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「好きなアナ」ランク圏外だからこそ? 本懐で本領発揮するTBS女性アナの大器晩成力

情報番組から音楽番組までさまざまな担当番組を持つ江藤愛アナ(C)oricon ME inc.の画像

情報番組から音楽番組までさまざまな担当番組を持つ江藤愛アナ(C)oricon ME inc.

 いまなお、女性の花形職業として人気のテレビ局アナウンサー。最近では田中みな実や宇垣美里、鷲見玲奈などの相次ぐ女優業進出、キャスターとして活躍する加藤綾子や有働由美子など、元局アナによるフリー転身後の活躍ぶりも目立つ。「30歳女子アナ定年説」と言われ、職業寿命が短いイメージで語られることが多いキー局女性アナウンサーだが、江藤愛アナを代表に、それを翻すべくTBS女性アナウンサーの堅実な活躍ぶりも注目されてきている。“局アナの脱タレント化”が、今後のキー局女性アナウンサーの活躍の幅をより強固にしていくのか。

【写真】「定年までTBSにいたいと思っているんです」会社愛を告白する江藤愛アナ

■“潜伏期間”がTBSアナの醍醐味 “女子アナ”ではなく、いちアナウンサーとして育成

 ORICON NEWSで行っている「好きな女性アナウンサー」ランキング。意外にもTBSアナは他局に比べてランクインしていることが少ない。例えば、現在大活躍中の田中みな実は、フリー転身後、2016年に初のトップ10入り(7位)。TBS人気アナのイメージがあった宇垣美里もTBS退社直前の2018年、9位にランクインしたのみだった。

 TBSの女性アナウンサーといえば、現在でいうと江藤愛アナや『キングオブコント』でMCを務め注目された日比麻音子アナ、『ラヴィット!』の進行ぶりに評価の声が高い田村真子アナなど、本懐である「ニュース読み」に定評があるアナウンサーが数多くいる。他局のアイドル路線とは別軸の、“親しみやすいがアナウンス力も高い”アナウンサーが多い印象だ。

 「『好きなアナ』では、有働由美子さんのように、アナウンサーの“本懐”が認められる場合もありますが、多くは、キャラクター性やタレント性、話題性でランクインしている」と指摘するのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「“花形職業”といわれる所以ですが、以前、鷲見玲奈さんをインタビューした際に私が印象に残った言葉、『実は皆さん“女子アナ”を嫌いなんじゃないか』が表すように炎上とも紙一重。タレント性ばかりがトピックとして取り上げられることが多く、“アナウンサーとしての本懐はどこにある?”という厳しい意見がユーザーから飛ぶことも多い」(衣輪氏)

 同氏によれば、「ランクインしてない“潜伏期間”ではタレント性ばかりが注目されず、本懐の部分で評価される利点がある。第一印象では話題性が少なく見えるTBS女性アナは立場としては有利な面もある。そして同社にはアナウンス力をしっかり上げていく土壌もある」という。ちなみにかつて(2012年~2014年)2006年以降に入社した若手女性アナを様々な企画に挑ませ、最も成績の悪い人に罰ゲームを課す『女子アナの罰』もあったが3年で終了。TBSではフジやテレ東のような女性アナをアイドル化することが難しかったこともあるかもしれない。

■TBSラジオと“直結”していることが最大の強みであり他局には無いアドバンテージに

 ではTBSの“アナウンス力を上げる土壌”とは何か。それはTBSがラジオ局と直結していることだ。TBSではアナウンサーがラジオ番組のMCを兼任することが多い。これは他局にはない強みの一つで、背景には、TBSラジオのパーソナリティ高齢化や分社化後の2000年代後期よりTBSテレビ所属のアナウンサーを抜擢するようになった歴史がある(分社化後は、自社でアナウンサーを雇っていない)。

 ラジオは情報が声のみ。リスナーを飽きさせず軽快に進める進行力やゲストとの対話力、ほかにも、フリートークをしなければならないため、原稿を読む以外の“喋り”だけで場を繋げる力を身につける場となり得る。実際、過去のインタビューでは笹川友里アナが「TBSアナウンサーはみんな、何かひとつでもいいからラジオに関わりたいと思っているんじゃないでしょうか」とも発言している。

 江藤愛アナもそうだ。就活中、『安住紳一郎の日曜天国』がきっかけでラジオの魅力に開眼したという江藤アナはその安住アナから「確かにラジオは楽しいけれど、ラジオとテレビの両方の第一線で活躍できるのが“本物の”アナウンサーなので、そうなってくださいね」と諭されたという。

 確かにラジオというメディアはアナウンサーにとっても魅力的だ。テレビではあくまで“裏方”に徹するアナウンサー業だが、ラジオでは自身が自分の発信したいことを様々な方法で模索、テレビとは違う姿を見せることもできる。さらにTBSラジオでは“修行”の意味か、江藤愛×爆笑問題、宇垣美里×宇多丸、堀井美香×久米宏など、大御所と掛け合わせるケースも多い。

 こうしてTBSアナウンサーは、全方位的に「言葉を伝える」技術を習得しようとしている。自分の持ち味(個性)を磨くこともでき、そんな意味で、アナウンサーの“本懐”を築きやすい土壌がある。
 

■田中みな実、宇垣美里、吉田明世…相次ぐフリー転身 “局アナ”で居続けた江藤愛らの奮闘

 とはいえ、TBSはフリーに転身する女性アナウンサーが他局より多いイメージもある。その謎のヒントは、2019年に放送された『有田哲平の夢なら醒めないで』から得られた。宇垣美里、林みなほ、日比麻音子、山本里菜、良原安美が出演した回で、キー局のアナウンサーになれば様々な番組にひっぱりだこになって知ってもらえるかと思っていたが、「フリーアナウンサーの起用が多くて出番がない」などとこぼしていたのだ。「ですがTBSは他のキー局よりさらに、アナウンサーをアナウンサーとして、社員は社員として、地道に育てる硬派さがあると言い換えることもできる」(衣輪氏)

 その代表例が江藤愛アナの現在の無双ぶり。女性アナとしては遅咲きであり、『ひるおび』のアシスタント、『CDTV ライブ!ライブ!』、朝の情報番組『THE TIME,』の木・金サブキャスターを務めるなど快進撃が止まらない。これまでは同期の田中みな実の存在によって、あまり注目されることはなかったが、今年はエキスパート特任職トップスペシャリスト(課長に相当する役職)にも昇進。“表に出ずとも”実直にアナウンサーとしての研鑽を積んできた結果が現れてきている。また入社早々結婚、出産を経て、30代からはナレーション技術を磨き、ジェーン・スーとのPodcast『over the sun』で注目される堀井美香アナの存在もある。

 江藤アナについてTBSアナウンスセンター室長の利根川展氏はこう評価している。「努力をいとわない。地味な努力が出演者やスタッフとの信頼関係を築き、番組オファーにつながる」「表に出たがるアナウンサーも多いですが、彼女の場合は、どんな番組でも『あくまでもタレントさんが主役で、その主役を引き立てるためにどうしたらいいか』を考えるタイプ。アナウンサーといえどもサラリーマンで、彼女は会社員としての事務作業、例えば勤務表を記入したり、必要な書類をいち早く提出するなど本当にきちんとしています。そういうことが、後輩にもいい影響を及ぼしていると思います」(ORICON NEWS 2019年掲載)。

 “花形職業”を目指して入社した以上、早く活躍したい気持ちは理解できる。だが「早秀は晩成にしかず」という言葉もある。定年退職後も一線でメディア出演する元TBSアナウンサー・吉川美代子氏の活躍もやはり、アナウンス能力(機転・伝播力・間の取り方)の土台あってこそ。江藤愛アナはかつてORICON NEWSのインタビューで「最近は本当に“女版・安住アナ”になりたいと思うようになりました」とも語っていた。華やかさ・キャラ・話題性に依存せず、着実に堅実にあくまでアナウンサーとしての能力を築くTBS女性アナウンサーたち。“いぶし銀”な彼女たちを応援する人も決して少なくない。

(文/西島亨)

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