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羽住英一郎監督インタビュー:『バイオハザード』が愛される理由「ファンを第一に」

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アニメ『バイオハザード:インフィニットダークネス』羽住英一郎監督(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 2004年、劇場映画監督デビュー作の『海猿 ウミザル』がいきなりヒット。これ以降、連続ドラマと映画全4作の人気シリーズとなり、一躍ヒットメーカーの仲間入りを果たした羽住英一郎監督。その後も『ダブルフェイス』、『MOZU』、『暗殺教室』『太陽は動かない』など、ドラマと映画をボーダレスに行き来して、その枠組みを大きく広げてきた。その羽住監督が、今年シリーズ25周年を迎えたサバイバルホラーゲームの金字塔「バイオハザード」の初の連続CGドラマ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』(全4話、Netflixで全世界配信)を手掛けることに。自身初のフル3DCGアニメへの挑戦はいかに?

【フォトギャラリー】『バイオハザード:インフィニット ダークネス』キャラクターポスターや場面カット

 これまで実写作品をやってきた監督が、フル3DCGアニメを依頼されて、すんなりできるものなのか。尋ねると、「全て初めてのことだったので、全ての工程が楽しかった」と話し始めた。

 「製作プロデューサーの篠原俊哉さんからオファーをいただいた時に、『MOZU』シリーズのようなサスペンス色を打ち出したい、というオーダーが明確だったので、ぜひ挑戦してみたいと思いました。ストーリーがあって、俳優の芝居があって、それをモーションキャプチャーしてCG化して…、その中で自分の一番の仕事は、見ている人たちを楽しませるにはどうするか、といったところは、普段自分がやっていることと変わらない。実際、サポート体制がしっかりしていたので、映像化という点で、そこまで苦労した部分はありませんでした」。

 製作・原作監修には、数々の『バイオハザード』シリーズを世に送り出してきたカプコンの小b林裕幸プロデューサーが参加。制作プロデュースには、さまざまなアニメ作品を生み出しているトムス・エンタテインメント、『バイオハザード:ヴェンデッタ』で制作プロデューサーを務めた、宮本佳氏率いるQuebico がフル3DCGアニメーション制作を担当。高いCG技術力で、実写と見間違うほど高精細な映像を作り上げている。

 「今回、心がけていたのは、実写でできないことはしないということ。フル3DCGなので、やろうと思ったら何でもできちゃうんですよね。実写でもここはVFXを使うな、というところ以外は、実写の撮影手法にこだわりました。そこに今回、僕が参加する意味もあるかと。キャメラが入れないところには入っていかない、といった実写の撮影に近いキャメラワークやライティングに極力寄せて、作り込んでいきました」

 羽住監督により、アクションシーンも含め、実写ベースに演出されただけあって、登場人物たちの動きに臨場感とリアリティがあり、かなり没入感がある“ドラマ”に仕上がっている。物語は、シリーズの人気キャラクターレオン・S・ケネディと、クレア・レッドフィールドの2人を軸に展開。数々の死線をくぐり抜けてきたレオンとクレアが、ホワイトハウスで偶然の再会を果たし、新たな脅威に立ち向かう姿が描かれる。

 「既存の『バイオハザード』作品との世界観、この頃何があったかという時系列的なものと整合性をとりつつ、世の中に知られていない前提であれば大きな事件が起きていたことにしてもOKなど、ルールが明確だったのでとてもやりやすかったです。今回は、正義感の強い若いレオンと、果てしない闘いに少し疲弊してきた感のある『バイオハザード:ヴェンデッタ』で描かれた2014年のレオンの間、2006年を舞台に描くことにしました。さらに6年前(2000年)のペナムスタンの戦地で何があったのか(?)という謎をきっかけに、時間軸をシャッフルさせつつ裏向きに置かれていたカードが徐々にめくられていくような構成にしました」

 「バイオハザード」シリーズではおなじみの墜落するヘリコプターのシーンをはじめ、ファンが楽しめる要素をふんだんに盛り込みつつ、『バイオハザード』のタイトルは知っているけれど、そんなに詳しくないという人が観ても楽しめる作品に仕上がっている。というのも、羽住監督自身が後者だったため。『バイオハザード』に限らず「若い頃からゲームをほとんどやらずにきた」そうだ。

 「ゲームやらない僕のような者でさえ、なんとなく知っている。そこが『バイオハザード』のすごいところ。今回、エグゼクティブプロデューサーの小林さんをはじめ、『バイオハザード』に携わってきたスタッフからさまざまなサジェスチョンをいただき、非常に助かったのと同時に、皆さんがこのシリーズのことが大好きで、それが決して自己満足ではなく、ファンのことを第一に考え、ファンをものすごく大切にしているということもひしひしと伝わってきました。マニアックなことをマニアックに楽しむこともできるし、ライトなファンにもやさしいというか、いまさら入りにくいというイメージもない、稀有なコンテンツだと思います。長きにわたってシリーズが愛され、飽きられない理由は、そういうところにもあるのかな、と思いました」

 自身にとっては初めてのフル3DCGアニメへの挑戦から、どんな収穫があったのだろうか。

 「生身の人間は歳をとっていくので、さかのぼって過去のエピソードを作ろうとした時に、実写作品ではキャストを変えるしかないけれど、フル3DCGならキャスト若返らせることも自在。そういったこと一つをとってもすごく面白いな、と思いました。また、フル3DCGアニメに携わる優秀な人たちとの出会いも財産。実写作品だけをやっていたら出会えなかったかもしれない人たちと出会うことができ、発見もありました。今回は僕自身初めてで、助けてもらってばかりだったので、この経験を生かして、またいつか一緒に面白い作品が作れるといいなと思いますし、そういう機会が増えていくのではないかと思っています」

◆羽住英一郎
1967年生まれ、千葉県出身。ROBOT所属。
2004年、『海猿 ウミザル』で劇場映画監督デビュー。ドラマ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』(05年/フジテレビ)、映画『LIMIT OF LOVE 海猿』(06年)、『THE LAST MESSAGE 海猿』(10年)、『BRAVE HEARTS 海猿』(12年)の「海猿」シリーズをはじめ、『暗殺教室』(15年)、『暗殺教室〜卒業編〜』(16年)などヒット作を次々と手掛ける。ドラマ『ダブルフェイス』(12年/TBS・WOWOW)、ドラマ『MOZU』シリーズ(14年・15年/TBS・WOWOW)、『劇場版MOZU』(15年)も話題に。ドラマ『太陽は動かない -THE ECLIPSE-』(20年/WOWOW)に続いて、今年、映画『太陽は動かない』(21年)が公開された。その他の作品に、『逆境ナイン』(05年)、『銀色のシーズン』(08年)、『おっぱいバレー』(09年)、『ワイルド7』(11年)、『OVER DRIVE』(18年)などがある。

■Netflixオリジナルアニメシリーズ
『バイオハザード:インフィニット ダークネス』
話数:全4話
配信日:Netflixにて7月8日(木)より、全世界独占配信
Netflix作品ページ:www.netflix.com/biohazard_anime

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