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アイナ・ジ・エンド「病んでいるのに飽きた」“表現者”としての模索と心境の変化

アイナ・ジ・エンド 撮影:新井克実 (C)ORICON NewS inc.の画像

アイナ・ジ・エンド 撮影:新井克実 (C)ORICON NewS inc.

 “楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバーで、ソロとしても活躍の場を広げているアイナ・ジ・エンド。自身が考案したキャラクター“ぞうきんドッグ”が漫画となり、公式ツイッターにて連載を開始。また、同作のモチーフとなった楽曲「ZOKINGDOG」が収録された2ndアルバム『THE ZOMBIE』が11月24日にリリースされる。ORICON NEWSでは、そんなアイナ・ジ・エンドに動画インタビューを実施。漫画やアルバムへの思い、ソロ活動における心境の変化などを聞いた――。

【動画インタビュー】アイナ・ジ・エンド、ソロ活動への思いを語る

■「動かなきゃ始まらない」アイナ・ジ・エンドが漫画に込めた想い

 漫画『ぞうきんドッグ』は、飼い主を探す旅をしている犬・ぞうきんドッグが、ゴキブリのゴッドキングと出会い、二人で旅をする中でさまざまな不幸に見舞われてどん底まで落ちていくが、二人はそれを笑いながら旅を続けるというストーリー。

――『ぞうきんドッグ』漫画化の経緯は?

【アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ)】(本作のサポートを務める)FIREBUGさんに、「何かしたいことありませんか? 何でもいいですよ」という優しいお話をいただいたので、「最近、作っている曲があって、『ZOKINGDOG』という曲なんですけど、こちらをなにか一緒に展開できたらいいですね」という話をしていく中で、ぞうきんをかぶった犬の絵を描いて見せてみたら、「かわいいですね」と言ってくださったので、みなさん気に入っていただいてるならこれがいいなと。

――漫画のテーマは「絶望には絶望を」。このテーマにした背景は?

【アイナ】小さい子どもから、おじいちゃんおばあちゃんまでみんなで楽しめるお話がいいなとまず思って。アニメとか漫画で、悲しいことを嘆いている人に対して、温かい言葉をかけるキャラがいて、一緒に明るい方向に向かっていく…みたいな作品は大好きですし、よく見るんですけど、悲しい気持ちを嘆いている時に、悲しいことを言ってくるやつってあまりいないな…。斬新かもな…と思って、そのアイデアを提出しました。

――ぞうきんドッグは恐怖や悲しみが極限状態になると歌を歌ってしまうというキャラ設定ですが、ご自身との共通点は?

【アイナ】私も最近、つらいことがあって…。新潟でソロ公演があったんですけど、「もう明日歌えないよ…」というぐらい落ち込んでいたんですけど、いざステージに上がってみると、「自分の生きがいはここにあるんだ」というか、つらい気持ちも表現にしていけば、歌は歌えるんだと思った。表現に昇華していく、歌で発散するみたいなところは似ているなと思います。

――アニメや漫画が好きというアイナさん。音楽以外で一番影響を受けた作品は?

【アイナ】読み物とかで影響を受けても…忘れるというか(笑)、一瞬の“逃げ”ですね。自分の混沌とした気持ちをほぐしてくれる要素。すごく幸せで大切な時間なんですけど、ずっと影響されるのは…やっぱり人ですかね。人との出会いとか、人に言われたこととか、人と話し合って生まれた会話とかにはずっと影響されたりします。

――漫画『ぞうきんドッグ』で一番伝えたいことを教えてください。

【アイナ】「動かなきゃ始まらないよ」ってことですかね。その場で寂しがっていても意味がないし、「愛を教えてくれないか」って同じ場所で吠えていても、誰も来てくれない。ぞうきんドッグが飼い主を探しに行かずにずっとゴミ箱で寝てたら、本当にぞうきんをかぶって死んだ犬になっちゃう。旅に出るから、そこでの出会いでゴッドキングにも会えて、幸せになれるかもしれない。やっぱり人間も一緒かなって。同じ場所でずっと泣いてたって変わらない。希望も絶望も味わえないと思うので、みんな苦しくなったらとりあえず旅に出ようよという気持ちで作りました。

■「病んでいるのに飽きた」ソロ活動で心境の変化

――アイナさんソロ2ndアルバム『THE ZOMBIE』が11月24日にリリースされます。アルバムのコンセプトは?

【アイナ】1stアルバム『THE END』は私小説みたいな感じで自分が今まで生きてきた中での劣等感や幸せな気持ち、人がいなくなって悲しい失望感とかいろんな気持ちを音楽に乗せて歌ったんですけど、もうそこで「暗がりにいるのは飽きた」というか、病んでいるのに飽きて、「一回落ちたら上がるしかないじゃん」って思ったので、1stでは使ってこなかった「生き抜こう」という言葉だったり、「愛はここにある」とか、ちょっと前向きな歌詞が多くなりました。

――このアルバムで一番伝えたいことは?

【アイナ】今はコロナ禍っていうのもあるかもしれないけど、みんな少し心が窮屈になっていたり、楽しい時間を過ごしても、1人で家にいると結局寂しくなっちゃったりすると思うんですけど、実際に私もそうで。そんな自分のことをまず受け止めたらちょっと楽になるというか…。それでいいんだよという音楽が詰まっています。

ハッピーな曲もあるし、すごく悲しみの曲もあるし、なんでもない歌もある。それでいいというか。ずっと楽しい人間なんていない。それを音楽で一緒に共感できたらいいなと思って作りました。

――アイナさん自身の心境の変化はコロナ禍も影響していますか?

【アイナ】あまりないですかね。考え出したら、「コロナに影響されてるね」と、いくらでも思い当たることはありますけど、それを言い訳にして音楽がこうなったとかはないですね。

――グループを離れてソロで活動をする上で大変なことは?

【アイナ】それに関しては、ずっと“沼”というか…。ずっと答えが出ないまま、探って探って音楽をやっているので。ひよらずに飛び込みすぎて、ずっと沼に飛び込んでいる感じなので答えが出ないですね。生きがいとか居場所を音楽で探し続けているのがソロ活動。

BiSHはどっちかというと、サウンドプロデューサーの松隈ケンタさんがいてくださって、(プロデューサーの)渡辺淳之介さんや、エイベックスの人たちが、「こういうBiSHにしていこう」という方向を決めてくれる。そこに対して自分は振り付けをしたり、歌詞を書いたりする。一生懸命に頑張れば、何とかいけるんですけど、ソロは舵を切る人が誰もいないので、そういう意味でずっと模索していますね。

■不安定な自分自身を救ったファンの存在

――BiSHとしては、有観客でのライブができない状態も続いたと思いますが、その時の心境は?

【アイナ】コロナ禍になって、割とすぐに無観客ライブはやっていたんですけど、去年の12月に11ヶ月ぶりの有観客ライブをやった時に、メンバーが泣いて歌えなくなったり、私もあんな光景はもう忘れられないだろうなと思うぐらいうれしい気持ちになりました。無観客があったからこそ有観客のありがたみがわかるようになりました。

――ファンの応援の言葉に救われたことは?

【アイナ】めっちゃありますけど…。最近うれしかったのは、「アイナ・ジ・エンドには命を燃やせる価値がある」という言葉をファンの人からもらって、かっこ良すぎる言葉かもしれないけど、私もステージの上では命を燃やしている感覚はあるので、そこに対して同じ熱量で見てくれているんだ…と。それだけで十分だなと思いますね。

――BiSHのファンは熱量がすごいですもんね。

【アイナ】そうなんです。ファンの方からよく手紙をいただくんですけど、誰かの生きがいになれることって本当に幸せなことなんだなと手紙を読むたびに思ったりして、もうちょっと東京で頑張ろうかなと思います。

――アイナさん自身がこれまで挫折した時も、やはりファンの言葉が救いになりましたか?

【アイナ】ジェットコースターみたいに自分の感情が毎日変わっちゃって…。すごく楽しかったのに、いきなり悲しくなっちゃったり、そういう日々なんですけど、ずっと心のどこかで何か一つ安定して、安心して活動ができているのはファンの方のおかげ。この人たちがいるから、自分がジェットコースターみたいな人でも安心して表現に落とし込める気がします。

■AKB48・柏木由紀からの影響 アイナ・ジ・エンドの“アイドル像”

――所属事務所WACKのグループとAKB48・柏木由紀さんのコラボレーションも話題ですが、“アイドル”柏木由紀さんから学んだことは?

【アイナ】振り付けをした日に由紀ちゃんが首の症状が悪くてリハに来れなくて…。直接振り付けの練習を一緒にできなかったのに、MV(ミュージックビデオ)撮影で踊った時に由紀ちゃんが完璧に覚えていて。「こんなにすごいんだ…」と。私は直接人に教えてもらわないと覚えられないことがあるのに、由紀ちゃんは代わりのダンサーさんに教えてもらって完璧にしてくる。しかもその上で、自分の見せ方もしっかり出せるのが本当にかっこよくて、私だったらできないなと思ってすごく影響を受けました。

――BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」という肩書きで活動していますが、アイドルと表現されることもあるかと思います。そこにこだわりはありますか?

【アイナ】アイドルって、例えばクラスでプリントを配る時に後ろを向くのが楽しみになるくらいかわいい子が自分にとってはアイドルというイメージがあったので、私は程遠いというか…。逆に私はプリントを配っている時に「今日もおもろいな〜」って言われる女子だったので。

だから、アイドルだって思われていることに関してはすごくうれしいし、そういう存在に一歩近づけているのかなって、それは顔面だけの話じゃなくて、どこかを受け入れてくれて、それを好きだと言ってくれて、しかもアイドルだって言ってくれるって私はすごくうれしい。逆に自分で振り付けを作ったり、作詞作曲をしていることに関して、それを表現者だと扱ってくれるのも本当にうれしい。それが生きがいなので。だからどっちでもうれしいです。

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