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10年前の映画『サウダーヂ』再上映 日本はどのように変わり、変わらなかったのか

映画『サウダーヂ』公開10周年を記念してデジタルリマスター版が10月23日よりK’s cinemaにて劇場公開 (C)2021 kuzokuの画像

映画『サウダーヂ』公開10周年を記念してデジタルリマスター版が10月23日よりK’s cinemaにて劇場公開 (C)2021 kuzoku

 2011年に35ミリフィルムで公開され、同年イタリア・ロカルノ国際映画祭のメインコンペにも入選した空族制作・富田克也監督による映画『サウダーヂ』のデジタルリマスター版が公開10周年を記念して10月23日よりK’s cinema(東京)ほかで劇場公開される。

【動画】映画『サウダーヂ』新予告編

 富田監督は当時トラック運転手をしながら脚本の相澤虎之助らと共に「空族」を名乗り、約1年半の歳月をかけて同作を制作。「第33回ナント三大陸映画祭」グランプリ(金の気球賞)、「第66回毎日映画コンクール」日本映画優秀賞&監督賞、「第26回高崎映画祭」最優秀作品賞、「キネマ旬報」2011年日本映画年間ベストテン6位ランクインなど、日本映画界に大旋風を巻き起こした。

 山梨県甲府市を舞台に、北京オリンピック、リーマンショック後の大不況で行き場を失った日系ブラジル人たち、出稼ぎに来たタイ人、そして国籍の選択をせまられているその子どもたちとの出会いから着想を得て、疲弊しきった地方都市を描いた作品。

 新予告編では、鷹野毅演じる土方の誠司が、タイパブで出会った女性に、「ありがとう」を意味するタイ語を「コップ・クン・クラップ」と教えてもらうシーンから始まる。聴こえてくるのは、1980年代の代表的なロックバンド・BOΦWYの「わがままジュリエット」。この曲は、本編でも強烈な印象を残すあるシーンで流れる楽曲だ。誠司の現場の同僚の保坂が、「俺、タイに住んでたんすよ」と誠司に言うせりふの後に、2人がタイパブで、ぼんやりとタイ女性の踊りを眺めるシーンが続く。

 そして、タイパブに連れてこられた、ラッパーの田我流演じる猛が、帰り道の甲府のシャッター街で、唾を吐き、フリースタイルを始める。このシーンは、当初、脚本の相澤虎之助と監督の富田がある程度、どんなことを言ってほしいか、ラップ調のせりふを書き、田我流に渡したが、「これは無い」と却下されたという。フリースタイルという名の通り、その場で田我流が披露したラップがフィルムに収められた。続くシーンでは、出稼ぎにきたブラジル人たちの姿、そして、そのブラジル人たちに敵意を抱き、ナイフを手に後ろから近づく猛の姿をとらえて予告編は終わる。

 外国人労働者、ヒップホップ、シャッター街。地方都市で起こっている現実を、実際にそこで生きる人々に演じてもらい作り上げた本作。10年後の今、日本がどのように変わり、変わらなかったかを突き付ける。

 K’s cinemaでの上映期間中は、特別上映として、富田監督の前作『国道20号線』、及び『サウダーヂ』のリサーチのために制作したドキュメンタリー『FURUSATO2009』の上映も予定されている。

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