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ロバート秋山を筆頭に“憑依系芸人”が続々CM特需…その背景は?

CM出演多数のロバート秋山 “憑依系芸人”の需要拡大の背景は (C)ORICON NewS inc.の画像

CM出演多数のロバート秋山 “憑依系芸人”の需要拡大の背景は (C)ORICON NewS inc.

 ある時は妻から洋服に消臭スプレーをかけてもらえない父親、またある時はバイト刀鍛冶役、ケンタウロス風の珍獣…ここ最近、ロバート・秋山竜次を起用したCMをよく見かける。秋山以外にも、『Indeed』の千鳥や『さとふる』の東京03など芸人のCM起用は増えているが、CMの世界観に芸人を寄せるというよりは、“それぞれの持ちネタに寄せた”アプローチの内容が多い。あらゆるストーリーのキャラになりきれる“憑依系芸人”たちは、今最も企業側から熱烈なラブコールが送られている。

【画像】秋山竜次と永野芽郁が“2人旅”ほか、横浜流星に安達祐実、冨永愛、中尾彬も出演の『クリエイターズ・ファイル』

■自身の世界観を“そのまま”投影 企業CMにも重宝される鉄板の憑依芸

 今最も企業CMにおいて需要が高いロバート秋山。ロバートとして『キングオブコント』2011年覇者はもちろん、個人としても故・梅宮辰夫さんの顔だけ写真を使い、体は日焼けした恰幅のいい自前のものを使う「体ものまね」や、トータル・ファッション・アドバイザーのYOKO FUCHIGAMI、子役・上杉みちなど、『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』で知られる「憑依芸」「なりきり芸」でブレイクした。

 CMでもその芸を生かし、『ファブリーズ』では濃厚すぎてちょっと鬱陶しいお父さん、『マイナビバイト』では落ち武者・師匠感がハンパないのに実はバイト…の刀鍛冶、色黒珍獣・秋山もすっかり定着した『Renta!』、三姉妹の両親(一人三役?)を演じる『マックデリバリー』等々、どれも強烈なインパクトを残しつつ、しっかりと商品アピールにも成功している。

 視聴者側にしても、秋山ならしっかり笑わせてくれるだろうという安心感があり、画面に登場しただけで、すでになんとなく笑えるといった“出オチ感”もたっぷり。しかも彼がうまいのが、ありがちな“誇張しすぎ”“やりすぎ”感をギリギリに抑え、「こういう人いるよな…」と思わせるリアル感をキープしているところ。それでいて、共演相手を“食う”ことなく(相手のよさを殺さず)、自分のキャラを最大限に活かすというバランス感覚も、彼の特異さである。

 しかしながら、その憑依力(演技力)を活かしてトレンドの“俳優芸人”として活躍するでもなく、あくまで「お笑い芸人」「ネタ」というスタンスを崩していないところは、ある意味ほかの芸人と一線を画しているといえるかもしれない。

■お笑いショーレースの隆盛とリンク? “ネタに寄せた”CMアプローチへの変化

 「お笑い芸人×CM」といえば、かつては“一発ギャグ”をそのままCMに流用、もしくはCMの世界観に無理やり寄せた、ある意味「人気があるだけで起用された」作品が大半を占めていた。だが、昨今では芸人のネタの流れや芸人の世界観にCM側が“寄せる”流れがトレンドとしてあるようだ。

 例えば、『ライフネット生命』では、博多華丸大吉や和牛などが出演し、バラエティ番組の一場面をそのまま切り取ったようなCMを展開。『ヒルナンデス』(日本テレビ系)では番組放送の合間に入り、レギュラー出演者がそのまま番組セットを使い、一体となって出演するというような演出も。

 求人情報専門の検索エンジン『Indeed』では千鳥がネタ・コントそのままのCM構成となっている。そこから派生した「Indeed CMオンエアバトル2021」では、ジャルジャル、かまいたち、チョコレートプラネット、ニューヨークの4組がネタを競い合うという企画を実施。ふるさと納税ポータルサイト『さとふる』には、東京03が出演。実力派ならではの、脱力系コント風CMを展開している。

 とはいえ、このような傾向は今に始まったわけではない。数年前に流れていたダウンタウン・松本人志が神様やさまざまな職業に扮する『タウンワーク』のCMも、『ごっつええ感じ』(フジテレビ系)のコントを彷彿とさせる内容だったし、さらに2008年のオードリー出演の任天堂CMでは、『M‐1グランプリ』(テレビ朝日系)で一世を風靡した“ズレ漫才”をそのままCM上で披露していた。

 つまり、芸人たちのネタに寄せたCMというのはここ最近に始まったものではなく、すでに10年以上前からある手法なのである。そして、こうした流れは『M‐1グランプリ』や『キングオブコント』(TBS系)の隆盛時期と見事にリンクしている。

■増える「芸人×俳優」の夫婦役CM 芸人の社会的地位の向上で“違和感”を払拭

 そんな中、ここ5年ほどのCMで増えてきたトレンドがもう一つある。お笑い芸人と人気俳優が“夫婦役”になり出演する例だ。たとえば、飯尾和樹(ずん)×田中みな実、ロバート・馬場裕之×吉高由里子、ハライチ・岩井勇気×伊藤沙里、渡辺直美×西島秀俊などなど、多数の芸人たちが人気俳優たちと夫婦を演じてきている。

 この状況に、ひと昔前なら俳優側のファンから「なんで…?」と批判の声が上がりかねないが、今では「意外にお似合い」として、むしろ美女(イケメン)と芸人の夫婦という“ギャップ”が、親近感と好感度を抱かせる環境にまでなっている。“芸人×俳優”のリアル夫婦でいえば、南海キャンディーズ・山里亮太と蒼井優も頭をよぎり、少なからず影響を感じずにはいられない。

 現在、情報番組やクイズ番組において、芸人がMCやコメンテーターを務めるのは当たり前。俳優としてドラマに起用されることも、すでに一周している。もはや、ネタと離れたシチュエーションでも活躍できることが実証され、芸人のいわゆる社会的地位も向上した。そして同時に芸人のネタやコントの“価値”も再認識されつつある今、「芸人の本来の姿を活かす=ネタに寄った」CMが増えているのも当然の流れなのかもしれない。

 そしてこうした傾向は、芸人のわかりやすい一発ギャグなどを取り入れるという表層的な戦略よりも、練られたネタの本来の面白さとリンクしたCM作りを重視したほうが、広告クライアントのイメージアップにもつながるという実績主義、つまりCMの在り方という点において“原点回帰”ともいえるかのしれない。

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