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「ラピュタのよう!」廃校に取り残された“苔の生えた椅子”が話題、「“廃墟ファン”増加を実感」

デスクチェアの上にだけ、苔がむす風景が話題に。(c)toshiboさんの画像

デスクチェアの上にだけ、苔がむす風景が話題に。(c)toshiboさん

 廃校に取り残されたデスクチェアの写真が、「美しい」とTwitterで話題に。写真は、座面に緑鮮やかな苔を生やすデスクチェアが、朽ちた建物の中でたたずむ姿をおさめている。あまりに神秘的な一枚に、「絵画かと思えるくらい美しいです」「作者は地球ですね」「ラピュタのよう!」と、驚嘆の声も多く寄せられた。投稿主のtoshiboさん(@JIYUKENKYU_jp)は、さまざまな廃墟写真をSNSで発信する写真家で、『変わる廃墟展』などの展示会にも出展している。廃墟写真を撮ろうと思ったきっかけや廃墟の魅力について、toshiboさんに話を聞いた。

【写真】「映画のワンシーンみたい!」オルガンに家庭科室…森の中に取り残された廃校に広がる神秘的な世界

■東北の木造校舎を3度訪問…どこにでもあるデスクチェアが「作家がいないアート作品」になった瞬間

――撮影場所について教えてください。

【toshiboさん】東北にある木造校舎の小学校になります。今までに3度訪れているのですが、今回投稿したのは2度目の訪問時の写真です。

――写真のデスクチェアを見つけたときの感想は?

【toshiboさん】初めて見たのは3年前ですが、ここまで苔は生えていなかったと記憶しています。季節が違うこともあるかもしれませんが、改めて夏場に訪れたときには苔の量も多くなっていたので驚きました。冬の時期にも見に行っていますが、そのときは少し枯れたような雰囲気になっていました。

――自然の神秘に驚嘆する声が多く寄せられています。

【toshiboさん】「これは自然のアートだ」というコメントが印象深かったです。僕もまさにその通りだと考えていて、「作家がいないアート作品なのかもしれない」と感じました。ほかにもたくさんのコメントを頂きましたが、どこにでもあるような業務用のデスクチェアにさまざまな考えや感想が寄せられるのはすごいことだと思いましたね。

――写真は緑の鮮やかさが印象的ですが、構図や撮影手法などのこだわりは?

【toshiboさん】基本的には、誰にも見向きもされないような物や場所を好んで記録する活動をしています。その上で自分(撮影者)という存在が対象物よりも前に出ないことを心掛けているので、写真=自己表現という意識がまったくなく、カメラは被写体の魅力を伝えるためのツールの一つだと考えています。

――デスクチェアの写真もそういった感覚で撮ったのですか?

【toshiboさん】そうですね。実際にかなり苔が鮮やかでしたので、全体をしっかり写しつつ椅子本来の素材も生かすことを意識して編集しました。また、画角に収めた光景を漏れることなく一枚に収めたいので、僕が編集した写真はすべてHDR写真(明暗差がある風景も、肉眼で見る光景に近く再現できる)になっています。

――撮影スポットはどのような場所が多いのでしょうか?

【toshiboさん】“廃墟”という空間に拘らず、自分のアンテナが向く場所や物だったら遠出してでも足を運んでいます。ただ、スポットとして有名な場所は自分が発信する必要性があまり感じられないので、できるだけ認知度の低い場所や物を探して回っています。よっぽど辺ぴで完全に人間から見放されてしまっているような場所を撮影するようにしていますが、誰かに管理されている場所は、基本的に伺ってから訪れるようにしています。

――toshiboさんが思う「廃墟の魅力」を教えてください。

【toshiboさん】人の手から離れたことで起こった経年変化の作用で、日常では目にすることができないような光景が空間の中に構築されている点が魅力の一つですね。「人間が想像できることは人間が必ず実現できる」という言葉がありますが、廃墟には人間には想像がつかないような光景や変化が眠っていて、そういった現象や物、空間などは非常に魅力的に感じます。

■子ども向け番組の映像作品が原点に、“廃墟ファン”の広がりも実感

――廃墟の魅力に興味を持ったきっかけは?

【toshibo】現代社会で新たには生み出されないような“廃れ”に魅力を感じる人は一定数いて、僕もその内の一人なのですが、その理由は未だにわかりません。もしかしたら一生わからないかもしれないですが、現在の活動に至るきっかけを考えると、幼少の頃にアスファルトにこびりついた“黒いグチャッとした物”が気になったことなのではないかと思っています。

――“黒いグチャッとした物”ですか?

【toshiboさん】某子ども向け番組で「チューイングガムの一生」というようなタイトルで、ガムがポイ捨てされてからアスファルトに染みついて、スクレーパーで剥がされるまでを定点観測した映像作品を見て、今まで見向きもされなかった物が作品としてまとめられていることに何となく感動したのがきっかけなんじゃないかと。自分が発信したいと思う物に対して説得力を出すには、適切な発信方法が存在するということをいつも念頭に置くようにしているのですが、前述のことはわりといつも思い出している気がします。

――写真展や書籍など、さまざまな場で廃墟の魅力を発信されています。近年、廃墟ファン層の広がりを感じることはありますか?

【toshiboさん】TwitterをはじめとするさまざまなSNSやYouTubeなど、僕が手をつけていない部分でもかなりの支持を集めているアカウントや投稿も見受けられるので、昨今はかなり廃墟ファンの人も増えたと思います。目に見えるところだと、一昔前は廃墟というジャンルの写真集が欲しかった場合は“サブカルチャー”の区分から探す必要がありましたが、最近は“廃墟”というコーナーができ始めているようですね。

――今後の展望を教えてください。

【toshiboさん】一つは写真とは離れるのですが、この趣味界隈にて変わった考え方の人や活動をしている人と多く出会うことができたのですが、そういった人(作家)にスポットライトを当てるような何かをやってみたいです。もう一つは、CGを使った写真作りなど、想像の中の空想を現実化できるようなこともやってみたいと考えています。

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