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佐藤健×阿部寛、彼らを熱演に駆り立てるものとは? 映画『護られなかった者たちへ』

佐藤健(右)、阿部寛(左)が共演映画『護られなかった者たちへ』(10月1日公開)(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.の画像

佐藤健(右)、阿部寛(左)が共演映画『護られなかった者たちへ』(10月1日公開)(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

「カメラが回っている前でぬるい芝居をするわけにはいかない」(佐藤健)
「撮影中はずっと役のことを考えている」(阿部寛)

 「このミステリーがすごい!」受賞作家・中山七里氏の同名小説を瀬々敬久監督が映画化した『護られなかった者たちへ』(10月1日公開)。連続殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根役を演じた佐藤健、彼を追う刑事・笘篠役を演じた阿部寛。作品に込めた思いとは?

【動画】『護られなかった者たちへ』公開記念特番

――おふたりは『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(2010年5月)以来の共演となりました。

【佐藤】大変光栄でした。『TRICK』の時も共演できてすごくうれしかったです。ドラマシリーズが大好きだったので、阿部さんのお芝居を目の前で見ることができて本当に感動しました。今回は肉体的にも精神的にもハードなシーンばかりでしたが、何をしても受け止めてくれるであろう役者としての大きさを感じていたので、思い切ってぶつかることができました。

【阿部】ありがとうございます。『TRICK』から10年経っていたんですけど、今回は佐藤さんが言ったとおり、ハードなシーンばかりでしたので、佐藤さんのお芝居を邪魔しないようにといいますか(笑)、芝居に取り組む姿勢、現場での集中力というものを見させていただき、僕もいい刺激をもらいながら撮影していました。

――印象に残っているシーンは?

【阿部】逃走する利根を笘篠と蓮田(林遣都)が追いかけるシーンですね。1日で撮りきらず2日にわたって、しかも雨が降っている中での撮影でした。刑事ドラマには刑事が走るシーンがよくありますけど、僕はこれまで出演した刑事ドラマで走ったことがなくて(笑)。今回、初めて走って、走りながらいろんな感情が湧いてきたことが印象に残っていますね。

【佐藤】あのシーンは本当にきつかったです。1回のテイクで走る距離が結構長くて、それを何回もやったので。僕はわりといろんな作品で走らされる方なんですけど、その中でもけっこうたいへんでしたね。筋肉痛になりました。阿部さんは大丈夫かな?と思っていたんですけど、ポーカーフェイスでいらっしゃるので(笑)。

【阿部】半年苦しみました(笑)。歳を取ると後からくるもんで(笑)。

【佐藤】僕は阿部さんと共演したシーン全てが印象に残っています。

――映画オリジナルの設定として、利根と笘篠が2011年3月11日、宮城県内の同じ避難所にいたことになっていますね。震災を真っ向から描こうと、ほぼオール宮城ロケを敢行。発災直後の避難所なども再現して撮影が行われました。

【佐藤】本当に撮影できるか、微妙だったんですよ。クランクインが予定されていた昨年4月に緊急事態宣言が発令されて、撮影が延期になってしまって。でもあきらめずに、みんなで再始動の可能性を探って、地元の方々も協力してくださって、宮城で撮影できることが決まった時はすごくありがたいことだと思いました。同時に、撮り切るまでの約1ヶ月、誰も感染しないように、させないようにしなければいけないという緊張もありましたね。今以上に先が見えない状況で、みんな不安を感じていたと思いますが、撮影が始まってしまえば、僕がやることはいつもと変わらず、役に向き合うということだけでした。

――本作には、東日本大震災の復興とその影、生活保護の水際対策や不正受給のほか、税金という同じ支出処から刑務所では「最低限の文化的生活」が維持されるといった社会の矛盾や問題もたくさん内包されていますが…。

【佐藤】まさにそれが、出演する決め手になりました。原作を読んですごく考えさせられましたし、エンターテインメントとしても面白かったんですけど、この原作を映画化して今の社会に問いかける意義があると思いました。僕自身、生活保護というシステムについて詳しく知っていたわけではなかったので。利根を通して、理不尽な状況に追い込まれている人、悔しい思いをしている人、いろいろいらっしゃると思うんですけど、そういった人たちの代弁者となれたらいいのかな、と思ったんですよね。自分の今回の使命みたいなものはそういったところにあるのかな、と思っていました。僕が利根という人物に向き合った結果、共感してくれる人、何か感じてくれる人が現れたら良いなと思いました。

【阿部】震災から10年経って、映画で震災を描くということに意味があると思ったし、現地に行ってみないとわからないこともあるから、宮城で撮影できたのは良かったと思います。しかも現場に入って驚いたのは、発災直後の現地の様子を再現したセットを作っていただいたこと。作り物ではあるんですが、その壮絶さに目を見張りました。そこで考えることもたくさんありましたし、宮城に行ったことで気づくこともたくさんありました。

――映画のメッセージを受け取ってもらうために、映画館に足を運ぶ動機づけとして出演者は大きな影響力を持っていると思いますが、ご自身の影響力についてどう思われていますか?

【佐藤】もし、自分に影響力があるのだとしたら、それを世の中がよくなる方向に向けたいと思いますが、影響力があるかもしれないからって、それにビビっていたら何もできないですし、世間にどう思われるかを考えて作品を決めたり、自分の考えを変えたりすることがないようにしたいと思っています。

【阿部】僕も同じですね。どれだけ影響力があるのかわからないけれども、映画を観た皆さんが、どう思うか、どう考えていくか、それは皆さんのもの。僕たちはこの作品に限らず、人にどうしたら影響を与えられるか、できたらいい影響を与えたい、と思うぐらいで、あとは、自分は俳優ですから、役と向き合って、作品を成立させる、完成させるためにできることをするだけですね。

――泥水に顔を半分つけて絶叫したり、全身ずぶ濡れになりながら逃走・追走したり、おふたりが全身全霊で芝居に臨まれた気迫が映像からひしひしと伝わってきました。

【阿部】現場に入ったら、全力を尽くす。クランクインからアップするまで、毎日、朝から晩まで、自分はどう演じたら良いのか、何がベストか、何ができるのかと、ずっと考えていますね。それは自分との闘いみたいなもので、そのモチベーションというのは、映画をたくさんの人に見てもらいたいとか、映画を通して誰かのために役に立つことをしたいとか、そういうのとはまた違ったものなんですよね。

【佐藤】根底にあるのはいい作品を作りたいという欲求で、出ると決めたからには、中途半端なことはしたくないというか、カメラが回っている前でぬるい芝居をするわけにはいかないというか、俳優としてのプライドみたいなものがあって。いい作品にするためにやった方がいいな、と思うことはなりふりかまわず一生懸命やっちゃうんですよ(笑)。その繰り返しですね。

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