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真田広之、LAに拠点を移して16年ますます高まる意欲「足跡を残していきたい」

原因企業チッソに補償を求めるため闘うリーダー、ヤマザキ・ミツオ役を演じる真田広之=映画『MINAMATA-ミナマタ-』(公開中) (C)Larry Horricksの画像

原因企業チッソに補償を求めるため闘うリーダー、ヤマザキ・ミツオ役を演じる真田広之=映画『MINAMATA-ミナマタ-』(公開中) (C)Larry Horricks

■映画『MINAMATA―ミナマター』インタビュー

 ジョニー・デップ製作/主演する映画『MINAMATA―ミナマター』(公開中)で、水俣病の原因企業チッソに補償を求めるため闘うリーダー、ヤマザキ・ミツオ役を演じる真田広之。海外に拠点を移して16年経ち、海外作品で英語のせりふを話している真田にも見慣れてきたが、「今回はひと言も英語を発していないです(笑)。全編、熊本弁(水俣弁)のみとなっています。方言も好きなので、とてもやりがいのある役でした」と話す。

【動画】映画『MINAMATA』日本版30秒予告

 熊本県水俣市のチッソ水俣工場による廃水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。この映画では、水俣病に苦しむ人々を世界的フォトジャーナリストのユージン・スミスが取材し、その現実を世界に知らしめた実話が克明に再現される。

 「オファーをいただき脚本を読んで、資料を調べ、これまで水俣病についてあまりにも知らなすぎた、そんな自分を恥じました。それが、出演を決めた原動力になりました。この映画を見てくださる方も、いろいろ感じるものがあると思います。かつて日本で起きて今も続いていること、世界でも同じようなことが起きていること、今後も起こり得ること、そういったことにどう対処したらいいのか、少しでも考えるきっかけになればと思います。まずは、エンターテインメントとして、ジョニー・デップ演じるユージン・スミスの生き様を見ていただいて、勇気を出して声をあげることが世の中を動かしていくことにつながるんだ、ということをお土産として持ち帰っていただけたらと思います」

 本作は、1970年代の熊本県水俣市を舞台にしているが、水俣の街そのものが、この50年の間に大きく変化していたため、水俣でのロケーション撮影はごく一部に限られ、残りはセルビアとモンテネグロで撮影された。真田をはじめ、美波、加瀬亮、浅野忠信、國村隼ら日本人キャストは現地へ行き、水俣市民を演じたエキストラの日本人は現地採用だった。

 「東欧の町で日本の原風景を見つけてくるのはすごいな、と思いました。何よりエキストラで集まってくださった在留邦人の方々が、日本を離れて何十年と経っている方でも日本人らしさを失ってなくて、むしろ日本で暮らしている人が失ったものまで持っているような、そんな大和魂みたいなものを感じられたのはうれしい驚きでした」

 海外で水俣を再現するにあたり、真田は“監修”のような役目も担っていた。ジョニー・デップも「ヒロさん(真田広之)は現場で若手俳優の手助けをしたり、スタッフをサポートすると同時に、内的に自分を見つめるという俳優としての仕事をこなしていることに感動を覚えました」と、初めて共にした現場での振る舞いを絶賛していた。

 真田は「ちゃんと1970年代の日本に見えないと、映画が台無しになってしまうと思ったのでいろいろ気を配りました。監督からも日本に関するものでおかしいと気がついたことがあったらチェックして助けてくれと言われていましたので、少し早めに現場に行って、小道具で使えるもの、使えないものを選別したり、旗やゼッケンの日本語をチェックしながら自分で書いたりしていました」と話す。

 海外作品で誤解された日本や日本人が描かれることは少なくないが、それを是正していくのも海外の現場で仕事する俳優の務めの一つだと真田は考えているようだ。

■米国で着実にキャリアアップ 大物たちとの縁を引き寄せる

 「海外に拠点を移して10年くらい経った頃にやっと芽が出てきたかなと思えるようになりました。ローカルのお店の店頭に並べてもらえるようになったかな、というところから、今は少しずつ全国チェーンのマーケットにも置いてもらえるようになった、そういう感覚があります。そうなってくると、ますます期待に応えていかなければならない。同時に、まだまだ守りに入らずにいろんな役柄、毛色の違う作品にも恐れずに飛び込んでいこうという思いが以前よりも広がった気がします。無謀にも海外へ飛び出していったんだから、いまさら守りに入ってどうするみたいな(笑)。当然、日本人として、日本人の役をやるときは、日本人らしさ、日本文化を守らなければいけないという自負は以前から変わらずにありますが、日本人じゃなくてもいい役にもどんどんトライしてみたいと思えるようにもなってきました。国籍不問の役を普通に日本人がやっている、そういうところに足跡をつけていくことで、今後、世界のマーケットで日本人が活躍できる場が広がっていくんじゃないか、そういう思いもモチベーションとして大きくなってきている気がします」

 海外で活躍する日本人俳優のトップランナーとしてリードしてきた真田は、世界のエンターテインメント界を担う人たちと一緒に仕事してきた。自身初のハリウッド作『ラスト・サムライ』(2003年)でトム・クルーズと共演し、『ラッシュアワー3』(07年)ではジャッキー・チェン、『ウルヴァリン:SAMURAI』(13年)ではヒュー・ジャックマン、さらにスティーブン・スピルバーグ製作総指揮の海外ドラマや『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)にも出演。本作でジョニー・デップと初共演を果たし、キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』最新作への出演が決まっている。

 「実際にお会いしてみると、高みにのぼった人ほど気さくで、懐が広くて、そして純粋にものを作ることにしか興味がないみたいな人が多い気がします。もちろん作品を完成させるためには清濁あわせのんで、いろんなことに対処していかなきゃいけないんだけど、純粋さを失っていない。そういう才能の持ち主たちと言えるかもしれません。何を作りたいのかがはっきりしていて、それが個性となって磨かれていき、どんどん唯一無二の存在になっていく。ビッグネームになっても純粋に作りたいものに向かって個性を磨いていける才能が多くの人をひきつけるんだと思います」

 撮影のため滞在しているカナダからオンラインで取材に応じてくれた真田からも、気さくさと、懐の広さと、エンターテインメントへの純粋な意欲が感じられた。

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