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沢田研二単独主演、映画『土を喰らう十二ヵ月』1年半かけて撮影 来年秋公開予定

沢田研二の単独主演映画『土を喰らう十二ヵ月』2022年秋に公開予定 (C)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会の画像

沢田研二の単独主演映画『土を喰らう十二ヵ月』2022年秋に公開予定 (C)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

 急逝した志村けんさんの代役として、公開中の映画『キネマの神様』(山田洋次監督)で菅田将暉とダブル主演を務めた歌手の沢田研二。実は『キネマの神様』に出演することなる以前から、単独主演作として撮影を開始していた映画『土を喰らう十二ヵ月』が、今年7月にクランクアップし、2022年秋に公開予定であることが明らかになった。

【写真】料理研究家の土井善晴

 『土を喰らう十二ヵ月』は、昭和を代表する作家・水上勉によるエッセイ「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」(新潮文庫)を原案に、中江裕司が監督・脚本を手掛け、劇映画に仕立てたもの。沢田は、人里離れた長野の山荘で一人、山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている作家ツトムを演じる。

 原作は、1978年(昭和53年)、雑誌「ミセス」の1月号から12月号に連載された。水上は、女性編集者のすすめで、約1年間にわたり軽井沢の山荘にこもる生活を送る。畑を作り、京都の禅寺に奉公していた少年時代に培った料理を自ら作り、自然と共に暮らす日々を文章にまとめて発表。季節の旬のもので作る、質素でありながら、たまらなく豊かな料理が楽しめる料理本であり、文章で土の匂いを忘れてしまった日本人の味覚を刺激する。43年前の作品でありながら、今でも多くのファンに愛される名著だ。

 映画の撮影も日本の里山を舞台に四季の移り変わりを描く作品ゆえに、1年を予定していた。2020年2月から撮影を開始したが、新型コロナ・ウィルスの蔓延という事態が起きる。幾度も撮影延期と再開を繰り返し、ようやく今年7月26日にクランクアップを迎えた。

 1年6ヶ月に及んだ撮影が終ったクランクアップ時、沢田は「本当にながい、ながい、ながい撮影でしたけれど、本当の意味で超大作になるように期待しております。本当にお世話になりました。ありがとうございました」と、万感の思いを込めて感謝の気持ちを伝えた。あいさつ後、愛犬を演じた“もも”の頭を何度も撫で別れを惜しんでいたそうだ。

 そして、本作のもう一つの主役といえるのが、ツトムが作る、畑の野菜や、その地の旬のものを生かした料理であり、日本の生活に根付いた食事の数々。そこで白羽の矢が立ったのが、料理研究家の土井善晴だった。脚本の中で描かれた料理をどう作り、どう盛り付けるか。中江監督と打ち合わせを繰り返し、ツトムの料理を具現化していっただけでなく、沢田に料理や手さばきの指導、器選びなど、本作の細部に土井の感性が生かされている。

 本作で初めて映画で料理を手掛けた土井は「なにしろ、沢田(研二)さんとご一緒させていただいたことが、とても光栄な事でした。そして “土”と生活がつながっている感じが細部にまで現れていて、監督の思いが伝わってきました」と、話していた。

 ちなみに、本作の中に出てくる畑や食材の多くは、スタッフが撮影現場の近くに住み込み、農家の方々と協力しながら、作り上げたものとのこと。この一年半、世界がコロナ禍におちいり、今までの多くの常識が覆されてきたが、本作で描かれる“土を喰らう“という言葉が表す、自然の中でその地で育った豊かな恵みを食し、季節の移り変わりと共に暮らすという世界観は、コロナ禍にあっても、ポストコロナの時代が来ても、ゆるぎないものであるに違いない。

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