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2021年上半期は“主演級俳優”の不作なのか? 視聴者の意識変化でこれまでの定義を崩す「ブレイク」のあり方

ブレイク俳優1位に輝いた仲野太賀と松本まりか(【仲野太賀】撮影:田中達晃<パッシュ>)の画像

ブレイク俳優1位に輝いた仲野太賀と松本まりか(【仲野太賀】撮影:田中達晃<パッシュ>)

 毎年恒例、ORICON NEWSの『2021年上半期ブレイクランキング』の女優/俳優がそれぞれ発表された。女優は1位【松本まりか】、2位【伊藤沙莉】、3位【平手友梨奈】、俳優では1位【仲野太賀】、2位【岡田健史】、3位【山田裕貴】がランクイン。バリバリの主演級というわけではないが、準主役・作品のキーパーソンとなるような面々が並び、実にバラエティ豊かで個性派のイメージが強い。改めて見てみると、俳優の“質”を語るにおいては、もはや「主演作」や「代表作」などといった“冠”は不要な時代に突入したといえるだろう。

【ブレイク女優TOP10】ドラマ主演やCMにひっぱりだこ、“あざと系”女優ズラリ

■演技以外に声の俳優起用が増加 活躍が地続きで見られる風潮に

 ブレイク女優を見ると、キーワードとして“声”が挙げられる。1位の【松本まりか】には、悪女系の大人っぽい色気のある声のイメージがあったが、鏡月焼酎ハイのCMで披露した「はじめてのチュウ」歌唱では、ギャップも話題に。「あざとかわいい」を演出するなどの“アニメ声”に親しみやすさも感じさせる。

 実際、松本は『ファイナルファンタジーX』のリュック役などの声優業やバラエティ番組『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS系)でもナレーションを務めるなど、声の“演技”にも定評がある。

 一方、2位の【伊藤沙莉】は親近感を覚えるルックスながら、野太いハスキーボイスがしっかりと視聴者の印象に残り、昨年の『2020年ブレイク女優ランキング』での5位から、今回の2位へと大躍進を果たした。

 アニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)の声優、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)のナレーション担当など、こちらも声の演技が仕事に結びついている。

 その他、7位の【田中みな実】はまさに声が命のアナウンサー出身であり、8位の【福原遥】も女優業と声優業の“両輪”で活動。女優に限らないが、昨年の『鬼滅の刃』ブーム以来、アニメ声優が地上波放送のナレーションを担当するのが普通になったり、俳優の山田孝之が『新・映像の世紀』(NHK総合)のナレーターを務めて高評価を得るなど、今や“俳優×声優”のクロスオーバーも“常識”となり、今後もますます“声”の重要性が増すだろう。と同時に、俳優と声優のキャリアや実績が合わせて評価されることになるだろう。

■イケメン役ではブレイクしない? ちょっと“難あり”がカギ

 俳優編から浮かび上がってくるのは、「(ちょっと)かわいそうな役が似合う」俳優がブレイクしていることだ。上半期1位の【仲野太賀】は、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の今井勝役などで知られ、“人が良い三枚目”役なら若手俳優随一。しかし昨年放送の『この恋あたためますか』(TBS系)で演じた新谷誠役は、森七菜演じる樹木に「恋心を寄せる→一時期付き合うもフラれる→それでも優しく見守る」…という役柄を好演。それまでのコメディ俳優的なイメージを払拭し、女性視聴者たちからの好感度をしっかり上げることでブレイクへ導いた。

 【成田凌】(5位)は、何といっても朝ドラ『おちょやん』(NHK総合)で演じた浮気夫・天海一平役の印象が強い。主人公の夫でありながら「劇団員と不倫→「ややこ」(赤ちゃん)ができる→主人公と離婚」…という朝ドラにはあるまじき“闇”展開にお茶の間はドン引き。本人自ら「いろんな人にハッキリと『嫌いです』と言われる」と『あさイチ』(同)で明かしたように“国民的憎まれ役”となり、文字どおりちょっと「かわいそう」な役どころだった。

 【松下洸平】(6位)もドラマの主演作はまだないが、『知ってるワイフ』(TBS系)で澪(広瀬アリス)にフラれてしまう津山を印象的に演じ、新たな「フラれる二枚目」枠を確保したかのように見える。

 TOP10入りした【飯尾和樹(ずん)】や【角田晃広(東京03)】といった芸人俳優にもいえることだが、全体的には“イケメン若手俳優”が主演ドラマでいきなりブレイクする…といったこれまでの主演俳優たちが辿ってきた、いわゆる王道の流れではなく、若干“難あり”な役柄で注目を集めた後、出演作が途切れずブレイクする…といった顔ぶれがランクインした結果となったようだ。

■代表作がなくても “ブレイク”できる 出演作が途切れない需要の高さ

 先述のように、これまではぶっちぎりのルックスの良さや生まれながらのスター性に恵まれている俳優が、作品の話題性との相乗効果でブレイクするというパターンが多かった。

 しかし、今回の上半期ブレイク女優・俳優ランキングを振り返ると、今年に入ってドラマ主演を務めた俳優はほとんど見当たらず、従来の規範で見れば“不作”と言えなくもない。

 ただ、彼らには出演作が途切れないし、実際、ドラマの現場では主演しかできない俳優ではなく、どんな役でもこなせる人材が求められているのも事実。かつてはほぼ主役しか演じないという俳優も多かったが、今やそれは時代錯誤となったようだ。

 つまり、視聴者側にはかつての大スター的な評価基準が消えつつあり、俳優陣にとってはドラマであれ、映画であれ、アニメの声優やナレーションであれ、“演じる”ことが俳優の定義である以上、どのようなジャンルにおいても“演技”が正当に評価され、注目が集まれば“ブレイクポイント”を得る可能性がある時代となったということである。日本の芸能文化も、ここにきて一つの転換点を迎えたのかもしれない。

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