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林真理子氏、恋愛力が失われた現代に 映画『シンプルな情熱』は「意味がある」

林真理子氏が映画『シンプルな情熱』(公開中)について語った(C)2019 L.FP. Les Films Pelleas - Auvergne - Rhone-Alpes Cinema - Versus productionの画像

林真理子氏が映画『シンプルな情熱』(公開中)について語った(C)2019 L.FP. Les Films Pelleas - Auvergne - Rhone-Alpes Cinema - Versus production

 主人公の女性が、年下で既婚の男性との恋愛にのめり込んでいく甘く切ない愛と官能の映画『シンプルな情熱』が本日(2日)よりBunkamura ル・シネマ(東京)ほかで公開が始まった。このたび、原作を熱く支持する作家・林真理子氏が映画の魅力について語るインタビュー映像が到着した。

【動画】林真理子氏のインタビュー映像+予告編

 林が支持する原作は、ノーベル文学賞候補に名を連ね、フランス現代文学の頂点ともいえる作家アニー・エルノーが1992年に上梓したもの。自身の愛と性の実体験を赤裸々につづり、当時、日本でも林氏ら時代をリードし続ける人気作家たちを魅了し、大反響を巻き起こした。

 インタビューで林氏は、原作者のアニー・エルノーと対談した経験も交え、映画『シンプルな情熱』の魅力について次のように語っている。

 「情熱とは神様が与えてくれたギフトだと本当に思います。恋する情熱は中年になると持てないと思うだろうけど、ある日突然与えられた女の人の物語なんですよね。人々のエネルギーが、日本において失われている。このところとみに思うのは、人間から恋愛力っていうのがものすごく失われていて、この映画ができたことは意味があることなんだと思います。

 主人公が、もう一度生きるパッション(情熱)みたいなものを手に入れようとした時に、この男性が現れたということなんじゃないのかな、ギフトとして。日本の女性だったら『もう1回恋をしたい』とか『誰かを好きになりたいとか』思うんじゃないですか。人を恋するってこんなにいいことなんだって、久しぶりに思っちゃったっていう、たぶんそういう感想が一番多いと思う」

◆林真理子
1982年出版のエッセー集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」が大ベストセラーに。著書に「不機嫌な果実」「アッコちゃんの時代」「西郷どん!」など多数。数々の文学賞も受賞。近著に「小説8050」などがある。

■原作者アニー・エルノーのコメント

 映画は正しく、いくつかの強い感動を覚えました。私の一人称の小説を映画化するのは大変なことだったと思います。素晴らしかったのは、レティシア・ドッシュという女優を選んだことでした。彼女は私が言葉で書いたことを、肉体、動き、表情で表現することを知っていました。これはあまりの驚きでした。

 この本が出版されたとき、主人公の女性が既婚男性に対して身も心も彼女の情熱に浸していることで、かなり論議がありました。しかし、アントワネット・フーケが”情熱を拒絶することは、人間であることを拒絶することだ”と書いていました。この映画の中には、本で書いたように、罪悪感も恥ずかしさもニヒリズムもありません。そこにはただの行動があり、情熱の真実しかありません。

◆アニー・エルノー
フランスの現代文学の教員をしながら、1974年作家としてデビュー。著書のほとんどが自伝的内容。「場所」で84年ルノードー賞を受賞。92年発売の「シンプルな情熱」が大反響を呼びベストセラーのトップに躍り出た。2008年「年月(Les Annes)」でマルグリット・デュラス賞などを受賞。ノーベル文学賞の候補に名を連ねる。

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