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「リアル“コウペンちゃん”!」ほわほわの赤ちゃんペンギンに反響、飼育員が驚いた“おませさん”な一面とは?

今年10月1日に生まれたエンペラーペンギンの雛(C)アドベンチャーワールドの画像

今年10月1日に生まれたエンペラーペンギンの雛(C)アドベンチャーワールド

 ペンギンの赤ちゃんのあまりの可愛さが、大きな反響を呼んでいる。注目を集めるのは、和歌山県の「アドベンチャーワールド」で今年10月1日に生まれたエンペラーペンギンの雛。一度は一般公開されたものの、体調の関係で1ヶ月半ほど公開を休止していた(現在は一般公開を再開)。Twitterの公式アカウントでは、その間も元気に育つ姿を公開し、多くの人を虜にした。そのフワフワの見た目は、まさに人気キャラクターの「コウペンちゃん」の実写版のよう。実は、エンペラーペンギンの雛を飼育するのは国内でも同園だけ。赤ちゃんペンギンならではの魅力や、ペンギン飼育の難しさについて飼育スタッフの長野真子さんに話を聞いた。

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■公開休止中もSNSで大人気に、飼育スタッフが「まだまだ赤ちゃん」と思う瞬間も

――エンペラーペンギンの雛がSNSで大人気です。なかには13万いいねを超える大きな反響を集めた動画もあります。

【長野さん】エンペラーペンギンの雛は、国内でもここでしか見ることができない貴重な姿です。一般公開できないのですが、SNSで皆さんにご覧いただけて嬉しいです(※取材時は一般公開休止中)。

――飼育スタッフさんからみて、一番かわいいと思う仕草はありますか?

【長野さん】そうですね。親元で育つ場合、雛は親の足元(お腹の下)に入って温めてもらいます。この子は親と離れて暮らしているためか、人の脇や足の隙間に顔をうずめてきて、親鳥のお腹の下に入りたいような仕草をする時があります。体は少しずつ成長していますが、「まだまだ赤ちゃんなんだな」とかわいいですね。

――動画では、雛が翼をパタパタさせている姿も。この行動には意味があるのですか?

【長野さん】これは、エサを食べた後になるので、お腹いっぱいで少し眠たいなあというところです。人でいったら少し伸びをしているような感じです。大人になってからも翼をパタパタすることはあるのですが、やっぱり雛の時は翼が短く、羽がほわほわなので、一段とかわいく見えるのかなと思います。

――さらにTwitterでは、雛の成長ぶりが紹介されていますね。「大人の鳴き声」を練習中という投稿も拝見しました。

【長野さん】雛の時は、頭を上下に振って親鳥にエサをねだる鳴き方をします。大人になると、雛の鳴き声と変わり「ディスプレイ」と呼ばれる求愛の鳴き方に変わるんです。

――現在、生後70日くらいですが、もう大人の鳴き方に変わるんですね。

【長野さん】この時期に大人の鳴き方の練習をすることは、ほとんどないです。この雛はちょっと大人びているのか、突然(練習を)始めました。

――おませさんなんでしょうか(笑)。

【長野さん】大人のペンギンは卵を足の上に乗せてお腹の皮を被せて温めますが、繁殖の時期には、雪の塊など落ちているものを卵と勘違いして抱えることもあります。今回生まれた雛は、エサが入った小さなボールを抱こうとする行動がたまに見られます。その流れでちょっと大人のような鳴き方もしていますね。

――大人のステップを着々と進んでいますね。一方、見た目はまだフワフワな赤ちゃんです。どれぐらいで大人の見た目になっていくのでしょうか。

【長野さん】大体生後100日-120日過ぎた辺りからです。羽がちょっとずつ生え変り始めている部分もありますが、今回の雛は体が少し小さいのでもう少しかかりそうです。

■体調崩して公開休止から回復へ 「参考事例がない」プロジェクトの難しさ

――一度は一般公開された雛ですが、体調の面から公開一時休止に。どのような状況だったのでしょうか。

【長野さん】親鳥は足元で、お腹の皮を被せて雛が冷えないように子を温めます。ですが、今回は温める際、雛の体が半分ほど出てしまっていて雛自身も体温管理がうまくいかなかったようです。震えが出始めたので親鳥から預かり、保育器へ移動しました。今は、元気になっています。

――アドベンチャーワールドでは1990年から「ペンギンプロジェクト」が実施され、なかでも現在では日本で唯一エンペラーペンギンの繁殖・飼育を実施する施設となっています。

【長野さん】エンペラーペンギンについては、1997年に雛が搬入されました。2004年に初めて雛が誕生しましたが、当時は人の手で育てる「人工育雛(※いくすう)」を行っていました。ただ、そうすると人間を親と認識してしまい、親元へ返した際に、親鳥へエサの要求をしなかったり、親の鳴き声に対して反応を見せないことがありました。

――親鳥を“親”と認識させるように育てる必要があったんですね。

【長野さん】人間を親と認識してしまうと成鳥になってもペアを作らず、次の世代の繁殖に繋がらない可能性があります。そこで、2012年から“刷り込み”防止対策で人がペンギン型の帽子を被るなど、親鳥に扮して育てるようになました。

――飼育スタッフさんがペンギン型の帽子を被ってエサをあげる姿は、YouTubeでも公開されていましたね。ペンギンの雛を育てる上で、難しいところは?

【長野さん】一番は、やはり体調管理です。エンペラーペンギンの場合、他園での繁殖事例やデータがありません。ですので、今回のように(一度親に返してから)取り上げるといった際に参考にできるものがなく、チームで考え答えを出す必要があります。また、一羽一羽の体調をしっかり見ていかないと見落としに繋がることが、人工育雛する上で難しいところだと感じます。

――一般公開後、どんな姿に注目してもらいたいですか?

【長野さん】今後、成長過程で雛から“子ども”の姿に成長していきます。大人ともまた違うのでその姿にも注目してもらいたいです。

――“子ども”の姿ですか?

【長野さん】ペンギンは雛、子ども、大人の3段階でどの種類も体の模様が変わります。どの種類も子どもの模様が見られるのは、1年間限定です。群れの中に一羽だけ違う模様の子がいたら、それが子どもです。気づけたらラッキーかなと。

――エンペラーペンギンの子どもは、どんな姿なのでしょうか?

【長野さん】大人だと黄色い模様があるのですが、子どもの頃はそれがなく、白黒でちょっとグレーがかった感じになります。1年経つと、もう1回羽が生え変わると大人の柄が出てきます。

――雛には、今後どのように育っていってほしいですか?

【長野さん】本来でしたら親鳥が雛を育て上げ、そのまま群れに溶け込むというのが理想でしたが、今回はそれが難しくなってしまいました。ただ、大人になった後も群れに溶け込み、ゆくゆくは相手を見つけて繁殖できるようサポートを続けていきたいと思います。

 エンペラーペンギンの雛は、アドベンチャーワールド 「ペンギン王国1階 育雛室」にて公開中(12月24日現在)。今後、健康状態に問題がなければ、親鳥たちが暮らす「海獣館」へ移動予定となっている。

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