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ピザにパインは本当に邪道なのか? 食わず嫌い多数の“温めたパイン”メニューが絶えない理由

欧米では定番のパインが乗った『ハワイアンピザ』の画像

欧米では定番のパインが乗った『ハワイアンピザ』

 「パインが乗ったピザを許せるか」論争は、この数十年、答えが出ない難題だ。温めたフルーツに対する抵抗感からか、そもそも食わず嫌いも多い。しかし、各大手ピザチェーン店を見ても、逆にパインのトッピングを実施していない店舗の方が珍しい。“食わず嫌い”が多いパイントッピングに、ピザ業界が挑戦し続けるのはなぜなのか? 業界を代表し、レギュラーメニューでパインが乗ったハワイアンピザを提供している『ピザハット』にその真意を聞いた。

【調査結果】パインが乗っているピザ好き?嫌い?

■食べたことある人の過半数が「好き」と回答、「嫌い」のほとんどは食べたことがない?

 先ごろ『ピザハット』が10~50代男女1,000人に調査した結果、「(デザートピザ以外で)パインが乗っているピザを食べたことがある人」は34.7%、「ない人」が65.3%。さらに、食べたことがある人に絞って好き嫌いを聞くと、「好き」が55.9%、「嫌い」が26.8%という結果に。つまり、食べたことがある人は3割程度だが、食べたことがある人の半数以上は「好き」と回答しており、“食わず嫌い”で敬遠している人が多いという実情が浮かび上がった。

 「好き」という人の理由として、「酸味が良いアクセントになっている」(男性/10代)、「酸味と繊維感がざくざくしていておいしい」(女性/20代)、「新鮮な味わい」(男性/30代)、「プチ贅沢感」(男性/40代)、「味の変化が楽しめる」(男性/40代)、「さっぱりした味がところどころ入ることで、飽きないで食べられる」(女性/50代)などの声が挙がった。

 パインが乗ったピザに限らず、そもそもの「甘じょっぱい味」の好みについては、「好き」が42.3%、「嫌い」が31.2%という結果に。「好き」な理由としては、「甘さが引き立つから」(女性/30代)、「ミスマッチ的な味のハーモニー」(女性/40代)。「ポテトチップスにチョコレートがかけてあるものが好き。スイカに塩をかけるのと同じ」(女性/40代)などの回答。塩気と甘みの融合は一種の中毒性があり、一辺倒な味ではないことから、飽きの来ない深みのあるフレーバーという認識があるようだ。

■日本上陸から20年以上、いまだ市民権を得たとは言えない… その理由は国民性?

 とは言え、「温かいパインが苦手」(女性/50代)、「果物と食べ物が一緒になるのは嫌」(女性/30代)「甘いか酸っぱいかどっちかで良い。フルーツを温めるなども邪道」(男性/30代)など、料理に果物が入っていることに抵抗感のある人、「まだ舌が未開発」(男性/30代)、「味が想像できない。甘いピザは考えられない」(女性/50代)など、“食わず嫌い”をしている人も多い。

 90年代から、パインが乗ったピザメニュー『ハワイアン』を提供してきた『ピザハット』マーケティング企画課・中俊博 さんは、その理由は国民性にあると分析する。「日本には果物をおかずとして食べる文化がない。料理における甘みは砂糖やみりんで補填する文化なので、味を想像しづらいのではないでしょうか」。特にピザにおいては、すでに知っている味や王道メニューを注文する人が多い。毎日食べるものではないからこそ、ユーザーは冒険や失敗を避けがちなのだ。

 発売当初、『ハワイアン』を注文するのはアメリカ人や東南アジア系など、外国人がほとんど。徐々に日本人にも浸透してグランドメニューとなったが、市民権を得たと言うにはほど遠いというのが現状だ。つまり、洋食文化がかなり浸透した令和においても、パインが乗ったピザは一部の人たちの嗜好であり、「ピザにパインは不要」とする人たちとの論争はいまだ終焉を迎えていない。

■パイン新メニューには社長も部長も揃って難色… それでも“食わず嫌い”に挑む理由とは

 そんな中、同社は今月、プルコギをベースとし、トッピングの違いで4種類の味が楽しめる新商品『プルコギ・フェスタ4』を発売。その1種にパインが乗っており、発売以来20年間人気No.1メニューである「プルコギ」に「パイン」トッピングという、初の試みがなされている。すでに『ハワイアン』がありながら、日本人が敬遠しがちなパインメニューに再び挑んだ理由はどこにあったのか。

「『ハワイアン』の販売数は、発売当初から今も、全体の中で上位に行く商品ではありません。ですが、常に一定の支持層がおり、食べたら意外と美味しいという反応やリピーターが多いメニューなんです。『プルコギ・フェスタ4』の商品化を判断する試食会議では、社長をはじめとする40代~50代の男性メンバー全員が、食べる前に難色を示していました(笑)。ですが、食べてみたら“案外イケる”と納得の表情に。パインが乗ったピザは、食べてみたらわかっていただける美味しさを秘めているんです」(中さん/以下同)

 前述の調査においても、パインが乗ったピザを食べたことがあるユーザーの意見として、「想像したより美味しかった」(男性/30代)、「始めは抵抗があったが、食べてみたらとても美味しかった。チーズに合う」(女性/30代)、「以前はありえないと思っていたが、あの酸味が塩味とあわさり、絶妙だと気づいた」(女性/40代)など、その意外性を挙げる声が多数だった。食べたきっかけについても、「米軍のイベントのお土産で頂いたピザがベーコンとパイン。初体験で驚いたけど、食べてみたら美味しかった」(女性/40代)、「すすめられて食べたらとても美味しかった。しょっぱさと甘さが癖になる」(女性/30代)など、“食わず嫌い”が意見を180度反転するパターンも多く見られた。

■食材100種から選抜された“パイン”は、潜在顧客層の獲得秘めた戦略メニュー

 日本人は、パインが乗ったピザを食わず嫌いする。しかし、食べてみたら「意外においしい」ことに気づくことが多い。その“潜在顧客層”に目を付けたメニューが、本商品だ。しかし、王道メニューのプルコギにパインを加えることに、迷いがなかったわけではない。

「トッピングメニューの候補は、約100種類の中から絞ったのですが、やはりパインを加えることへの躊躇はありました。そもそも、社長含め、ピザ好きの社員たちですら大半が苦手なのですから(笑)。ですが、女性社員に意見を聞いたところ、パインが合うのではないかと。そこで独自に弊社で調査したところ、パインを組み合わせることに対して一定数の好意的な結果が出たのです。肉料理であるプルコギは若い男性のイメージが強いですが、実は老若男女から愛されるトッピング。キムチやハラペーニョなど、濃い味が集まっていく中で、“異色”かつ“さっぱり”で、表情を変えることが出来るパインが選ばれた経緯もあります」

 他にも、バナナやリンゴという案もあった。だが、硬すぎず柔らかすぎない食感や、甘すぎず酸っぱすぎない味わい、さらにみずみずしさなどを踏まえ、やはりピザや肉料理との相性はパインが抜群なのだという。プルコギとのバランスを考えてパインの量や形も細かく調整し、試作数は約200回に及んだ。

 「我々としては自信を持ってお送りしたいのですが、こればかりはパインの要不要も含めて、好みがある。純粋な味の好き嫌いも当然ある。しかし今回、“パイン反対派”も揃って意見を覆すほど美味しいピザが完成したので、パインピザが苦手だという方にこそ食べていただきたいです」と、中さん。

 ピザのパイン論争に一石を投じるかもしれないプルコギ&パインの組み合わせ。多様化の時代、日本では食わず嫌いが多数派であるパインピザが市民権を得られるかどうか? 今後の成否を占う、試金石となるはずだ。

(文=衣輪晋一)

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