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『ホームスター』が170万個を超える異例のヒット “自社キャラない”コンプレックスを武器に

コロナ禍で異例ヒットとなった『ホームスター classic』(c)セガトイズの画像

コロナ禍で異例ヒットとなった『ホームスター classic』(c)セガトイズ

 次々とコラボ商品が生み出される『鬼滅の刃』のように、キャラクターは企業の販売戦略において重要視されている。なかでもおもちゃメーカーは、アニメキャラクターとのコラボ商品開発はもちろん、タカラトミーの『リカちゃん』といった自社キャラクターIP(知的財産)の展開など、強い繋がりを持ってきた。そのようななか、セガトイズの家庭用プラネタリウム『ホームスター』が、キャラクターに依らないおもちゃでありながらコロナ禍で大ヒットを記録。広報担当の東方氏に、『ホームスター』好調の背景にあるおもちゃ開発のこだわりと、販売戦略におけるキャラクターIP活用への見解について話を聞いた。

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■天井眺め「これが星空だったらなぁ~」 “現実逃避”から生まれた家庭用プラネタリウム

 10万個でヒットといわれるおもちゃ業界で今年、シリーズ累計販売数170万個を突破し、コロナ禍で前年比売り上げ190%を記録した『ホームスター』。家庭用プラネタリウムとして世界初の光学式を採用し、1万円前後の価格にしておもちゃの域を超えた本格的なクオリティが特長で、2005年発売以来のロングセラー商品でもある。

――コロナ禍で、おもちゃ市場にはどんな変化があったのでしょうか。

【東方氏】おおまかな印象ではありますが、高価格帯商品(1万円前後)の売上げが伸びていますね。逆に千円や2千円で買える低価格帯商品の売上げが若干落ちた気がします。おそらくお店に行かなくなったことで衝動買いというのが減り、逆にネットで吟味して買うことが増えた。加えて、子どもを外に連れていけない状況が長期化するなかで、1万円以上出してでも家族が楽しめるものを買おうというマインドになったと分析しています。

――『ホームスター』ヒットの背景には、購入動機の変化があったのですね。では、『ホームスター』の需要にはどのような変化がありましたか?

【東方氏】『ホームスター』は、発売当初からこれまで、コアな星好きや天体好きな方にご購入いただくケースが多かった製品ですが、巣ごもり需要の広がりのなかで、星好き以外の方にも注目いただけました。ちょうど今、外出自粛のなかで「おうちキャンプ」が流行っています。家の中でテントを張って、夜は『ホームスター』で星空を眺めるといった楽しみ方に目をつけていただけたのが大きいですね。遊び方も星を観察するだけではなく、おうちキャンプを盛り上げる方法として広がりをみせています。

――旅行には行けないけど家族で楽しめる、日常と離れた空間を味わえるという意味では『ホームスター』はもってこいだったんですね。

【東方氏】コロナで日常が変わって疲れてしまったところに、癒やしアイテムとしても需要があったのだと思います。実際『ホームスター』は、仕事で疲れた社員が家で寝転んで、天井を眺めながら「これが星空だったらなぁ」という発想から生まれた商品です。つまり現実逃避ですね(笑)。

――おもちゃに限らず、人気アニメとのコラボ商品が近年とても多くなっています。そのようななか、キャラクターに依らない『ホームスター』がロングセラー商品であるのは、時代に左右されない楽しさがあるからなのでしょうね。

【東方氏】まさにそうですね。うちではトップ3くらいに入る息の長い商品です。星空という人類のロマンは時代が変わっても永年のロマンというか。世代関係なく、どんな人でも星にロマンを感じるというところに目をつけた商品なので、ロングセラーに行き着いたのだと思います。

――とはいえ製品開発の際には、キャラクターとのコラボは議題にあがりますか?

【東方氏】もちろん、開発して商品化するたびに、キャラクターとのコラボをするかどうか毎回悩みます。例えば『ホームスター』でいうと、“星好き”の方にターゲットを絞っても、売り上げは伸びません。星が“ちょっと好き”な方たちに知ってもらうチャンスを作るために、ディズニー『スター・ウォーズ』や映画『君の名は』とのコラボなど、“星”という枠を出ないところでコラボなどおこなったこともあります。

――一方で、セガトイズは他社キャラクターとのコラボに依らない、“おもちゃ”としての個性に特化した商品も多い印象があります。例えば、動物のお産を体験する『夢ペット、産んじゃった』シリーズでは、“リアルすぎる出産シーン”が話題になりました。独自路線のおもちゃへのこだわりはありますか?

【東方氏】セガトイズは理念として、これまでにないモノとサービスで世界中の人々に驚きと笑顔を提供することを掲げています。それが、独自路線だと見ていただける所以かと思います。一方で、我々のコンプレックスとしては、セガトイズといえば「この商品」という会社の顔となる商品が少ないといったところが挙げられます。そもそもセガがおもちゃを作っていると認知されていない方もいらっしゃると思います。オリジナルのIP(キャラクター)を作って、長年愛されるような商品に育てていきたいと、強い想いを持っています。なので、ロングセラーとなるIPを生み出したいというのも、ここ数年頑張っているところです。

――天体観測できる『ホームスター』や出産体験できる『夢ペット』は、いわゆる知育玩具のジャンルになるかと思います。知育玩具開発で大切にされていることは?

【東方氏】弊社は塾や学校ではなく、あくまでエンターテインメントを提供するメーカーなので、お子さまに楽しんでもらうことが第一です。ただ、それを与える親の気持ちとしては、そのおもちゃで楽しんでくれて、知識も得てくれていたら嬉しいと思います。そんな商品作りを目指しています。

――子どもは“学習”を意識せずに楽しく遊び、親としてはおもちゃを通して子どもの成長がみえる商品ということですね。

【東方氏】『産んじゃった』は実際に母親である社員が、子どもに「赤ちゃんってどうやって生まれるの?」って聞かれた経験から生まれました。お産のリアリティをどこまでおもちゃで表現するかという議論もありましたが、やっぱり大事なのはお産を通して体験できる優しさであり、子猫をとりあげるときの驚きや喜びです。そういった体験を大事にできる商品作りをしていきたい。そのため、『ホームスター』では星をキレイに映す“機能”や『産んじゃった』で猫がお産をする“機能”というより、体験を通して得られる“感情”にフォーカスをあてたものが多いです。

――そのような想いが『ホームスター』の知育玩具の枠を越えたヒットに繋がったんですね。セガトイズとしては、今後どのような展開を考えてますか?

【東方氏】『ホームスター』は、コロナで生活様式が変わったことに合わせてコンセプトを変え、8月上旬にリニューアルします。これまで家庭用プラネタリウムはインドアで天体観測するものでしたが、外出できないなか、おうちキャンプが流行り、アウトドア的な楽しみ方の需要が変化しています。それを踏まえて、いわゆる天体の星空を見るプラネタリウムから、もっと家の中で自然を感じるプラネタリウムへと生まれ変わります。時代の流れに寄り添い、さらにみなさまの需要に応えられる商品を目指していきますので、今後も楽しみにしていただきたいです。

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