プレゼント・クーポンPRESENT COUPON

フェリアSNSSOCIAL

その他

東京五輪にワクチン…看護師たちの本音、コロナ病棟の最前線描く漫画に反響

ぱれちにさんが描いた漫画『看護師を500人ボランティアで派遣しろとの要請があった件について』よりの画像

ぱれちにさんが描いた漫画『看護師を500人ボランティアで派遣しろとの要請があった件について』より

 看護師として働きながら、医療現場の“あるある”を漫画に描き、ブログやInstagramに投稿しているぱれちにさん(@paretiny)。なかでも、『コロナ病棟 最前線の出来事』という作品には、大きな注目が集まった。本作は、「私たちの現状をわかってもらいたい」と、同じ看護師や医療従事者から集まった声を元にしたもの。一般の人からも「本当に頭が下がる」というコメントも寄せられていた。コロナ禍となって1年余り、現在の医療現場のリアルな状況とは? 東京五輪やワクチン接種への応援要請が求められているというが、看護師たちの思いは? ぱれちにさんに聞いた。

【漫画】「ボランティア500人って正気⁉」コロナ病棟のリアル、東京五輪へのモヤモヤ…現役看護師の本音とは?

■「患者さんが毎日2~3人亡くなる」、コロナ病棟の看護師たちの過酷な現状

 ぱれちにさんは、普段は一般病棟で働く看護師で、患者の日常生活の援助を日々行っている。急性期病院のため、重症な患者さんを看ることも少なくないが、コロナ禍により病院の状況は一変し、大変なことも増えてきているそうだ。

 「他科の患者さんがたくさん入院してきたり、コロナ病棟に応援に行かないといけなかったりすることもあります。また、患者さんのご家族が病棟まで上がって来られないので、荷物の受け渡しをしたりと、色々とやることが増えました。面会ができないことで、患者さんのフラストレーションが溜まり、認知症の患者さんの症状が増悪したりすることも増えたなと感じています」

 そんな忙しい日々を送りながらも、医療従事者や看護師に向けた漫画を描くのには、ぱれちにさん自身が看護師として感じる“理不尽なこと”を共有したいという思いがある。「そういうことってある。自分だけじゃないんだ」と、同じようにつらい思いをしている人が少しでもホッとできたら…。そんな気持ちが、これら漫画作品には込められているという。

 「フォロワーの看護師さんたちからも、『この状況を伝えてほしい』という声をたくさんいただいています。特に、コロナの最前線の状況、新人時代の大変なこと、理不尽なことを漫画にしてほしいという声は多いですね」

 なかでも反響が大きいのが、『コロナ病棟 最前線の出来事』という作品だ。本作は、フォロワーの看護師から寄せられた、コロナ病棟でのエピソードを元に描かれたもの。数々の出来事の中でも、「患者さんが毎日2~3人亡くなる」という話については、ぱれちにさん自身、「普通はないことなので、考えただけでも恐ろしい状況です」と、大きな衝撃を受けたそうだ。

 ほかにも、「医師や看護師が疲弊して次から次へと離職」「休みの日が全然ない」といった大変な環境、「入院中に面会もできず、亡くなった時も会えずにそのまま火葬場へ。それがただただ悲しい」といった無念の思いもつづられている。最前線にいるからこそ見えてくるコロナの恐ろしさが、短い描写の中からひしひしと感じられるものばかりだ。

 だが一方で、患者たちから看護師に対し、「おまえらのせいで治療が延期になった」「病院が悪い」との批判があったこと、コロナとは関係のない美容系の看護師にも「コロナが流行っているのに、こんなとこで働いていて大丈夫なの?」といった声がぶつけられた、というエピソードもある。

 そんな声に対し、ぱれちにさんは「理不尽だなと思いますし、批判の矛先を間違えておられるんじゃないかと思います。フォロワーさんの中にも、実際に言われた方も多くいるので、とても悲しいです」と語る。

 患者たちには、もちろん不安やうっ憤もあるだろう。だが、それを支える看護師、医療従事者も人間であることには変わりないし、誰もが必死に乗り越えようと努力している。それは、コロナ病棟だけでなく、どんな現場でも変わりないだろう。

■東京五輪にワクチン接種、応援要請される看護師の心情

 このように、大変な状況のなかで患者のために忙しく働く看護師たちだが、最近では東京五輪への派遣要請、ワクチン接種への応援要請なども話題になっている。ぱれちにさんもまた、『看護師を500人ボランティアで派遣しろとの要請があった件について』という作品を描き、東京五輪に対するモヤモヤを訴える。

 「現場の状況を見ていると、とてもじゃないですが、五輪をしている余裕はないと思います。たとえ開催されたとしても、みんな楽しめないし、幸せな気分になれる人は少ないのではないか、と個人的には思います」

 ワクチン接種の応援要請については、「必要なこと」だと思っているものの、現在はまだ具体的な依頼が現場には届いていなく(5月28日現在)、病院からの指示を待っている状態だそうだ。

 コロナが流行して1年余り。現在も東京をはじめとした一部の都道府県は緊急事態宣言下であり、まだまだ収束の見込みは立たない。医療崩壊の懸念もある病院の状況も、「改善するどころか、むしろジワジワと悪化してきているように感じる」とぱれちにさんは語る。

 「マスクやガウンなどの物品は、初めの頃に比べて状況が改善したように思います。ですがコロナ陽性患者さんが増え、変異株も出てきているので、依然として油断はできません」。

 予断を許さない状況下だが、これらの作品を読んでくれる医療従事者、看護師たちに、漫画と通して伝えたい思いがある。

 「医療の最前線で働く方々にもたくさん読んでいただいていますが、みんな大変だと思います。私の漫画を読んで、少しでも気分転換をしてもらうことができたら幸いです」。

 同じ看護師や医療従事者へ向けた漫画ではあるが、コロナウィルスにり患すれば、彼らに助けてもらうしかない一般の人々にも、ぜひ読んでもらいたい作品だ。

ORICON NEWSは、オリコン株式会社から提供を受けています。著作権は同社に帰属しており、記事、写真などの無断転用を禁じます。

こちらの記事もどうぞ