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令和ギャルの憧れはどこへ? “絶対的アイコン”がいなくなった理由

佐藤栞里、内田理央、指原莉乃らが登場するar7月号(主婦と生活社)の画像

佐藤栞里、内田理央、指原莉乃らが登場するar7月号(主婦と生活社)

 “聖子ちゃんカット”に“アムラー”、“エビちゃんOL”など、時代とともにファッションアイコンは移り変わってきた。しかし最近は、10代の「なりたい顔」は橋本環奈、20代は新垣結衣、30代は北川景子と各世代で憧れとなる存在はいるものの、それぞれが彼女たちを模倣するファッションやヘアメイクをしている光景はあまり見られなくなった。『逃げ恥』が大流行しても、放送後に巷で“みくりスタイル”が急増するわけでもない。トレンドに敏感な女子の間で、ファッションアイコンが消えた理由とは。

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■流行は“ハーフ顔”から“色素薄い系”へ…「なれないものにはなろうとしなくなった」

 令和において圧倒的なファッションアイコンは存在しないものの、トレンドは目まぐるしく変化している。平成ギャルと言えば、黒のカラーコンタクトを装着し、目元を囲んだ濃いメイクが主流だったが、最近のブームは「色素薄い系」だ。アイラインも眉もブラウン系、ヘアカラーはアッシュ系、カラーコンタクトもベージュやグレー系が好まれている。無理に“ぱっちりでか目”を目指すのではなく、あくまで自分の肌色や目の色になじむヘアメイクが選ばれているのだ。

 そういった“色素薄い系”スタイルを先駆けて発信してきたのが、これまで本田翼や橋本環奈、白石麻衣、永野芽郁らが表紙を飾ってきた雑誌ar(アール)だ。編集長の足立春奈さんによると、“色素薄い系”が流行りだしたのは、7、8年前だという。

「10年ほど前は、欧米っぽいいわゆる“ハーフ顔”のモデルが人気を集めていて、顔の凹凸がはっきりしていてプロポーション抜群な女性が憧れの対象でした。しかしその後、“より近づけそうな人”が憧れの対象になってきたように感じます。なれないものにはなろうとしなくなったというか。その結果、無理やり黒いコンタクトをつけて、アイプチで二重にして、付けまつ毛をつけるような“作り込むメイク”から、一重でも奥二重でもそのまま、自分の肌の色や瞳の“素材を生かすようなメイク”に変化していったように感じます」

 10年ほど前と言えば、「ヘビーローテーション」(2010年)が大ヒットとなったAKB48全盛期。アイドル界においても、手の届かない存在よりも、“会いに行ける”存在が求められた時代だ。ギャル雑誌でも、これまでの“カリスマモデル”ではなく、“読者モデル”の益若つばさが圧倒的な人気を集めるように。益若の着用商品やプロデュース商品は即完売し、その経済効果は100億円に及ぶとも言われた。その頃からarでも、わたなべ麻衣などの読者モデルを積極的に起用すると、大きな反響が寄せられた。

「求められるモデルの体型もこの10年ですごく変わってきていて、背が高くて細身の人だけがモデルになれる時代ではなくなってきました。そこもやはりSNSの影響が大きいのかなと思います。若い子がリアルな情報を求めるようになってきていて、作られた世界よりも、“自分にも真似できそう”っていうリアルで身近な世界に興味を持っているのかなと」

■「男ウケ」から「自分ウケ」、誰かが掲示する存在ではなく“自分で憧れを見つける”時代に

 SNSの普及により、それぞれが自分に合うファッションやメイクを探しやすくなった。その結果、全員が“同じファッションアイコン”を目指すのではなく、それぞれが“自分に似合うもの”を選べる時代になったのだ。それと同時に、海外の情報も気軽にアクセスできるようになると、オルチャンメイクや韓国コスメがブームとなった。

「SNSで自分の声が発信出来るようになって、多様性が認められるようになった今、日本人とは程遠い欧米の“ハーフ顔”ではなく、頑張れば手の届きそうな“韓国顔”がトレンドとなりました。透明感や肌の綺麗さはもちろんなのですが、ドラマのヒロインや韓国アイドルをイメージすると分かりやすいように、韓国の女性はかっこよさがあって、媚びてないんですよね。メイクやファッションも“自分のために”という感じが憧れるのかなって思います」

 バブル崩壊を経験した90年代は、若者が頑張っても報われない時代だった。その社会に対する怒りがガングロメイクに現れていたのかもしれない。その後景気が回復すると、分かりやすく他人に受けるコンサバファッションが街にあふれた。

 そして現在のトレンドは、金髪でも黒髪でも、ミニスカートでもロングスカートでもない。髪型で言えば、地毛がストレートだろうと天然パーマだろうと、無理に縮毛をかけるでも、くるくるの巻き髪にするでもない。元の毛質を生かし、つやを出すオイルを少しつければ、セット10秒で完了、というスタイルがトレンドなのだ。

「例えば、昔は“こうしたら男性にウケる”っていう企画が主流だったんですけど、そういう企画って今ほとんどなくなってきているんですよね。コンサバ時代のように“媚びる”のではなく、自分が着たい服を着て、自分がしたいメイクをするといった“自分ウケ”が共感されやすいなって感じます。そうは言っても、今年3月号の『恋が叶う特集号』がすごく売れて、好きな人に振り向いて欲しいっていうマインドは変わらないんだなって思いました。でもそれは大勢にモテたいというわけではなくて、自分が好きなファッションやメイクをして、そのままの自分を好きになってくれる人と恋愛したいっていう気持ちが高まっていて、すごく良い流れだなって思います」

■明確なファッションアイコンが存在しない令和の雑誌作りの指標とは

 日本人の肌になじみやすい“色素薄い系”メイクは、下手すれば“顔が薄い”印象になりかねない。

「ポイントは絶対に肌です。肌がピカピカであれば、他は何でも大丈夫です。スキンケアにじっくり時間をかけて丁寧に塗り込んで、その後は最小限、日焼け止めや下地、コンシーラーで気になるところだけ隠す。眉毛も自分が持っているものを生かして、細くするでも太くするでもなく、ありのままの太さを残して、毛並みを整えるくらい。アイメイクはマスクの影響もあって濃いめがトレンドですが、肌さえ綺麗なら下品な印象にならず、透明感はキープできます」

 ナチュラルメイクがトレンドとなってから久しいが、それは決して手抜きメイクということではない。日々のスキンケアを怠らず、とにかく土台を丁寧に作りこんでこその薄づきメイクがその人本来の美しさを引き立てるのだ。明確なファッションアイコンがいない今、雑誌作りにおいて目指す方向性にためらいそうなものだが、足立さんに迷いはない。

「女の子はみんなそれぞれの可愛い種を持っていると思っているので、それを生かすお手伝いができたらという思い一心です。今って、顔を小さくしたり目を大きくしたりするSNSのフィルターがあるので、フィルターがない自分が嫌いって言う子も多くて、それもわかるけど、すごくもったいないって思うんです。やっぱり鏡で見た自分を好きになれたら、自己肯定感も上がって自信がつきますよね。爪や肌が綺麗だったら、それだけで気分が上がると思うんです。自分が思っているコンプレックスって、人にとってはチャームポイントだったりするので、そういうところを生かしてメイクを楽しめる女の子が増えると良いなって思います」

(取材・文=鈴木ゆかり)

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