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『六番目の小夜子』が教えてくれた NHKプラスと「深夜のイッキ見!」再放送の親和性

「深夜のイッキ見! まつり」で番組放送前に1分間のPRミニドラマ『天空のシェアハウス』を放送 (C)NHKの画像

「深夜のイッキ見! まつり」で番組放送前に1分間のPRミニドラマ『天空のシェアハウス』を放送 (C)NHK

 NHKではこの夏、総合テレビ(地上波)の深夜帯とNHKプラスを連動させた新たな視聴体験の創出に力を入れていた。その名も「深夜のイッキ見! まつり」。過去に放送されたドラマやドキュメンタリーを深夜に“まとめて”再放送。さらに、NHKプラスでパソコン・スマホから同時&見逃し視聴ができることをアピールした。ネット上での話題を生み出し、地上波のリアルタイム視聴もNHKプラスでの視聴も増加させるスキーム(仕組み)として、手応えを感じているようだ。

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 NHKプラスは、受信契約者であれば追加の負担なく、パソコンやスマートフォン、タブレットで、総合テレビやEテレの番組を放送と同時に視聴できるアプリ。見逃し番組配信も行っており、放送後から1週間はいつでも視聴できる(※地域の番組の一部は最長2週間配信、同時・見逃しのいずれにおいても権利上の都合などで、番組のすべてや一部が配信されない場合もある)。本格的に運用を始めたのは2020年4月。今年の夏は、NHKプラス誕生後、初めてオリンピックが開催され、日本の選手の活躍もあり、利用者数が急伸したそうだ。

 NHKプラス編集長の松井奈保子氏(以下同)は、「1週間単位の集計でこれまでの最高は『紅白歌合戦』の週だったのですが、オリンピック期間中はそれを大きく上回りました。オリンピック・パラリンピックを見るためにNHKプラスを利用される方が増えることは予想していましたので、この機会にもっとNHKプラスの価値増大に向けて取り組んだのが『深夜のイッキ見! まつり』でした。実際、オリンピック期間中は、日中に行われた競技を夜に見たり、メダルを取った瞬間を見逃し配信で見たり、『深夜のイッキ見! まつり』で放送した番組も多くの方にご覧いただけました」と、手応え十分の口ぶりだ。

 「深夜のイッキ見! まつり」では、さまざまな視聴傾向の分析などをもとに、ネットユーザーに“刺さりそう”な親和性の高い番組を念頭に置きつつ、「NHKの多様性」も考慮してラインナップを組んだ。再放送する番組を紹介する1分間のPRドラマ(今野浩喜、小野花梨、小野塚勇人が出演)まで作る力の入れようだった。

 オリンピック開会式前日の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』総集編(※日中に放送)を皮切りに、連続テレビ小説『おかえりモネ』総集編 前編(※日中に放送)、ドラマ10『トクサツガガガ』(全7回)、2000年4月~6月にEテレで放送された『六番目の小夜子』、大河ドラマ『青天を衝け』総集編、昨年暮れに放送され大反響だった特集ドラマ『岸辺露伴は動かない』などのドラマを中心に、BS1スペシャル『さようなら全てのエヴァンゲリオン 〜庵野秀明の1214日〜』や『香川照之の昆虫すごいぜ!』傑作選(※Eテレで日中に放送)、NHKスペシャル「ヒロシマ“戦争を考える”特集」「戦争特集」、『映像の世紀』、『ドキュメント72時間』などのドキュメンタリー・教養番組も再放送された。

 特に反響が大きかったのは、『六番目の小夜子』だった。鈴木杏、栗山千明、山田孝之、勝地涼、松本まりか、山崎育三郎などが10代の頃に出演していた学園ドラマで、全12回を7月30日深夜(=31日午前)から3夜連続放送した。

 「現在多くの作品で活躍している俳優たちの若い頃の姿を見たら、SNSでいろいろ発信したくなるのではないか、深夜でもSNSで話題になるのではないか、と思いました。SNSで話題になった番組を後から見たいと思っても見られなかったものが、NHKプラスの見逃し番組配信で放送後1週間は見ていただける。まとめて再放送したことで、全12回を放送後、5日間は全話イッキ見もできる状態を作ることもできました」

■「まとめて再放送」で話題喚起を促す

 『映像の世紀』(全11集)も反響があったという。映像発明100周年記念番組として制作、1995年3月から96年2月にかけて放送されたドキュメンタリー番組だ。

 「25年前の番組がどれだけ話題になるか、読みきれないところもあったのですが、深夜の放送でも、NHKプラスでも、予想以上に多くの方にご覧いただき、SNSでも話題になりました。もしかしたら集中して再放送したのがよかったのかもしれません。これは、私たちにとっての発見というか、過去の番組の中に、意外と今の視聴者に興味関心を持ってもらえるものがある、NHKの映像資産とも言うべきものを再認識させてくれました」

 総合テレビの深夜に過去の番組を再放送すること自体は通常でもやっていること。その中でも改めて視聴者の関心を引き、SNSで話題が拡散され、NHKプラスの利用者も増やすには、「まとめて再放送」するというのは一つの新しい鉱脈かもしれない。

 NHKプラスで番組が「いつでもどこでも見られる」のは、総合またはEテレで放送後、1週間という制約があるので、まとめて再放送すると、配信でもまとめて観ることができる。この“まとめて見られる”ことが、何かと忙しい視聴者には便利だし、特にドラマは“結末を知りたいニーズ”にも応えられる。何より、ほかの動画配信サービスで「イッキ見必至」=見始めたら止められない、見て損はない面白い番組のお墨付きのイメージが定着している今、視聴のモチベーションも高めてくれる。

 この夏の「深夜のイッキ見」に先駆けた6月、俳優の千葉雄大が主演するドラマ『いいね!光源氏くん し~ずん2』(全4回)の放送に合わせて、NHKプラスでは「#ちば友集合」というプレイリストを作り、千葉が出演した過去の番組を集中的に再放送することで、配信中の番組を増やし、『いいね!光源氏くん』のほかに、『逆転人生』や『あさイチ プレミアムトーク』、『夢の本屋をめぐる冒険』などがプレイリストに並ぶ状態を作って、ちば友(千葉雄大ファン)の集客をはかったことがあった。

 「『いいね!光源氏くん』は、シーズン1から放送でもNHKプラスでもよく見られたドラマだったんですが、プレイリストに並べたほかの番組もハシゴ見してくださった傾向が見られ、通常の再放送時よりも反響がありました。こうした、人物を軸にした取り組みも折りを見てトライしていきたいと思っています」

 再放送枠と連動し、NHKプラスの活用域が広がることは、利用者側にとっても“プラス”になることは間違いない。今後も、NHKの“イッキ見”は要チェックだ。

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