プレゼント・クーポンPRESENT COUPON

フェリアSNSSOCIAL

その他

あまりの惨状に「思わず二度見」、誰にも助けてもらえなかった地域猫の“運命”は?

妖怪のような姿だった地域猫、二度見ちゃん(写真:ねこけんブログより)の画像

妖怪のような姿だった地域猫、二度見ちゃん(写真:ねこけんブログより)

 飼い主がおらず、地域住民やボランティアがエサをあげている猫のことを地域猫という。ときには住民間で問題となったり、迷惑に思う人もいるだろう。だが、それでもひとつの命である。NPO法人『ねこけん』が保護した通称「二度見ちゃん」もまた、そんな地域猫だ。エサはもらえても、体はボロボロだったその猫について、代表理事・溝上奈緒子氏に聞いた。9月20日~26日は動物愛護週間。これまで特に反響の大きかった記事を再掲します。

【写真】「まるで別猫!」思わず二度見、妖怪のような地域猫がツヤツヤ仰天チェンジ

■まるで妖怪、悲惨な姿の地域猫「それがこの子の運命ですから」

 その姿は、まるで妖怪のようだった。体中にこぶのようなものがあり、とても普通の猫には見えない。保護に向かったボランティアメンバーが思わず“二度見”してしまったことから、この猫は「二度見ちゃん」と名付けられた。

 保護後によく見てみると、猫にぶら下がっていたこぶのようなものは大きな毛玉だった。「きっと動くたびに毛が引きつって痛かったでしょう」と、溝上氏が自ら二度見ちゃんの毛を剃った。身体中が毛玉になり身動きが取れずにいたようで、四肢の筋肉は落ち、神経にも異常が出てしまっていたと、ブログには悲しい現実が綴られていた。

 バリカンで慎重に毛が刈られ、ようやく毛玉の鎧から脱出。ケガしていた後ろ右足にも、治療が施された。「もう外には出ていかなくて良いんだよ」と優しく語りかけられ、『ねこけん』の保護猫になった二度見ちゃん。丸刈りでまるでスフィンクスのような姿だが、ご飯も食べられるようになった。

 二度見ちゃんの耳にはVカットが入っており、地域猫であることを示していた。Vカットとは、耳の先端がV字にカットされていることで、不妊手術を受けた目印。飼い主がいなく、地域住民やボランティアが見ている猫のことを地域猫という。

 溝上氏は、地域で猫の世話をしていた人に話を聞いたそうだ。

 「『こういう状態になってしまっていたのに、どうにかしてあげようとは思わなかったんですか? たとえ地域猫であっても、ご飯をあげているんだったら、きちんとケアをしてあげるべきじゃないんですか?』と、聞きました。するとその人は、『それがこの子の運命ですから』とおっしゃっていました」。

 確かに、餌をあげていたからといって、猫のすべてをケアできる人ばかりではない。だが、二度見ちゃんの姿は、あまりにもひどかった。溝上氏は「ならば、その運命を変えましょう。それもまたこの子の運命ですから」と言い切ったそうだ。

 やがて「二度見ちゃんのままではかわいそう」ということで、千代ちゃんと改名。久々にブログに姿を現した千代ちゃんには、以前の妖怪のような面影はなく、つやつやとした白黒の毛が生え、立派な白いヒゲがピンと立っていた。とても可愛くなり、あとは幸せな道へと進むだけ。誰もがそう信じていたさなか、千代ちゃんは体調を崩した。

検査の結果、千代ちゃんは極度の貧血であることがわかった。2回の輸血をするも体調は変わらず、その上、心臓に病があることも発覚。つらい現実だが、千代ちゃんが回復することは、今後ないと言われた。

 呼吸をラクにするため、酸素室の中で過ごす千代ちゃん。「免疫介在性溶血性貧血で、リンパ腫もあるなど、いろいろな病気が重なっていました。抗がん剤を飲ませ、支援していただいた酸素室で安定を保っています」とのこと。ブログには、「千代ちゃん大好きだよ。止まることのない流れる時間の中で、ゆっくり、ゆっくり過ごそうね」と綴られている。みんなに見守られた千代ちゃんは、気のせいかもしれないが、とても優しい表情をしているように見えた。

 預かりボランティアメンバーの元で懸命な治療が続けられたが、やがて限界は訪れた。緩和ケアをしながら、静かに過ごす日々。やがて千代ちゃんは、メンバーに手を握られ、虹の橋を渡っていった。誰にも手を差し伸べてもらえなかった千代ちゃんだが、最期はきっと幸せだったのではないだろうか。

 「地域猫の最後はこうなってしまうということを知ってほしい」、そう願う『ねこけん』の活動は、今後も続いていく。

ORICON NEWSは、オリコン株式会社から提供を受けています。著作権は同社に帰属しており、記事、写真などの無断転用を禁じます。

こちらの記事もどうぞ