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「石垣島からやってきた!」片目を病んだ保護猫、プロが教える”病院の選び方”と地方格差

石垣島からやってきた保護猫、石垣島美(写真:ねこけんブログより)の画像

石垣島からやってきた保護猫、石垣島美(写真:ねこけんブログより)

 これまで、数多くの猫を保護してきたNPO法人『ねこけん』。虐待にあった猫を助けたこともあれば、押し入れに13年間も閉じ込められていた猫を保護したこともあった。今回紹介するのは、『ねこけん』が沖縄・石垣島から引き取った猫・石垣島美。なぜこの猫ははるばる東京までやってきたのか? 良い病院の見分け方についても、代表理事の溝上奈緒子氏に聞いた。

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■はるばる石垣島から東京へ、「沖縄では大人の猫の里親がなかなか決まらない」

 東京都練馬区にある『ねこけん』に、石垣島からはるばるやってきた猫、その名も“石垣島美”。今でこそ、黒ぶち模様がとても可愛らしい猫だが、やってきた当初は右目の眼球が大きく腫れあがり、腫れが顔にまで及んでいた。すでに右目の視力は失われ、眼球を摘出しなければならないのか、眼圧を下げて眼球を残せるのか、わからない状態だったそうである。

 そもそも、東京に本部がある『ねこけん』に、なぜ沖縄の猫が保護されてきたのか? それは「沖縄では大人の猫の里親がなかなか決まらないから」(溝上氏)とのこと。というのも、沖縄では動物病院の設備が整っていない場合が多く、TNR(飼い主のいない猫を捕獲し、不妊去勢手術を行い、元の場所に戻すこと)もあまり活発でないため、とても地域猫が多いらしい。周りに子猫の地域猫がたくさんいることで、わざわざ大人の猫の里親を買って出る人は少ないのだそうだ。これは、なにも沖縄に限ったことではなく、地方では良くあることだという。

 つまり、保護活動にも地方格差があるということ。都内では大人の保護猫の譲渡会が頻繁に行われているが、地方ではそれがままならないこともある。そんな状況が重なり、石垣島美は沖縄から『ねこけん』に引き取られてきたのだ。

■目の治療を受けて回復した石垣島美、猫の譲渡にも地方格差

 実は、ボランティア団体同士の横の繋がりにより、『ねこけん』が地方から保護猫を引き取るケースは珍しくない。

 「もともと島美が保護された沖縄の動物病院には、眼圧を測る測定器もなく、放置するしかない状況でした。そこで、『ねこけん』が付き合いのある眼科の先生にお願いしましょうと申し出たんです。もちろん、無料です(笑)」と溝上氏。その眼科で診断された島美の病名は、緑内障。破裂寸前まで眼圧が上がっていた状態だったが、しっかりと治療を受け、痛々しい姿から徐々に本来の可愛らしい姿へと戻っていった。たとえ片目の光は失っても、やはり眼球はあったほうが、その後の譲渡にもつながりやすい。それを意図して、治療は施されたそうだ。

 「病院の設備が脆弱だったり、TNRの活動が盛んでない地域で、大人の猫の譲渡はとても難しいのです。ましてやエイズや白血病、緑内障などハンデのある猫の里親は、ほとんど決まりません。沖縄からもそういう子が結構、うちに来ることがあります。せっかく飛行機でくるので、しっかり面倒を見てあげたいですし、猫のことを考えると、そうするしかないんです」。

 今回、適切な病院で治療を受けることができた島美は、とても運が良かったといえる。よく、「どんな病院を選んだらよいか?」と聞かれることも多いそうだが、それに溝上氏は「混んでいる病院」と即答する。

 いつも待合室に多くの患者がいて、飼い主は長い時間待ってでもそこで治療を受けたいと思う病院だということ。または、知人が通って、治療を受けた動物の症状がどんどん良くなっている病院も安心できる。説明が丁寧、というのも大きなポイントらしい。ペットを飼う人にとって、病気やケガの治療は言うに及ばず、検査、ワクチン接種と、動物病院は絶対に必要な施設である。それだけに、ペットに望ましい治療が受けられる病院を、飼い主は選択できるようにしたいものだ。

 痛みが引いたせいか、島美はよく食べ、よく遊び、本来のやんちゃさを取り戻したという。あとは優しい家族が現れるのを待つだけ。石垣島からはるばる東京にやってきて、治療を乗り越えた島美だが、現在の愛らしい表情を見ると、もしかしたら沖縄猫らしく「なんくるないさ~!」と言っているのかもしれない。

(文:今 泉)

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