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世界の歌姫シーアが初監督に挑戦するまでの3つのターニングポイント

映画監督に初挑戦したSia(シーア)=『ライフ・ウィズ・ミュージック』(2022年2月25日公開)(C)2020 PHOTO CREDIT TONYA BREWERの画像

映画監督に初挑戦したSia(シーア)=『ライフ・ウィズ・ミュージック』(2022年2月25日公開)(C)2020 PHOTO CREDIT TONYA BREWER

 ビヨンセにリアーナ、BTSなど数々のスターのヒット曲を生み出し続け、ステージでは素顔を見せない世界の歌姫・Sia(シーア)が初監督を務める映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』が、2022年2月25日より全国公開される。

【動画】『ライフ・ウィズ・ミュージック』特報

 Siaが、原案・脚本・製作まで手がけた本作。愛すべき友人と音楽と共に多くの苦しみを乗り越えてきた自身の半生を主人公ズー(ケイト・ハドソン)に託し、“愛する”ことを学び居場所や明日への希望を見出していく感動のドラマを、自ら書き下ろした楽曲とともに描く。この映画製作に至るまで、どんな道のりを歩んできたのか。振り返ると、3つのターニングポイントがあった。

■ターニングポイント(1)下積みから抜け出した矢先の活動休止

 1975年、オーストラリア・アデレード生まれのSiaは、90年代にバンドのボーカルとして音楽アーティストのキャリアを開始。当時は今のようにウィッグで顔を隠すことなく、顔を出しながら活動していた。数年でバンドは解散し、ソロでアルバムをリリースするなど試みるも売れ行きが伸びず、活動拠点をイギリスに移すことに。

 その後、「Zero7」というイギリスのデュオにボーカルとして参加するなど活動を続けたが、それでもメジャーなアーティストとなる道のりは遠かった。そんな中、Siaは“恋人を交通事故で亡くす”という、とてつもない試練に遭遇。この出来事は、Siaのキャリアにも大きな影響をもたらすことになる。

 2005年に活動拠点をニューヨークに移し、彼女にとって4番目のアルバムとなる『Some People Have Real Problems』をリリース。アメリカのビルボード200で上位にランクインするなどして、長い下積みから脱出する兆しが見えてくる。翌年のアルバム『We Are Born』は母国オーストラリアで初登場2位となり、このままトップアーティストへの階段を駆け上がっていくかと思われた。

 ところが、曲制作に集中するためと、突然シンガーとしての活動休止を発表。Siaは、その当時のことを振り返り「有名になることが人生の目的だと思ってた。でもそれでは満足できないと気づき、ほかのアーティストに曲を書いていた」と明かしている。

■ターニングポイント(2)顔を隠して世界中でブレイク

 2010年、クリスティーナ・アギレラのアルバム『バイオニック』に共作曲が収録されたのを皮切りに、ソングライターとしての才覚が認められいき、デヴィット・ゲッタとのコラボ曲「タイタニウム」(11年)、リアーナの「ダイアモンズ」(12年)、フロー・ライダーとの「WILD ONES / 俺たちワイルド・ワンズ」(12年)、ビヨンセの「プリティ・ハーツ」(13年)などを手がけ、ヒットメイカーの仲間入りを果たす。

 「タイタニウム」はイギリスで1位、アメリカで3位、カナダで10位以内などのヒットチャートへランクインし、世界各国で大ヒットを記録。「ダイアモンズ」でも全英シングルチャートで1位、全米のBillboard Hot 100で1位になるなど、世界中に“Sia”というアーティストの名が広まっていった。

 ほかにも、ケイティ・ペリー、ブリトニー・スピアーズ、マルーン5、カーリー・レイ・ジェプセンなど、数多くのトップアーティストの楽曲をこれまでに100曲以上手がけ、ポップス界における最も重要なソングライターとして確固たる地位を築いていく。

 一方で、シンガーとして活動を再開。有名になることと引き換えにプライベートを失ってしまった経験から、“顔を隠す”ことを決意する。大きなウィッグで顔を隠したパフォーマンスを披露し、“顔なきポップスター”としてブレイク。14年に出したアルバム『1000 Forms of Fear』が、アメリカ・オーストラリア・カナダで1位を獲得した。収録されていたシングル「シャンデリア」は世界中で大ヒット曲となり、グラミー賞で「最優秀レコード賞」など4部門にノミネート。自ら共同監督を務めたミュージック・ビデオでは、圧巻のパフォーマンスを見せたマディ・ジーグラーとのコラボが大きな話題につながり、MTV Video Music Awardsで「最優秀振付賞」を受賞。マディは、Siaにとって“かけがえのない存在”となっていく。

 数々の華々しい経歴を持つSiaが、これまでに手掛けた楽曲のミュージック・ビデオ総再生回数は70億回を超え(※フィーチャリングで参加した曲、楽曲提供した曲も含む)、グラミー賞には合計9回もノミネートしている。日本では、19年のフジロックフェスティバルにヘッドライナーとして初来日し、大雨が打ちつける中圧巻のパフォーマンスを披露。20年にも世界的人気アーティスト・BTSとコラボした「ON(Feat.Sia)」が大ヒット。新たな記録を作り続けている。

■ターニングポイント(3)自身の人生を映画に

 キャリアのほとんどを“曲を書くこと”に費やしてきたSiaだが、自分のキャリアと人生を反映した“映画”作りに挑戦することに。Siaは「『シャンデリア』のMVを監督して、演出する事が得意だとわかった」と、映画製作へ向かったきっかけを語っている。

 数々の壁を乗り越えた自分を主人公のズーに投影し、“音楽=ミュージック”がともにあるだけで救われてきた経験をズーの妹・ミュージック(マディ・ジーグラー)に、Siaを支える“愛する人々”の存在をアパートの隣人・エボ(レスリー・オドム・Jr.)に重ね合わせ、Siaがこの作品のために書き下ろしたオリジナル楽曲とともに、彼女の人生を反映した物語を型破りな演出で映像化していく。そこには、Siaが伝えたい愛と希望と驚きがたくさん詰まっているに違いない。

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