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「どっこい生きてる!」病気があっても諦めない、保護猫が起こしたミラクル

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「長く生きられない」と言われた強駿丸(写真:ねこけんブログより)

 NPO法人『ねこけん』には、多くの保護猫が引き取られてくる。保護された時点で病気を抱えている猫も多いそうだ。だが、病気があっても、適切な治療とボランティアメンバーたちのケアによって、奇跡の復活を遂げる猫もまた、たくさんいる。「長くは生きられない」と言われた子猫、致死率ほぼ100%の病を抱えた猫。諦めなかったメンバーと猫たち、そのいきさつを代表理事の溝上奈緒子氏に聞いた。

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■肥大化する心臓に「長く生きられない」、24時間体制のケア生活で起きた“子猫のミラクル”

 強駿丸は、とある家で生まれたところを保護されてきた子猫。すぐに新たな家族が決まったが、しばらくして「呼吸がおかしい」との連絡が入る。動物病院で診察してもらうと、心臓に異常が見られ、肺にも水が溜まっているとのこと。病名は、僧帽弁狭窄症による肺水腫。獣医師からは、「この子は長くは生きられない」と宣告されたという。

 サードオピニオンまで受けたが、返ってくるのは芳しくない回答ばかり。第一、強駿丸の小さな体では手術にも耐えられず、海外では安楽死を視野に入れることもある、とまで言われた。「少なくとも体重が2キロ以上ないと手術はできません。結局、手術をしてリスクを取るよりも、最後まで普通に過ごさせてあげたほうがいいよというアドバイスをいただきました」。

 呼吸は荒くなるものの、元気も食欲もある強駿丸。諦められない、希望は捨てたくない。しかし、強駿丸の小さな心臓はさらに肥大化していき、厳しい現実を突きつけられる。そんな中、心の支えになったのが『ねこけん』でいつもお世話になる獣医師の「子猫さんにはミラクルがありますから」という言葉だった。その言葉にほんのわずかな希望を見い出し、強駿丸は『ねこけん』メンバーの家で24時間体制のケア生活を始めることになった。

 「確かに、子猫のミラクルってあるんです。もう無理だっていう状態から元気になった例をこれまで何度も見てきました。大人の猫だったら100%亡くなっているだろうというところから、助かった子猫はたくさんいます。子猫って、すごく不思議な存在なんですよね」。

 メンバー宅で愛情をたっぷり受け、毎日の投薬や点滴をしながら、仲間の猫たちと過ごす強駿丸。すると、いつの間にか酸素室を出て、家の中を動き回り、おいしそうにご飯を食べる。キャットタワーにも登れるようになり、弱々しかった表情も見る影もなくなっていく。そして、体重は目標の2キロに到達。呼吸が苦しそうになるときはあるものの、「長く生きられない」と言われた強駿丸は、着々と成長していた。まさに、“子猫のミラクル”が起きていたのだ。

 「今では普通の猫と同じように成長し、体重も5キロまで増えちゃって(笑)。以前、診ていただいた先生にも、とても驚かれました。体が大きくなった分だけ心臓も大きくなったため、もしかしたら少し血の流れが良くなったのかもしれないとおっしゃっていました」。

 長くは生きられないかもしれず、里親の募集もかけなかった強駿丸は、いま仲間の猫や犬たちとゆったりとした生活を過ごしている。僧帽弁狭窄症が治ったわけではないが、死を待つことしかできなかった強駿丸は“子猫のミラクル”を起こし、元気いっぱいに生きている。

 “おかっぱP太郎”は、その名のとおりおかっぱ頭のような模様のイケメン猫。P太郎もまた、新たな家族に迎えられたものの体調を崩し、『ねこけん』に出戻った。病院に連れて行くと、FIPを発症していると診断された。

 FIPとは、多くの日本の猫が持っている猫腸コロナウイルスが突然変異を起こし、強毒化したもの。「FIPは、100頭に1頭という確率で発症すると言われています。このウイルスは腸内にいる限り、悪さはしないんです。もっと言ってしまえば、食道から肛門にいるときは悪さはしません。だけど、そこから体内に入り込むことで変異を起こし、FIPという恐ろしい病気になってしまうんです」。

 FIPは致死率がほぼ100%の病であり、それを治療するためには、海外で販売されている未承認薬を取り寄せ、84日間、飲ませ続けなければならない。もちろんお金はかかるが、「この未承認薬によって、FIPは死に至る病ではなくなる可能性が高くなる」と、溝上氏は治療の道を選んだ。

 長期間の投薬は猫にとってもケアをする人にとっても大変なことだったが、早く治療が始められたことが幸いしたようで、P太郎はみるみる元気を取り戻していった。毎日同じ時間に1日も欠かさず投薬を重ね、細かく体調を見守られたP太郎は、既定の期間投薬を終えると、病状はほぼ寛解。こうなると、根っから能天気で明るい性格のP太郎は、もはや悲壮感ゼロ。すっかり元気な若猫となり、かかった経費も時間も心労も、すべてを吹き飛ばしてくれたようだった。

 「基本的に、猫腸コロナウイルスが腸から体内に入り込んでも、ウイルスを叩ける免疫力があればFIPになることはありません。ただ、自己免疫がしっかりしていないと、猫腸コロナウイルスが強い病原性をもつ強毒株に体内で突然変異、結果としてFIPになってしまいます。そのため、自己免疫がまだ形成されていない子猫や、衰えている老猫が発症することが多いんですね。まれに大人の猫がかかることもありますが、それはストレスによる自己免疫の低下が影響しているようです。例えば、多頭飼育崩壊でストレスが溜まってしまったとき、不妊去勢手術やワクチン接種で自己免疫が落ちてしまったとき。そういったことがきっかけで、FIPを発症することがあります」

 “死の病”に苦しみ、投薬治療を乗り越え、FIPに打ち勝ったおかっぱP太郎。その後、すべての事情を知り、受け入れてくれる新しい家族との出会いもあった。今、P太郎は新たな場所で、のんびりと幸せな時間を過ごしている。

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