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“透かし彫り”を施したガンプラに「プラモの域を超えてる」「もはや芸術品」 歴史的な仏像から発想したモデラーが“彫る”理由

ガンダムグシオンに”透かし彫り”を施した『蒼鬼灯』(アオホオズキ) 作・画像提供/ノールス氏 (C)創通・サンライズの画像

ガンダムグシオンに”透かし彫り”を施した『蒼鬼灯』(アオホオズキ) 作・画像提供/ノールス氏 (C)創通・サンライズ

 ノールス(@chacknoress)さんは、ガンプラを“彫った”作品の工程や完成型をSNSに投稿。他にない唯一無二の作品でガンプラファンの間でも話題となっている。そんな同氏の最新作は、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するガンダムグシオン。通常、緑と紫で構成されている機体に、メタリックブルーと金の塗装と、“透かし彫り”を実施。年代物の彫刻や茶器を彷彿(ほうふつ)させる作品に、SNSでは「凄すぎて言葉が出ませんwwwwww」「凄ええ!プラモの域を超えてます」「もはや芸術品」と賞賛の声があがった。そもそも、なぜガンプラを“彫ろう”と思ったのか、同氏に話を聞いた。

【比較写真】原型は面影だけ…『透かし彫りグシオン』比較するとよくわかる下書きから完成型までの工程

■雷神をモチーフに、悪鬼ではなく鬼神・守護者のようなイメージで制作

――ガンダムグシオンを“彫って”制作した『蒼鬼灯』(アオホオズキ)がSNSで話題となりました。そもそも、なぜ、ガンダムグシオンをモチーフにこのような作品を作ろうと思われたのですか?

【ノールス】単に売場で余っていたからですね。グシオンは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』で悪役が搭乗する機体、あまり人気がなかったと思うんです。逆にそういうのを仕立てるのも面白いかなと思いました。

――なるほど。本作の“彫り”のイメージは、どのような発想から生まれたのですか?

【ノールス】武器がハンマーなので雷神をモチーフにし、悪鬼ではなく鬼神として、守護者のようなイメージを元に彫りのデザインをしました。こうした彫りの作品を制作する際は、ネットで建築物やレリーフなどの資料を見たり、近くのお寺や神社を巡ったりしてデザインの参考にしてます。

――ひとつひとつの彫りが非常に細かく、丁寧な仕事ですが、苦労したところはどのようなところでしょうか?

【ノールス】グシオンは、ボディのパーツが予想以上に大きく、デザインも彫りもかなり苦労しました。大きめのパーツが多かったので肩に文字を彫って、デザインが単調にならないようメリハリをつけました。

■円空の仏像からインスピレーション「彫るのはプラモでもいいんじゃないか」

――このグシオンも含めて、これまでに4体の“彫り”作品を作り上げたと伺いました。そもそもこういった作品を作り始めたきっかけを教えてください。

【ノールス】去年11月に岐阜を小旅行しまして、何げなく立ち寄った千光寺で『宿儺像』(すくなぞう)を観たことですね。

――岐阜県指定重要文化財となっている僧・円空が彫った木造の像『像高左両面宿儺』ですね。そこで受けたインスピレーションが、ガンプラとどうつながってくるのでしょうか?

【ノールス】荒々しく削られた像の前に、今も円空上人がいてノミやナタをふるっているような、不思議な感覚でした。何百年も前の人が彫り上げた像が今もそこにあり、何かを語りかけてくるような気さえして衝撃を受けました。
 その時に小学生の頃は版画とか木像彫刻が好きだったことを思い出し、自分のモノづくりの原点がここにあるんじゃないか、彫るのは別に木じゃなくて、プラモでもいいんじゃないかと思いました。

――その経験が、唯一無二の作品を生み出す原点になったわけですね。もともろこういった和の芸術作品が好きだったんですか?

【ノールス】和というかオリエンタルな雰囲気が好きですね。高校で世界史を習って、アンコール・ワットやアジャンター石窟寺院など参考書の写真を観て、独特のデザインに惹かれました。日本の寺院や神社・仏像などはデザインもそうですが、近所の神社も何百年も前からあったりする。そういうロマンというか魅力なのだと思います。

――現代に残るものを観てこれまでの歴史にロマンを感じるわけですね。ちなみにガンプラの“彫り”はどのような工程で作られるのですか?

【ノールス】全体的なイメージは予め脳内で膨らませておいて、プラモのパーツにイメージしたデザインを鉛筆で下書きし、全身のバランス見ながら彫り進めてます。デザインも彫り方も手探りでやっているので一体につきだいたい3ヵ月かかってます。

――こうした作品を制作する際、ベースとなるガンプラはどのように選ばれているのですか?

【ノールス】透かし彫りという性質上、どうしても強度が下がるのでフレームとアーマーが別になっているキットを中心に選んでます。サイズもHGくらいが丁度いいので『鉄血のオルフェンズ』のキットが一番適していると思います。

――“彫る”際に心がけていることをお教えいただけますか?

【ノールス】第一に怪我をしないように。あとは「失敗しても別にいいかな」くらいの軽い気持ちで彫ってます。

――ガンプラには、史実に基づいてリアル思考な方、if設定で物語を編む方、全く別の世界観で作る方など、さまざまなモデラーさんがいらっしゃいますが、ノールスさんはどのような信念で制作されていますか?

【ノールス】ガンプラは手のひらサイズの模型という玩具です。その限られた大きさに自分の中にあるイメージというか世界を表現して、見る人の心を動かすことができればな、と思って制作しています。仕事の時以外ほとんどガンプラいじっているので、私にとっていまやライフワークですね。

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