップってそれだけじゃないし、僕もそっち路線じゃないし。そういう意味では、KEN THE 390さんはめちゃめちゃシンパで。ちゃんと音楽をエンターテインメントビジネスとして表現されているし。ヒップホップってどうしても「自分がどうあるべきか」だけに終始しがちで、それはそれで良いところもたくさんあると思うんですけど、そうじゃなくてヒップホップをもっと幅広く楽しむ為のエンタメビジネスを実践している先輩だなと思っていたんですよね。ジャンルレスにいろんなところに楽曲を提供したり、ラジオでパーソナリティーもやられていたり、広く活動されているので、そういう意味ですごく格好良い先輩。

KEN THE 390:僕は普通に進学校の高校に入って、大学に行って、ヒップホップだけではご飯が食べられなかったんで、一般企業に就職もしていて。そういう僕が悪いこと言っていたらおかしいじゃないですか(笑)。確かに自分が持っていないモノへの憧れがあってヒップホップは始めたんですけど、ちゃんとヒップホップを知っていくと「自分が何者か」が大事だから、そこで不良じゃない人が不良になっちゃうことは本末転倒だし、全くヒップホップ的じゃないんですよね。だからわりとそのままの自分でヒップホップをやっていたら、そういう人がまわりに少なかったから自然と浮き上がったんだと思います。

JUVENILE:そのリアルな在り方に僕も近いんだと思います。優等生路線というか。だけど、ヒップホップが好きでも別に良いじゃないですか。そこはすごくシンパシーを感じます。

――KEN THE 390さんがデビューした15年前って、日本のヒップホップムーヴメントがいったん過ぎた後だったじゃないですか。そこから歩んできたストーリーには、先輩方とはまた違う苦難もあったんじゃないですか?

KEN THE 390:たしかに、僕がデビューした頃はブームが過ぎて焼け野原みたいになっていたので、ヒップホップは世の中的にアンダーグラウンドなジャンルだったんですよね(笑)。そこで始めちゃったんで、そのジャンルをただやっていてもどうにもならないし、自分でいろいろ作り上げていかなきゃいけなかったし。その分、僕ら世代のラッパーはタフなんじゃないかなと思いますね。僕らより上は良い時代を一度見ているけど、僕らは音楽バブルも知らないし。だからこそ「自分らでいろいろやろう」とか「自分でレーベルやったほうがいいよね」とか形をイチから作り直そうとしてきた、そういう時代だった気がします。そんな中でジブさん(Zeebra)とかが『フリースタイルダンジョン』を始めてくれて、なんとなく足場が出来たときに大きな波が来たから、すごくタイミングが良かったのかなと思いますね。

――あらゆる世代のラッパーが『フリースタイルダンジョン』に集結してヒップホップシーンに世間を振り向かせる流れは面白かったですよね。

KEN THE 390:焼け野原みたいな不況のときって「じゃあ、どうやって世の中にヒップホップを理解してもらおうかな」と思うから、なるべく噛み砕こうとするんですよね。「どうやったらキャッチーになるかな、どうやったら分かりやすいかな」って。僕らもそういうことを考えたし、世の中的にもヒップホップをそういう風に届けようとしていたんですけど、『フリースタイルダンジョン』は地下格闘技みたいな世界観で、めっちゃアングラじゃないですか。時間が経ったことによって、わりとそのまま届けたほうが「何、これ? 今まで観たことない」みたいな感じで、超刺激的なモノとして捉えられるようになっていたんですよね。それで「中途半端に噛み砕かないほうが刺さるときもあるんだな」と気付いて。そこからみんな「しっかりやりたいことを世の中に届けよう」みたいな空気になったのかなと思いますね。

――そのようなヒップホップシーンの変遷の中で、自由にフレキシブルにヒップホップを表現していくKEN THE 390さんのスタイルが確立されていったわけですよね。

KEN THE 390:ヒップホップだから最終的には「自分は何者であるか」が大事になるんですけど、僕は高校行って、大学行って、サラリーマンになる人生を送ってきたわけで。そういう自分がヒップホップを使って世の中にどうアプローチするべきかと思ったら、会社を作るとか、ビジネスをするとか、僕にしかできない活動をすることだったし、それによってリリックにも説得力が出てくる。それが逆にヒップホップの面白さだなと思ったんです。会社をやりながら社会にアプローチするみたいなことを積極的にやって、そういう人が他にいなければいないほど、楽曲に乗せる言葉の強みが増して聴こえると思って。そういう循環ができるところも音楽の良さだと思うんですよね。

――そんなKEN THE 390さんから見たJUVENILEさんは、どんなアーティストだと感じていますか?

KEN THE 390:それこそすごく幅広く活動しているイメージ。ダンサー陣とよく絡んでいることも知っていたから、アンダーグラウンドベースなコミュニティの繋がりがあるんだろうなと思っていたけど、楽曲の提供先はすごくオーバーグラウンドで活躍している人たちだったりするし、でも、ヒプステで実際にやり取りをして曲を聴くと、僕らと同じダンスミュージックのベースがはっきりと流れているから、そういうシーンにいながらちゃんとオーバーグラウンドにアプローチしている人なんだなって。だから、このタイミングで一緒に曲が作れて良かったです。ヒプステでいつも一緒に仕事はしているけど、今回はふたりで表現する曲が出来て良かったなって。

――そのコラボ曲『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』について伺う前にこんな質問をさせてください。おふたりから見た今の日本のヒップホップシーンってどんな風に映っていますか?

KEN THE 390:爆発の一歩手前ぐらいなんじゃないかと思います。完全に今までとは波の流れが違う。日本武道館でワンマンライブやれるアーティストが何組も出てきているし、昔ってジブさんとかRHYMESTERとかクレさん(KREVA)とかRIP SLYMEとかAK-69さんぐらいだったけど、今はAwichも武道館でやるぐらいの状況になっているし、ZORNも横浜アリーナでワンマンライブを成功させている。日本でアリーナクラスのラッパーが出始めているんですよね。で、『フリースタイルダンジョン』が始まって5,6年経っていて、中学ぐらいの頃から普通に格好良いリアル・ヒップホップが届いていた世代がどんどん大きくなってきて、彼らがまたラップし始めるわけじゃないですか。ということは、下地は今しっかり固まってきている。世界の中で日本だけはヒップホップがマジョリティになれていない国だったけど、ここからさらにドーン!と盛り上がっていくと思うんですよね。その熱はビンビン感じています。だから、これから先が凄い楽しみです。

JUVENILE:USとかだと音楽=ヒップホップなんですよ。もはや選択するもんじゃないというか、音楽と言ったらソレなんですよね。ただ、KENさんがデビューした15年ぐらい前って僕がクラブに行き始めたぐらいなんですけど、その頃に日本でヒップホップを聴いている人たちってまだ「俺、ヒップホップを聴いてるぜ?」みたいな感じだったんです(笑)。

――マイノリティゆえの特異性に酔っている感じですね(笑)。

KEN THE 390:だからかっこいいみたいなね。

JUVENILE:そんな状況から15年経って、KENさんが今言っていたように日本でも「音楽=ヒップホップ」になるような時代が来つつあるのかなと思いますね。まさかね、声優さんたちがラップして、それが大ヒットするような未来になるとは思わなかったじゃないですか。アニメがラップをしているんですよ?

――そんな今のヒップホップシーンに響かせる、今回のコラボ曲『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』はどんな流れがあって完成に至ったんでしょうか?

JUVENILE:ヒプステっていろんな人に曲を書かなきゃいけないんですよ。だから、KENさんが書いているんだけど、KENさんじゃないみたいなフロウの曲が結構あって。今ちょうどヒプステに作っている曲の仮歌をKENさんから受け取ったんですけど、それも全然違うんですよ。声も変えてるし。だから何でも出来るんだなと思って、ムチャブリしたくなっちゃったんですよね(笑)。それで「今流行っている、先端のヒップホップじゃない曲をやりたいんですけど、いいですか?」みたいな感じで、ちょっとウェッサイ系の曲を今回『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』でやらせて頂いたんですけど、ウェッサイ系ってめちゃくちゃギャングスタラップなんですよ。本場ではドラッグの匂いとか付き纏う系というか。

JUVENILE:でも、僕らはそんなことを発信したいわけじゃないから(笑)、良い意味での側(がわ)だけというか、音楽的な部分だけでのウェッサイ系の気持ち良い曲を作ったんですよね。そしたら、そういうフロウのラップをしてくれて。今回のアルバム『INTERWEAVE 02』に参加してくれている輪入道にも聴かせたら「凄いね。本当に何でも出来るんだな、あの人!」みたいな。だから、これも普段のKENさんじゃないっぽいフロウなんですよね。

KEN THE 390:良い意味でちょっと力が抜けてるね。

JUVENILE:オールドスクール感がある。この曲で一緒にフィーチャリングさせてくれたsheidAもそれを言っていて。音はちょっと硬めで今っぽいんですけど、フロウが良い意味でイマドキっぽくなくて素晴らしいんですよ。

KEN THE 390:曲を聴かせてもらって、テーマは「愛で」って言われていたので、それが僕にとっては引っかかりになって。愛も男女間のLOVEというよりは、人間愛とか自己愛とかそれぞれを尊重する意味での愛情を書けたらいいなと思って、すごくイメージが湧いたので、すぐ出来ましたね。

JUVENILE:速攻でした(笑)。直してほしいところもほぼなし。で、スムース過ぎて韻の硬さが分からないぐらいのラップなんですけど、ちゃんとリリックを読んだら韻踏みまくってるんですよ! そこはやっぱり巧さなんだなと思いました。物凄いスキルなんですけど、それをひけらかしてない感じがめちゃくちゃ格好良い。

KEN THE 390:昔はパーティーやイベントで「Ladies & Gentlemen」とか「Boys & Girls」とかよく言っていたんですけど、最近は言わない時代になってきて。でも、今回は「Boys & Girls どちらでもない人もいて当然さ」みたいな感じで使っているんですけど、そういう愛を書きたかったんですよね。ヒップホップって特にそういうところが遅れていると思われがちな音楽だけど、ある程度成熟した男性たちが贈るヒップホップミュージックとしては(笑)そういうメッセージも説教臭くなく届けたいなと思って。多様性と言うと大きく捉えすぎるけど、「俺らが思うパーティーってこういうパーティーですよ」みたいな。それこそが愛だし、僕らが持つ愛情なのかなと。で、ウェストコーストの陽射しの気持ち良さとかサウンド感も含めて、そういうハッピーでピースフルなパーティーをイメージできたらいいなと思って。

JUVENILE:リリックの内容に関しては「そうです! 言いたいことを言って頂いてありがとうございます!」みたいな(笑)。僕が「テーマは愛です」と言ったときにそこまで一瞬で察してくれて、それを反映して頂けたので。

――そんな『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』に参加しているもうひとりのピース、sheidAさんはどんな流れでお声掛けしたんでしょうか?

JUVENILE:ヒップホップってフックだけ女の子のパターンって結構多いんですよ。特にウェッサイは多くて。体中にお絵描きしてあるゴリゴリのラッパーがヴァース蹴ったあとに、女の人が歌う流れってよくあるんですよね。その構成をちょっとやりたいなと思って。それで「誰にしようかな?」と探していたときにsheidAが良いんじゃないかと。彼女はリアルL.A.っ子なんですよ。日本語より英語のほうが使い慣れていて。だから彼女が書いてくれた英語詞には、僕らが中学や高校で習うような文法が全然出てこないんですよ(笑)。それぐらいリアルな英語で書いてくれていて、すごく良い歌詞になったなと感じています。

――そんな3者の魅力とメッセージが詰まった『Dreaming High(feat. KEN THE 390 & sheidA)』、リスナーにどんな風に楽しんでほしいなと思いますか?

KEN THE 390:JUVENILEが作ってくれたトラックとか世界観に良い意味で引っ張ってもらえて、そのおかげで自分の言いたいことが表現できたし、このリリックって曲調が違ったら説教臭くも聴こえちゃうと思うんですけど、それをすごく気持ちの良いパーティーミュージックに乗せることでメッセージがスルスル入っていくと思うんですよね。そこのバランスがすごく良いなと思うんで、何度も聴いていろいろ感じてもらえたらいいなと思います。

JUVENILE:今、みんなが「これがヒップホップだね」っていうトラップじゃないじゃないですか。その違和感からちょっと進んでほしいなと思います。「このヒップホップ、何? あ、ウェッサイって言うんだ? どうやら昔流行ったらしい。なんて爽やかなんだ!」ってなってほしいです(笑)。で、徐々にメッセージの深さとかにも気付いていってほしい。だから僕も何度も聴いて楽しんでほしいと思います!(文/平賀哲雄)

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