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空気階段の優勝、ニューヨーク“らしさ全開”の最下位まで…コントの祭典で魅せた“高円寺芸人”の活躍と結束

空気階段 (C)ORICON NewS inc.の画像

空気階段 (C)ORICON NewS inc.

 2日に行われた“コント日本一”を決める『キングオブコント(KOC)2021』は、日本全国を笑いで満たしてくれた。10組のファイナリストがそれぞれの色を出し、さまざまなコントを披露してくれた、至極の大会だった。その中でも、お笑いファンの間では浸透しつつある“高円寺芸人”の活躍は本当に著しく、そいつどいつ・市川刺身が、決勝前の動画コメントで「キングオブコントのKは高円寺のKだ」との名言を残していたが、その言葉に違わぬ展開となった。

【写真】ラジオでも話題に…これが『キングオブコント』優勝トロフィーだ

■高円寺は売れない芸人の巣窟、というイメージをぶっ潰した

 “高円寺芸人”。文字通り、東京都杉並区に位置する高円寺に深い関わりがある芸人を指す。この言葉が一躍有名となったきっかけは、6月に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日)が大きいが、その原点をたどると『高円寺チャンネル』というYouTubeチャンネルにたどり着く。

 このチャンネルは、概要説明にもある通り「高円寺で暮らし、高円寺に生き、高円寺を愛する芸人たちによる“超”地域密着型チャンネル」。鬼越トマホーク・坂井良多、ニューヨーク・嶋佐和也、空気階段・鈴木もぐら、そいつどいつ・刺身の4人で旗を揚げたものだ(チャンネル内や「高円寺チャンネル Live 『高円寺vs東京』」には、ゴッドと崇められるマヂカルラブリー村上も時折登場)。

 高円寺といえば“売れない芸人の巣窟”なんてイメージも付いていたが、最近の活躍や今回の『キングオブコント』での躍動を見ていると、もう誰もそんなことは言えない現状を、確実に作り上げた。

■それぞれが残した”確かな爪痕”と大胆不敵な活躍

 初出場のそいつどいつは、恐怖と笑いを融合したインパクト大なネタで、その名を世に知らしめた。お笑いの大会で「恐怖」だけを感じる時間を視聴者に与えるのは、かなりの勇気が必要であり、それも全部ひっくるめて笑いに変える力量があるからこそ、決勝に進出したのだと感じさせた。松本竹馬の作るコントも、市川の愛くるしいキャラクターも、今後さらに注目されること間違いない。

 ニューヨークが披露したのは、イカれたギャンブラーを題材にするという“らしさ全開”のネタ。結果は最下位となってしまったが、審査員長の松本人志(ダウンタウン)が自身のツイッターで「2021年のKOCファイナリストってだけでいいカッコして良いレベル」とつぶやいていたこと、毎日ネタ以外の仕事でも多忙であるにもかかわらず、エントリー数3015組から決勝メンバーに勝ち進んだという偉業などを、どうか忘れないでほしい。

 空気階段は、「下ネタ」と表現するのが適当であるかすらわからないが、家族で見ていても気まずくならない“奇跡の下ネタ”だった。鬼越の坂井が『KOC』放送直後、空気階段に対して「一番汚くて、一番美しいコントだった」と賛美のツイートをしていたが、それ以上の表現はないだろう。

 そんな空気階段のすばらしいネタのあとに控えていたマヂカルラブリー。『M-1グランプリ』『R-1グランプリ』に続いて3冠を目指す野田クリスタルへの視聴者の期待が集まる中、2人が魅せてくれたのは、ファン歓喜の、野田の転がり芸だった。『KOC』前、さまざまなインタビューで「3冠を獲る」と自らを追い込む気合いを述べていたが、こちらもネタ作りに時間を割けないほどの多忙ぶり。そんななかでハイレベルな戦いのラストを飾り、爆笑の渦を作り上げた彼らからは、王者の貫禄を感じた。

 4組とも「こんなネタが決勝の舞台で見れるなんて……」という、躊躇(ためら)いのないネタ選び。どこかイカれてるのに、まったく恐れることなく披露する芸人としてのカッコよさ、まさに大胆不敵な活躍だった。

■反省会で見せた、高円寺芸人の結束

 決勝放送後、Paraviで配信された『キングオブコント2021 大反省会』では、空気階段が1人だけに電話をかけられるという状況があったが、もぐらが選んだのは、鬼越の坂井だった。こうしたところにも高円寺芸人の結束が垣間見える。

 電話中、ほか3人の『KOC』ファイナリストの高円寺芸人たちがゾロゾロと集まり、電話をスピーカーにして全員で談笑する。その姿がうらやましいと思う者も、ほほ笑ましいと思う者もいたであろう。当たり前になってきているが、全国で視聴することができるこの配信で「高円寺」というワードを出すこと。それがどんなに尊いことか。もぐらは優勝後急きょ生放送となった自身のラジオ『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)でも、「私は高円寺から出てきましたから」とアツい想いを述べていた。

 ここにきてようやく、「お笑い」と「高円寺」は切っても切り離せない関係になったと思う。村上が新中野に引っ越したという説が流れたり(※本人はいまだに高円寺にも住まいはあると主張している)、嶋佐が高円寺以外の場所で家探しをしたりしているが、それによって「彼らは高円寺芸人ではなくなった」と言うことは、もはや野暮だ。彼らの心にはしっかりと高円寺の精神が刻まれており、引っ越したとしても彼らの絆が消えることはない。

 優勝した空気階段はこれからさらに活躍の場を広げていくだろうし、惜しくも優勝を逃した3組はこれからも『KOC』に挑戦するかもしれない。みんなの兄貴、鬼越は『M-1グランプリ2021』の1回戦を通過している。高円寺芸人の未来に、お笑いファン全員が注目し、期待している。そして、高円寺には世間に見つかっていない面白い芸人がまだまだたくさん生息している。そんな芸人たちが彼らの後を追っていち早く売れる世界を、心の底から待ち望んでいる。

(文:佐々木笑)

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