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大森歩監督、主演の古川琴音を「『ガラスの仮面』の北島マヤを見ているよう」と絶賛

古川琴音主演『春』監督・脚本の大森歩(10月1日よりアップリンク吉祥寺ほかで公開) (C)AOI Pro.の画像

古川琴音主演『春』監督・脚本の大森歩(10月1日よりアップリンク吉祥寺ほかで公開) (C)AOI Pro.

 自身の経験をもとに、祖父を介護する美大生の心情を繊細に描いた映画『春』(10月1日よりアップリンク吉祥寺(東京)ほか全国で順次公開)の監督・脚本をつとめた大森歩に見どころなどを聞いた。

【動画】主演の古川琴音主演『春』特報

 3年間祖父と二人暮らしを経験し、美術大学を卒業後、現在はCMなどのディレクターとして活躍する大森監督。本作は、認知症が進む祖父に、イライラが募った主人公が思わずしてしまう行動など、監督が過去に抱いたであろう、他人には見せたくないような汚い感情も逃げずに描いた点などが評価されている。

 主人公・アミを演じ、初主演を飾るのは、連続テレビ小説『エール』(NHK)の主人公夫婦の一人娘役や『コントが始まる』(日本テレビ)の有村架純の妹役、映画『泣く子はいねぇが』、『街の上で』などで注目を集める古川琴音。

 祖父役は、20年間劇団東京ヴォードヴィルショーの中心メンバーとして活躍し、舞台を中心に活動をしている花王おさむ。『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(監督:大林宣彦)で被曝ピアノを演奏した加藤才紀子が、アミのアニメオタクの同級生・橋本役で出演している。

――本作の制作の経緯をお教えください。

【大森監督】予備校と大学1〜2年の時に、上京しておじいちゃんと一緒に暮らしていました。社会人になって7〜8年しておじいちゃんが亡くなった時に、当時、自分の中に気持ち悪さや吐き出したい気持ちとかがあり、映画で表現しようと、おじいちゃんと暮らしていた時のことを思い出しながら脚本を書きました。「映画を作りたい!」というより、おじいちゃんや自分に対して、モヤモヤする部分をひとつ形にしたいという気持ちが先でした。

――アミ役の古川琴音さんのキャスティング理由は?

【大森監督】アミ役では18歳から23歳位の女優さんから気になる女優さん3人にお会いしたのですが、自分自身が映画は初めてだったので、役にあってるとか雰囲気よりも、信頼できる、任せられるほどの役者さんに頼もうと思いました。古川さんに初めて会った時は、圧倒されました。上手い下手とかの次元ではなく、役が確実に存在していると思い、『ガラスの仮面』の北島マヤを見ているような気分になりました。当時古川さんはまだデビューしたばっかりだったんですけれど、古川さんに全部任せようと思いました。

――ジィちゃん役の花王おさむさんは、ご一緒していかがでしたか?

【大森監督】花王さんはキャリアも長く、舞台が多いので、全身で表現される役者さんでした。特に重要な独白シーンではアミに伝える説得力があって、言葉に重みを感じました。

――どのくらいが実話なんですか? 

【大森監督】一握りな気も、半分くらいな気もします。結構創作もあります。おじいちゃんとの二人暮らしは、実際は苦しいというより、もっと楽しかったです。

■どんな意見や感想も隈なくチェックします

――そうなんですね! どのシーンにもリアルがあったように感じました。

【大森監督】その時に思った「ムカつく」とか切ないとかそういう感情が大事だと思うので、事・物よりかは、空気の重さとか軽さに共感してもらえたらうれしいです。

――春から翌年の春までの話ですけれど、タイトルを『春』とした理由をお教えください。

【大森監督】もともと『家』というタイトルだったんですけれど、編集の途中で、『家』じゃないなと思いました。『家』というと家族という結びつきが強くなるし、閉鎖された檻の中に入っている気がして、見ていて逃げ場がなくなって苦しくなって嫌だなと思いました。春夏秋冬春という構成は考えていたので、人間の常として、「巡っていく」だとか、認知症だとかを感じさせられるのではないかと思いました。また、アミが大人っぽくなって、おじいちゃんが子どもっぽくなっていく話なので、「思春期」だったり、「青春」「色めき」…気持ちがワクワクすることにも使う「春」という言葉は、ちょうどいいなと思いました。

――劇中の広告のゼミで主人公・アミが作るチョコレートの広告のエピソードには、監督の本職が広告業だからこそ、日々感じている事が込められているのかと思いましたが、いかがですか?

【大森監督】私は油絵やアニメばかり描いていたので、大学で広告のグラフィックデザイン科に入っても、広告の事はわからずに、気持ちだけでデザインを制作していました。先生に怒られたり、「そんなんじゃダメだよ」と言われたことが多かったです。広告として表現することと、自分の内面を表現することは全然違って、美大だとその差を考えながら自分の道を考えていく人が多いと思います。最初、社会の一員として広告を作るということができなかったアミが、大人になる過程を描いています。

――アニメオタクの同級生・橋本に込めた思いはありますか?

【大森監督】本作のキャラクターは、私の仲の良い友達や自分自身がモデルになっています。みんな絵がうまかったり、何か表現するのが得意っていう状態で美大に入って、迷いながらやっていくんですが、18歳くらいから画風や作風が変わらない人がいて、そういう作家性がある人って一番強いと思うんです。売れる売れないではなく、好きなものがあって、好きなものを武器にしている人は少ないです。私の親友は、オタクではないですけれど、17歳くらいから描く絵や好きなものが全く変わらないので、そういう作家としての強さをモデルにしました。

――読者の方にメッセージをお願いします。

【大森監督】もし見に来てもらって、思うところがあれば、なんでもつぶやいていただけたら嬉しいです。Twitterが大好きなので、どんな意見や感想も隈なくチェックしますし、たまにリプしたりもします。人の意見に興味津々です。

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