プレゼント・クーポンPRESENT COUPON

フェリアSNSSOCIAL

その他

「他人によく思われたい」こじらせた“営業スマイル”への疲弊、話題のマンガ描く作者の思いとは?

SNSでも話題となった漫画『営業スマイル男女』 (C)mako/LINEマンガの画像

SNSでも話題となった漫画『営業スマイル男女』 (C)mako/LINEマンガ

 「他人によく思われたい」という気持ちをこじらせ、職場での“営業スマイル”が癖になってしまった不動産営業の飯塚まりか。実は、“いい人”を演じるあまり、「オフモードでは反動で余計に疲れる」「褒められても“嘘の自分”だから素直に受け取れない」など自分の二面性に悩んでいた。ある日、街で偶然遭遇した元カレからの暴露で、同僚のデキる営業マンに素がバレたと思ったら、実は彼も“営業スマイル人間”で――。そんな2人の恋愛を描くLINEマンガで連載中の『営業スマイル男女』。ラブコメでありつつ、丁寧に描写される主人公の葛藤が多くの人の共感を呼びSNSでも話題に。この作品に込めた想いについて、作者・makoさんに話を聞いた。

【漫画】「オフモードくらい不細工でいさせて!」“営業スマイル人間”のウラに共感者多数で反響

■“営業スマイル”への疲弊は多くの人に身近、「世の中の縮図なのかもしれない」

――なぜ、“営業スマイル”を作品テーマにしようと思ったのでしょうか。

【makoさん】『営業スマイル男女』はTwitterマンガから始まったのですが、どんなテーマがたくさんの人の心に引っ掛かるか、バズるか、ということをまず考えて。身近で共感できることで、かつ私が想像できることで描いてみようと思いました。ちょうど知り合いにぴったりのモデルが存在していたのが大きかったです。きっとこんな人、今の世の中たくさんいるんだろうなと思ったので…。

――実際に、「すごく共感できる」「刺さる」と読者コメントでも多くの共感が寄せられています。また、作品内で「素を見せられる親しい相手ができない」「合コンをスムーズに断る言い訳に架空の彼氏をでっちあげる」「元カレに『一回分かるようになるとマジ気色わりいな』と罵られる」など、“営業スマイル人間”の葛藤が細かく描写されているのも印象的です。

【makoさん】“賃金が発生しないと表情筋がやる気を見せてくれない…”というセリフがあったのですが、多分みなさんが引っ掛かったのはそこだったのでは…?と思っています。これも先ほど言ったモデルの人が似たようなことを言っていたことから引っ張ってきています。やっぱり世の中の縮図かもしれない…。

――Twitterでの投稿から始まった同作ですが、LINEマンガ版では同僚と“契約恋人”になる展開など、ドキドキする設定がさらに足されたんですね。

【makoさん】LINEマンガ版で取り上げていただく流れになったとき、設定を盛って、契約恋人の流れや主人公たちのこじらせ具合、周りのキャラなどを追加して、新たな『営業スマイル男女』としてスタートしました! 始まった当初は「Twitter版の方が好きだった!」という声も届いていたのですが、連載が進んだ今は「こっちもまぁいいじゃん?」ってなってくれていたら嬉しいです。

――ついつい“いい顔”をしてしまう主人公ですが、makoさんご自身は主人公の性格に共感するところはありますか?

【makoさん】そりゃあもう! 人間ですから! でも年を重ねて、昔よりは誰彼かまわず営業スマイルはしなくなりました。主人公は多少なりとも分身ではあると思うので、彼女の取る行動は昔の自分がやっていた要領の悪い部分を大げさにした感じかもしれません。

――作中で描かれている主人公の言動は、元になったエピソードがあるのですか?

【makoさん】1話冒頭の、仕事終わりの主人公が酒を飲みながらグダってるシーンは、最初にお答えしたモデルになった人のリアルな姿です(笑)。また、本来なら自分でやるべき人の仕事を引き受けて残業をしているシーンも、実際の自分に起きた出来事です。でも、日々お仕事をしている方々は、こんなの日常茶飯事でもっとすごい不条理にさらされているんだろうなって思います…。あれ? あんまりプラス方面でのリアルエピソードがありませんね(笑)。

――実体験も参考にされていたんですね。ここまで共感を呼ぶことは予想していましたか?

【makoさん】あぁ…やはりみなさま不条理にさらされているんですね…。ここまでとは予想を超えましたが、その共感が漫画を読んで「わかる~!」となって、少しでも癒しの方向へ繋がるといいなと思います。

――主人公のようにこじれて過度に“営業スマイル”に徹してしまうのはどうしてでしょうか?

【makoさん】営業スマイルって向き不向きがあるのと同時に、できたからといって必ずしもいい印象になるとは限らないと思うんですよね。私はニコニコしていてもそんなに好かれるタイプではない気がしています(笑)。

――読者コメントの中でも「営業スマイルしたくてもできない」という方もみられます。

【makoさん】主人公たちは営業スマイルをすることで、他人が「この人、心地いいなー」と感じるオーラを出すことに成功している人なんだと思います。仮にリアルの世界にも同じ感覚の人がいるのなら、仮面を外すことがやめられなくて、こじらせ具合に拍車がかかっていくという流れになるのかも…と思います。とかなんとか言いましたが、基本的に嫌われるのって怖いから、優しくしようってなっちゃいますよね。「好きな人にだけ好かれればいーやー!」という境地に辿り着きたい…。

――営業スマイルと素のギャップのせいで、褒められても“作った自分”だと素直に受け取れない主人公ですが、“営業スマイル”をしてしまう人たちが抱える葛藤とは?

【makoさん】貼りつけた仮面が完璧で上手な人ほど、オフとのギャップが半端ないのかなと思うので、素の自分は求められてないんだって、どんどん思い込んでいっちゃうことでしょうか。主人公たちは、それでどんどん交友関係が狭くなり、素を見せられる相手がほとんどいないです。知り合いはいっぱいいるけど…って感じですね。

――そんな主人公に、同僚・戸田健也が「がんばっているのは本当だ」と営業スマイルを好意的に捉えるシーンが印象的です。この作品を通して、主人公のようについ“営業スマイル”をしてしまう人に伝えたいメッセージを教えてください。

【makoさん】営業スマイルって、決して悪いことではないと思います! たまたま入ったお店の店員さんが気持ちのいい笑顔をしてくれたら嬉しいし、「私も最大限いい客としてこのお店を利用させていただきます!」ってなります。誰かにいい印象を与えている時点でがんばっていると思うので、戸田の言葉はそんな人たちに作品を通して掛けてあげたい言葉です。

――makoさんはこれまでにも、さまざまなカップルの胸キュンストーリーを投稿しています。“営業スマイル”男女同士だからこその胸キュンポイントを教えてください。

【makoさん】素をさらせる者同士の、お互いにしか見せない、見せられない顔を軸に、これからも胸キュンポイントをどんどこ突いていきたいと思います。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【makoさん】担当編集さんがこの作品に“現代(いま)を生きるあなたに贈りたい”ってキャッチコピーつけてくれました。そんな風に、たったひとつのセリフでもシーンでもいいので、読んでくれた人の心に何かしら響くといいなと思って描いています。そして、キャラたちを見て、関係性を楽しんだり萌えてくれたりしたらめちゃくちゃ喜びます。それはもう幸せです。これからも頑張って参りますので、“営業スマイル”人間たちの物語を追ってあげてください!

ORICON NEWSは、オリコン株式会社から提供を受けています。著作権は同社に帰属しており、記事、写真などの無断転用を禁じます。

こちらの記事もどうぞ