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YouTube切り抜きで再評価、25年変わらない『さんま御殿』の再現VTRのコンテンツ力

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YouTubeで再評価されている『踊る!さんま御殿!!』の再現VTR(日テレ公式YouTubeより)

 ドラマ、バラエティ、スポーツと、幅広い番組コンテンツを配信する日テレ公式YouTubeチャンネル。その中で再生数トップ3は『踊る!さんま御殿!!』の再現VTRが占め、「YouTubeでコレが観れるとは」「これ一時間位見てたい」などの反響が数多く寄せられている。97年にスタートした番組当初から変わらないスタイルで、世代やフォーマットを超えて隠れた人気が浮き彫りとなった『さんま御殿』の再現VTR。YouTube公開のきっかけや制作の工夫をプロデューサーに聞いた。

【動画】「絵がキレイ過ぎる(笑)」450万再生『私って頭がいいなあと思った時』ほか、再現VTR集

■テレビ離れ世代からの反響も「VTRごとのダイレクトな評価がバラエティ業界では斬新」

 『私って頭がいいなあと思った時』(454万回再生)、『うちの親マジヤバイなと思った時』(394万回)、『この男薄っぺらいなと思った瞬間』(312万回)など、同番組のトークテーマを紹介する“ひと言体験談”の再現VTRが、1~2分程度の切り抜き動画としてYouTubeにアップされ始めたのは昨年の4月から。きっかけは、それなりの労力をかけて作ったVTRが放送だけで終わるのはもったいない、というスタッフの想いからだった。

「最初はその部分を切り出して海外に販売するというアイデアもありました。ですが弊社のネット関連の部署から『YouTubeに違法にアップされている同再現VTRが結構回っています。それなら、公式で出した方がいいんじゃないでしょうか』と。確かに、公式で出すとクリアな画像で見て頂ける。動画をきっかけに番組を観てくれる人もいるだろうということでスタートしました」(宮本誠臣P/以下同)

 これには早速、反響が。「公式が出すんだ!」「絵がキレイ過ぎる(笑)」などと話題になり、またたく間に再生数を伸ばしていった。「久しぶりに見たけどやっぱり面白い」「このコーナー子どもの頃大好きだった」と、テレビを観なくなったユーザーからの再評価も得ているようだ。そして、これには導入剤としての効果以外にも、思わぬ副次的要素もあった。

「再現VTRを作っているディレクターにとっては、『さんま御殿』が高視聴率を取っても、それは番組全体の評価になってしまいます。ですが、YouTubeでは“再生数”という明確な数字で反響が分かります。非常にリアルな評価につながりますので、ディレクターたちにとってやり甲斐につながりますし、また出演していただいている役者さん、引いては投稿してくれた方にとっても放送で終わらず、ネットで配信、またその直接の反応はうれしいもの。かなりの刺激になっているのではないでしょうか」

 さらには、YouTubeでは何度も観られるからか、細かいところに気づいて指摘するユーザーも。例えば、職場シーンで後方に映ったエキストラのパソコンのゲーム画像に対して「しれっと仕事をサボってる人がいる(笑)」などと、テレビで1回流れるだけでは気づかない、放送とは違った反応が見られており、今後ディレクターの“遊び心”に火がつくかもしれないと宮本Pは匂わせる。

■さんまの“異なる価値観を尊重する”想いから生まれた番組 変わらず25年

 『さんま御殿』がスタートしたのは、1997年。今秋で25年目に突入する。人気番組『恋のから騒ぎ』の芸能人版を作ろうというアイデアと、さんまによる”人の考え方は十人十色”という想いから、一つのテーマで異なる価値観を持った様々な業界の著名人が好き勝手に喋るというスタイルが誕生。何回かの特番を経て、好評を受けてレギュラー化した。

「企画段階で、タレントさんの話だけではなく、一般の方の話も入れた方が面白いのではないかというアイデアがあったと聞いてます。そこで、初回の収録では再現VTRのパターンと、寄せられたハガキをナレーションで読み上げるパターンの2つを用意。結局、再現VTRの方がいいと判断し、今の形になったそうです」

 再現VTRは、番組の構成上、トークの方向性を示唆する役割もある。元々台本がほぼない番組であり、トークがどう転がっていくかはさんま次第。言わば再現VTRのみが、スタッフがさんまに提示できる唯一の材料だ。ネタの選別基準は、30~40秒の短い尺の中で展開できるか、またちゃんとフリがあってオチがあるものか。また、テーマがハッキリ伝わるものであるかが重要。VTRの制作では“キレ”を大事にしているという。

「尺が短い分、あまりネタをこねくり回さないよう心がけています。また、ナレーションは笑いを取りにいくのではなく、ネタそのものを生かした笑いを出せる作りにするために、あくまでフラットに。面白さを端的に伝え、ここが面白いとスパッと伝える。限られたカット数でストーリーを伝えなければいけないので、イメージは4コマ漫画ですね」

 『ザ!世界仰天ニュース』や『奇跡体験!アンビリバボー』などのように、事件の再現や極端なストーリーを扱う番組が多いが、日常の“あるある”にしっかりとフリオチを付けるのは、制作陣の腕が求められる。また、昨今は『スカッとジャパン』『THE突破ファイル』『あざとくて何が悪いの?』など、人気タレントや有名俳優を起用した再現VTRがトレンドになっているが、『さんま御殿』では当初から変わらずほぼ出演していない。

「特に名の売れた方にオファーはしないという決まりがあるわけではなく、最も重視しているのは、そのネタに合ったキャスティングかどうか。一般の方の体験談ですし、有名な方が出演して役者さんに注目が集まってしまうと、ネタそのものの内容が損なわれることも。それでは本末転倒ですので、あくまでネタ自体に注目してもらいたいという想いで制作しています」

■25年マンネリさせないキャスティングの妙+瞬時に個性引き出すさんまのキャラ発掘能力

 目まぐるしく変化する芸能界において、20年以上続く番組は一握り。コーナーやスタイルを大きく変えてキャストや視聴者のマンネリを避けるパターンはよく見られるが、『さんま御殿』は当初からブレない。その秘訣は、キャスティングだ。芸人、俳優、スポーツ選手、文化人と、様々なタイプの色々な個性を集め、それらが交わる面白さ1本でやってきた。

 もちろん誰が来てもさばけるさんまあっての番組であることは間違いないが、毎回“初出演”の人をキャスティングしていることも、長年マンネリを感じさせない奥義でもある。ここからブレイクしたタレントは、ローラ、鈴木奈々、滝沢カレンなど、枚挙にいとまがない。

「同じ人が連続で出演しても、常に新しい出演者がいれば、また違う化学反応が起きて見慣れたキャストもまた新しく見える。さんまさんがどんな人でも受け入れてくれるので、どうなるかわからない予測不能な人を思い切って投入することも多いですね。他の番組では扱い方がわからない見え方をする人でも、この番組でさんまさんが個性を引き出して、開花する瞬間を目にしたことは何度もあります」

 宮本Pは、長年身近で見てきた明石家さんまのすごさをこう語る。「やっぱりあのキャリアで毎回変わらないすごさですね。皆さんおっしゃいますが、想像以上に笑いに貪欲で、本当に毎回全力投球な姿に、毎回すごいなって思わされるんです。今日ちょっと調子悪いなとか、疲れてるなとか感じたことが1度もないですね。収録前、収録後の楽屋でもずっとテレビに出ているまま。東日本大震災の時も、バラエティの収録が一時止まり、収録復活の一発目が『さんま御殿』でした。その現場でさんま師匠は『俺らは笑わせることしかできないから、めちゃくちゃ笑わそう』と。その言葉に、その回で共演していた出川哲朗さんも『震えた』とおっしゃっていました」

 さんまと言えば、“昨日の俺より今日の俺の方が面白い”という自負があることでも有名。それを日々体現しているというさんまの牽引力で、同番組はこれからも楽しい笑いを届けてくれるはずだ。

「YouTubeでも、過去の傑作選など精力的に出していきたい。また、当番組で“再現俳優”としてお馴染みの役者さんごとにまとめたものなど、様々な企画を考えていますので、本放送、YouTubeともに今後もお楽しみいただければ幸いです」

 本日13日放送の『夏の3時間SP』では、初の“人気声優くくり”で、3度目の結婚を発表したばかりの山寺宏一や彼と同期の松本梨香、中川翔子らが出演。今回も個性あふれる12人がどんな化学反応を起こしてくれるのか、期待したい。

(文=衣輪晋一)

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