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東大生物学研究者の『スプラトゥーン』実況がマニアックすぎる… 「訳分からんすぎて好き」

メンバーのうち3人は『国際生物学オリンピック』のメダリストである『ゆるふわ生物学』の画像

メンバーのうち3人は『国際生物学オリンピック』のメダリストである『ゆるふわ生物学』

 東大卒の生物学研究者たちによるゲーム実況動画を配信している「ゆるふわ生物学」。特に多くの生物が出現する『スプラトゥーン』『ピクミン』『ポケモン』などを実況しており、「生物の種類が気になってたので助かる」「頭がいい人がゲームの話するとやっぱり面白い」「こういった話を聴けるのは大変嬉しい!!」などの反響が寄せられている。メンバーのうち3人は『国際生物学オリンピック』のメダリストであるゆるふわ生物学の実態を聞いた。

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■国際生物学オリンピックの元日本代表・メダリストも「生物学の勉強を楽しむきっかけに」

――ゆるふわ生物学のメンバーを教えてください。普段皆さんは何をされていますか。

【くろきん】たなっちょ(専門:分類学、海洋生物)、ロッキー(専門:植物学、送粉生態学)、まろんさん(専門:脊椎動物学)、みかみん(専門:古生物学、化石)、わけわかめ(専門:育種学)、くろきん(専門:バイオインフォマティクス)の6人のメンバーで活動しています。メンバーの進路はいろいろですね。大学や大学院で生物学を研究したことは共通していますが、そのあと研究一本の進路を選ぶ人ばかりじゃなくて、生物学とは直接関係ない分野で民間企業に就職してる人もいます。あとは孫正義育英財団の財団生もいたりして、いろいろな方面で活動しています。

――ゆるふわ生物学の活動内容を教えてください。

【まろんさん】大きな柱として、1つは生物学者視点でのゲーム実況、もう1つは研究者を招いて研究内容の話をしてもらう動画を発信しています。ゲームの世界を科学的に理解していくプロセスを通して、視聴者にゲームの世界での生物学者になってもらいたいです。生物学を身近に感じてもらった上で、現実世界の最先端の研究もゲーム感覚で気楽に楽しんでもらえると最高です。

――YouTubeでゲーム実況を始めようと思ったのはなぜですか。

【わけわかめ】メンバーのうちの3人が国際生物学オリンピックの元日本代表・メダリストで、大会で知り合って以来仲良くしています。この時の仲間を中心に、ふだんの雑談でも生物の話で盛り上がることが多く、「この雑談をそのまま動画にしたらおもしろいんじゃないか」という話になったのがきっかけの一つです。

――反響はいかがですか。

【たなっちょ】私たちの動画を見て、実際に博物館や水族館に行ってみたとか、紹介した書籍を買ってみたとか、ゲームや現実の散歩中の風景から読み取れる情報が増えた(よく「解像度が上がった」と表現されます)という声を多く頂き、嬉しく思っています。特に『ゆるふわ生物学チャンネル』では、生物学オリンピックの推薦図書でもある『キャンベル生物学』をおすすめの教科書として紹介することが多いのですが、それを受けて実際にこの教科書を買って勉強を始めたという報告を沢山いただいているのが印象深いです。私たちのチャンネルが、生物学の勉強を楽しむきっかけになっていることを実感できて、とても嬉しかったです。

■実況というよりもはや解説… 『あつ森』では“シャコパンチ”研究者を招待

――これまで反響の大きかった動画を教えてください。

【たなっちょ】「シャコパンチ」の動画が人気です。シャコは強力なパンチをすることで有名で、『あつまれ 動物の森』のシャコも、パンチでガラスを割ります。このシャコパンチの研究をしている加賀谷さんという方に出演していただき、『あつ森』のシャコを見ながら解説していただきました。学問×ゲームの組み合わせがとてもおもしろいのでぜひ見てみてください。また、『ピクミン3DX』や『スプラトゥーン2』実況も、TwitterなどのSNS、YouTubeコメントでの盛り上がりが大きかったです。魅力的な生物・ステージが数多くあるゲームですので、議論が白熱して楽しかったです。

――大きな反響があった『スプラトゥーン』の魅力はどのようなところに感じていますか。

【まろんさん】遠い未来に陸上適応したイカという『フューチャー・イズ・ワイルド』を思わせる世界観の中で、色々な水中の生物がモチーフとなったキャラクターやステージが登場するのがおもしろくて好きです。

【たなっちょ】『スプラトゥーン2』では追加コンテンツとして海洋環境の1つである「深海」が取り上げられ、海洋開発研究機構(JAMSTEC)の監修のもと、深海の専門知識がたくさん詰まった魅力的なキャラクターや濃厚な世界観が展開されました。実はもとからスプラトゥーンシリーズは結構海洋生物の勉強にもなるように作られていると思っており、その点も魅力的だと思っています。

――2月には次作『スプラトゥーン3』の発売(2022年)が発表され、さらなる話題を呼んでいましたね。

【たなっちょ】これまでのシリーズでは街がメインだったのに対して、『スプラトゥーン3』のトレーラーでは荒野のシーンも多く、これまでスプラトゥーンに登場しなかった生物が登場するんじゃないかとわくわくしました。ゲーム性の部分も、PVを見た限りゲームの基本操作がアップデートされているなという感触があり、全く新しいスプラトゥーンになるんじゃないかとすごく楽しみです。

■情報のソースも提示、誤情報拡散に留意「ゲームを通じて生物学を身近に感じてほしい」

――いつもプレイするゲームはどのように決められていますか。

【たなっちょ】生き物がたくさん出てきたり、フィールドを自由に見て回れるようなゲームを選ぶことが多いです。ポケモンやピクミンのような架空の生物がたくさん出てくるゲームについても、そのゲームの世界で彼らがどのように生きているかを考察するのが楽しいですね。

――ゲームに出てくる中で、お気に入りやおすすめの生物を教えてください。

【ロッキー】『MHW』(モンスターハンター:ワールド)の古代樹の森ステージには、キカデオイデアという白亜紀末に絶滅したはずの植物が登場します。この植物は、裸子植物であるにもかかわらず被子植物のような花を持っており、一時期は被子植物の祖先とする見方もありました。最初期の花ということで、送粉生態学者なら誰もが夢見る憧れの植物ですが、いかんせん絶滅しているので送粉者観察はできません。しかし、モンハンの世界には堂々と生えているではありませんか。あぁ…ずーっと張り付いて送粉者の観察をしたい…!と心の底から思いました。そういうわけで、この動画内では大興奮していたわけなんですね。

【みかみん】『FGO』のOPには、ニッポニテス・ミラビリスという面白い形をしたアンモナイトが登場します。このアンモナイトは、私が好きなアンモナイトの一つで、私は実際にこの種類の研究も行っています。

【たなっちょ】ピクミンシリーズの蒐集要素「原生生物図鑑」がお気に入りです。小さい頃に『ピクミン2』の原生生物図鑑を見て「自分も図鑑を作りたい!」と思い、今の自分の研究分野(分類学)に飛び込んだので、自分やこのチャンネルの原点だったりします。

――ゲームをする上で、“東大生あるある”があれば教えてください。

【ロッキー】東大生あるあるというより、研究者や専門家のあるあるかもしれませんが、自分が専門にしている分野に関してゲームの造り手のこだわりが感じられるとテンションが上がり、興奮状態に陥ります。例えば、最新の研究成果がゲームに反映されていることに気づけると嬉しくなります。

――ゲーム実況や動画制作において、どのようなことを意識されていますか。

【みかみん】自然体で会話しつつも、コメントの様子を見ながら視聴者の目線に立って楽しんでもらえる内容を心がけています。専門的な難しい話題になった場合には、視聴者からの質問に答えることと、参考になる本や記事を紹介することで、あとからじっくり勉強すればしっかり理解できるようにすることを意識しています。また、情報のソースとなる論文や記事を提示することも気を付けています。加えて、不確かな噂話などを拡散したりすることのないようにメンバー間で事前チェックや振り返りをすることも大切にしています。また、私たちの配信ではメンバーの各自が思いついた仮説から頻繁に議論が巻き起こるのですが、その掛け合いがおもしろいと思うので、できるだけ複数人で実況することを大事にしています。

――YouTubeを通して、どのようなことを伝えたいですか。

【くろきん】単に知識を伝えるというよりは、研究者がその知識をどのようにして生み出しているかという生の姿を届けたいと思っています。世の中には生物学を学びたかったけど学ぶ機会がなかったとか、あるいは学んでもその広がりや日常世界の見え方を変えるような経験を十分に味わえなかった、そんな物足りなさを覚えている人が結構いるんじゃないでしょうか。そういう人たちに対して、単に科学研究の結果・知識を伝えて、受け手になってもらうのじゃ楽しんでもらえないと思います。むしろ、ゲームという場を使って科学的に世界を理解していくプロセスを一緒に経験していく、そんなことができたら良いなと思っています。そうやって、みんなと一緒に生物学者になることが生物学を身近に感じてもらうための近道なんじゃないでしょうか。

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