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ASKA「音楽は買って聴いてほしい」 約2年ぶりのシングル「笑って歩こうよ」リリースで語る熱い思い

約2年ぶりのシングル「笑って歩こうよ」リリースで熱い思いを語ったASKAの画像

約2年ぶりのシングル「笑って歩こうよ」リリースで熱い思いを語ったASKA

 アーティストのASKAが、CDシングル「笑って歩こうよ」を14日、リリースした。約2年ぶりとなる本作には、どんな思いが込められているのだろうか――。ASKAに話を聞くと、アーティストとして、一人の人間として、深い思いが垣間見えてきた。

【動画】尾野真千子が熱演!ASKAの新曲「笑って歩こうよ」MV

■いま「笑って歩こうよ」という曲を出す意味

 「笑って歩こうよ」という楽曲に込めた思い――。作品紹介文には「1970年代のメロディのイメージと共に、あたりまえの言葉を言えない今という時代に、“笑う”ということ、そしてなにを大切に進むかを伝えたかった」と書かれている。

 本楽曲を最初に作ったのは、いまから6~7年前だという。当時50曲ほどの新曲があったというが「笑って歩こうよ」は、アルバムの曲にも入らず、ずっとストックされていた。そんななか、「ここにきて、この曲がシングルとして力をつけてきた」と独特の表現で、“いま”歌うべき曲であることを強調する。

 そこにはコロナ禍という“時代背景”が大きく起因しているという。「普段の生活のなかで、そこまで意識していなかったはずなのですが、自分の内に、やはり自ずと触れないようにしていた場所がありました。自分もこんなに弱っているんだと実感しました。でもそれは自分だけではなく、おそらくほとんどの人も同じようにやられている部分(心)があるんだと思うんです」。

 多くの人の心が疲弊するなか、「どんなにつらいことがあっても、なくてはいけないのが希望。最後は希望の一言が欲しい。希望だけは失ってはいけない」という思いが「笑って歩こうよ」という曲に力を与えた。

■「音楽は買って聴いてほしい」ASKAの強い思い

 もう一つ、ASKAにはCDシングルとして発売することへの大きなこだわりがあった。それは「音楽は買って聴いてほしい」という思い。

 「僕は音楽を楽しんで作ってはいますが、それでもそれには大いなる時間と労力を費やしている。もし労力に見合った適正な対価が発生しなければ、ミュージシャンは音楽を続けられなくなってしまう。サブスクリプションなどは時代が生んだものですから、僕らも上手く付き合っていかなくてはならない。音楽だけで食べることができた僕らの世代のミュージシャンは幸せです。今はそうではありませんからね。若いミュージシャンが夢を持ち続けていられる新しい環境作りに目を向けています」。

「今の時代、いろいろな方法で世に出る形がある。アウトプットの仕方が増えることは悪いことではない。才能を見つけてもらうために、サブスクというのは、とても意味のあるモノなのでしょう。プロモーションとして利用することは良いと思っています。でも、サブスクがすべてと思っているミュージシャンが増えてきている。もしサブスクがすべてになってしまうと、本当に生き残れるのはほんの一握り、いや一粒、それよりも確率は低くなってしまう。これは音楽業界だけではなくリスナーも一緒になって考えていかなければならないですね」。

 ここまで強く思い入れがあるのは、音楽業界への恩返しという意味も強い。「バブル時代ということもありましたが、音楽が大きなビジネスになった一瞬の間に、僕らは出てきた。そこで大きな結果を得られたし、十分音楽でぜいたくをさせてもらったんです。だからこそ、これからの音楽人生では恩返しをしたいと思っています。一人でも多く、才能、魅力のある人たちが音楽を続けていけるようしなければならないですね」。

 そのためにASKAは、堂々と声を大にして「音楽は買って聴いてほしい」と訴え続けていくという。

■死ぬまで曲は書き続ける

 また自身の音楽哲学として「常に新曲を作り出していく」ことを貫いていきたいというASKA。

 「ある程度の年齢とキャリアを持ったミュージシャンというのは、新曲を作らなくなるんです。それは、曲が作れなくなるのではなく、求められなくなるから。長く音楽をやっていると、リスナーも長い時間を共にします。すると、新曲よりも、自分に思い入れのある曲を求めるようになる。それに答えるように新曲を書くことへの拘りがなくなるんですね」。

 ASKA自身も「僕もそれは感じています」と、他のミュージシャンと状況は同じだというが、「でも僕は楽曲を生み出していくということが、僕のアイデンティティなので、求められようが、求められまいが、自分のスタイルとして、死ぬまで新曲は書き続けていこうと思っています。コロナ禍でも僕は毎月レコーディングをしていましたから」と持論を展開する。

■すべてが巡り会い、そして運命

 「笑って歩こうよ」のミュージックビデオ(MV)には、女優の尾野真千子が出演している。

 「僕はほとんどテレビを見ないのですが、以前『カーネーション』という尾野さんが出演していた朝ドラだけは、はまっていて『なんて素敵な女優さんなんだ』と思っていたんです」。

 だからといって、MVを手掛けた映像監督の石井貴英にASKAから「尾野真千子」というオーダーをしたわけではなかった。あくまで石井監督のチョイスだった。「僕の作品に尾野さんが出演してくれることは考えもしていなかった。僕はこれまでもすべての出会いは、なにか巡り会いというか、運命的なものだと思っています。『カーネーション』で魅せられた女優さん。毎日毎日、観ていたんだよなぁ。」

 MVでの尾野の演技にASKAは「僕が作った楽曲は、とりあえずタイムアップでの作品。それを完成させてくれたのは尾野さんでした」と大絶賛していた。

 巡り会いという意味では、ファンとの交流の場となるコンサートも2021年10月に「アンコール公演」として再開する。こちらは2020年2月まで行っていたコンサートが、コロナ禍より中止になってしまったことを受け、実施することができなかった熊本・大阪を含め、ASKAが各地方に歌を届ける。

 「まだ国がどういう判断をするのか分かりませんが、僕らは希望を持って臨みたいと思っています。もちろん、コロナ禍でコンサートができなかったとき、オンラインライブというものを開催し、新たな表現の形も経験しました。ツアーに行っても観られない人もいると思うので、ライフワークの一つとして今後もオンラインライブというものは、やっていきたいと思うようになりました」。

■今の若いミュージシャンに思うこと

 サブスクの普及により、曲の出だしからインパクトを求めるような楽曲が増えるなか、70年代のメロディのイメージで作り上げた「笑って歩こうよ」。

 このチャレンジについて、ASKAは「今の若い子が90年代の音楽を聴いていると知ったんです。ちょうど90年代というのは僕も漏れずにバブル期。華やかなエンターテインメントを経験させてもらいました。そんな僕らが何を聴いて育ったかというと、70年代の音楽なんです。今、しっかり振り返ると70年代は、コンピュータもなく、人間ができ得る最高のプレーと曲たちが溢れていた。メロディの宝庫の時代でした。もし自分が70年代のシンガーだったら、どんなメロディを作っていただろう……という思いでタイムススリップしてみました。」とコンセプトを説明した。

 時代によって、ヒットする音楽も様変わりする。いまの若い世代の音楽について「気持ちいい音楽を歌っている人はたくさんいますね」と評価したASKA。「もちろん、表現の仕方は違います。僕らの時代は、より強い歌い方をしましたが、いまの若い子たちは、自然というか、淡々と歌うことを時代表現としている。『歌って、もっと抑揚があるものだよ』なんて思うこともあります。でもそういう面倒くさいことを言っている時点で、古いんですよね(笑)」。
(取材・文:磯部正和)

■『ASKA premium concert tour -higher ground- アンコール公演』特設サイト
https://www.classics-festival.com/rc/aska-premium-concert-tour-higher-ground-2021/

■ASKA Official Web Site『Fellows』
https://www.fellows.tokyo/

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