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暗いイメージを持たれがち… 全盲である自身の生活をSNSで発信「すごく楽しく過ごせています」

浅井純子さんと盲導犬ヴィヴィッドくん 撮影/オオツキwayタイジの画像

浅井純子さんと盲導犬ヴィヴィッドくん 撮影/オオツキwayタイジ

 YouTubeやTwitterを通して、盲導犬や全盲である自身の暮らしを伝える活動をしている浅井純子さん。現在48歳の浅井さんは、30歳までは健常者として生活していたが、2019年に病で完全に視力を失った。それでも、盲導犬のヴィヴィッドくんとの生活は「すごく楽しい毎日を送っている」と語る。“全盲の世界を超ポジティブに生きる人”と自ら名乗り、SNSで積極的に活動する理由を伺った。

【写真】幸せそうに笑う浅井さんと盲導犬のヴィヴィッドくん「笑顔が素敵すぎる」

■“盲導犬入店拒否”に不満漏らしていた時期も…「これからも知っていただく機会を増やしたい」

――浅井さんはYouTubeやTwitterなどで多くの情報を発信されておりますが、視覚障がいを持つ方はどのようにSNSを利用しているのでしょうか。

私の周りにいる人は私と同じ年代の方が多いのですが、みんなネットを使いこなします。スマホの音声読み上げ機能がありまして、それを駆使しています。視覚障がいを持つ人達のライングループもあったりしますし、TwitterなどのSNSを通じて多くの情報を得ることができたり、発信されている方も多いんです。それで情報を共有している人は多いですね。

――浅井さんはTwitterで毎日発信されていますよね。

私の場合はTwitterを発信のみに使っていて、これからも知っていただく機会が増えればと思っています。また、SNSで多くの方とつながることによって学ぶことも多いですね。

――SNSを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

元々、盲導犬との生活を知ってもらうYouTubeを制作するため、クラウドファンディングを行ったことがあるのですが、思った以上の反響がありました。そんな中、私の周りの方から勧めがあり、「絶対やったほうがいい」って言われて。今年の3月あたりから本格的にTwitterを始めました。最初は自分の想いばかりを書いてしまうことも多かったのですが、「こんな書き方をしたらいろんな方に伝わるよ」といったアドバイスをもらったりして、投稿を続けています。

――投稿するのに苦労することもあるのでしょうか。

音声入力機能で文字を入力するのですが、変換ミスがたまにあるので、一文字ずつ読み上げるモードで、漢字などの間違いがないかチェックして投稿するようにしています。今は多くの方が投稿を見てくださっているので、細かいところにも注意していますね。また、私のツイートに反応してくださった方には、できるだけコメントするようにしているのですが、音声読み上げ機能ですと、一番上から順番に読み上げる形なので、何かのタイミングで一番上に戻ってしまうと、また一番上からになってしまって時間がかかってしまうこともあります。慣れましたし、それが苦痛とは全く思っていないんですが、周りから見たら、「こんなことしてるの?」って思われるようなことをしているのかなとは思います。

――視覚障がいを持つ方の情報を伝えていくにあたって、気を付けていることはございますか。

こちらの要望ばかりを受け入れてもらおうとしないということですかね。たとえば、盲導犬を連れた方が入店拒否をされることがたまにあるのですが、それをそのまま入店拒否をされるってことばかりを取り上げて、こちら側の不満ばかり発信してしまっていたことが私にもありました。でも、「確かに動物がお店に入るのは想定していないし、どのように盲導犬が待機するのかもわからへんから、拒否するのは当たり前やな」と思って。私たちに関して情報を知らないのに、やってくださいって言うだけでは難しいと思うんです。だからお願いするだけじゃなくて、「盲導犬はこんな特徴があって、私たちはこんな風に生活しているということを知ってくれたら嬉しいです」という風な伝え方をするようにしています。

■コロナ禍における社会の変化を認識できない「見えていた時の世界を想像してしまう」

――現在、“ソーシャルディスタンス”や“消毒”などがマナーになりつつあります。視覚障がいを持つ方はその変化に対応が難しいという意見も耳にしますが、浅井さんはこのような社会の変化に対して、どう思われていますか。

弱視(目が見えにくい)と全盲(目が見えない)の違いもあると思うのですが、私は全盲で、みんながマスクをしている姿が想像できていないんですよね。見えていたときの世界をどうしても想像してしまっているから、社会がどう変わっているのかということもあまり認識できていないんです。消毒液の場所が分からないということも多いのですが、誰かの手引きで出歩くときは、絶対人の後ろを歩きますし、エレベーターのボタンも押してもらうことが多く、あまり接触を気にする機会は少ないんじゃないかと思います。

――2016年から盲導犬のヴィヴィッド君と歩くようになったそうですが、盲導犬と暮らしてみて、生活はどのように変わりましたか。

ヴィヴィッド君がいることによって、いろんな人と話すきっかけになりましたね。やっぱり、障がいを持ってる人に話しかけるのは難しいと思うんですが、この子がいてくれるおかげでたくさんの人が私のことを覚えてくれていたり、「可愛いですね」と話しかけてくれることが多いなと思います。おかげでいろんな方と交流する機会が増えました。

――今、一番楽しいことは何ですか。

社交ダンスですかね。今月、舞台のオープニングアクトで踊るのですが、そのために練習するのが楽しみです。今回の社交ダンスは、あまりやらない全盲同士の社交ダンスを発表するんです。練習も家の中で行っていて、コロナ禍でもそういうチャレンジをさせてくれる方がいらっしゃるというのはとても恵まれていると思います。

――盲導犬ユーザーとして読者に知っておいてほしいことはございますか。

歩いている最中に、盲導犬に話しかけてきてくださることがあるんですが、実は遠慮していただきたいことなんです。歩いているときは私の指示に対して道を案内してくれていたり、私とコミュニケーションを密にとって一生懸命考えてくれているときなんです。まったく悪気がないことは承知なのですが、その時に話しかけてしまうと、声をかけてくれた方とコンタクトを取ったりして、盲導犬の集中が切れてしまって立ち止まってしまうんです。そうなると、私もどこまで指示を出していたのか、今いるところはどこなのかということが分からなくなってしまうんです。

たいていの方は知らないので、声をかけくれる方もしょうがないのかなと思います。だからこそじゃないですけど、SNSを通じて私たちのことを知ってくれるように、発信し続けていきたいと思いますね。私と出会ったり、私のSNSを見てくれたりすることで、普段見逃していたり、気が付いていなかった身の回りの盲導犬や障がい者の情報に気を留めてくれるんじゃないかなと思っています。

――SNSの活動を通じて、どんなことを伝えていきたいですか。

私は別に暗くはないのですが、どうしても暗いイメージを持たれている方も多いと思っています。それは仕方のないことだと思いますし、私も健常者だったらそう思うと思います。でも、私は多くの方に支えられて、今すごく楽しく過ごせています。実際に会ってみると「障がいを持っている人ってこんなに元気なんだ」って言ってもらえることが多くて。そういうイメージを変えたり、私たちのこともっと知ってもらえるように、これからも活動していけたらと思っています。

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