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歌手、役者、アナ… 幾度もの挫折を経て“キャスター”への道掴んだホラン千秋の信条「流されることも大事」

かつて役者のオーディションやテレビ局の採用試験に落ち続けていた過去を語ったホラン千秋(撮影/田中達晃(パッシュ)(C)oricon ME inc.)の画像

かつて役者のオーディションやテレビ局の採用試験に落ち続けていた過去を語ったホラン千秋(撮影/田中達晃(パッシュ)(C)oricon ME inc.)

 2017年から報道番組『Nスタ』(TBS系)のキャスターを務め、音楽番組のMC、ナレーションやバラエティなど、多岐に渡り活躍中のホラン千秋。美しさと聡明さを兼ね備えた彼女は同性からの人気も高い売れっ子だが、かつてはオーディションに落ち続け、「1年に1度仕事があるかないか」だった時期もあったという。実はデビューは6才で、当時キッズモデルとして活動していた彼女が今日のマルチタレントとして成長するまでに至った経緯とは。その転機を聞いた。

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■芸能界はとにかく“見つけてもらうこと”が大事「それまでしぶとく生き残っていられるか」

――6才からキッズモデルとして活動されていたそうですが、芸能界で生きていこうと決意されたきっかけは何かあったのでしょうか?

【ホラン千秋】 知り合いがやっていたので、母が“記念”にと思って始めたキッズモデルが楽しくて、子どもの頃から自然とこの世界で生きていくんだと思っていました。それ以来ずっと芸能界以外の夢を持つことはなかったですね。

――当初はモデルを目指していたのでしょうか。

【ホラン千秋】 14歳ぐらいの時に今の事務所アミューズに所属して、その時は歌手になりたかったんです。でも当時「時代は芝居だ!」という流れだったのか、会社からお芝居を薦められたんです。それでレッスンを受けてみたら、思いの外お芝居の奥深さや楽しさに取り憑かれてしまって(笑)。それで今度は役者を目指すようになったのですが、同い年ぐらいの子達と一緒にレッスンを受けていると、お芝居の上手い子や個性を持った子などが沢山いて圧倒されました。

――大学生時代には芝居を学ぶために留学もされていますよね?

【ホラン千秋】自信がないまま来る日も来る日もオーディションに落ちる日々が続き、落ちた理由を「役が合わなかっただけだ」とか、「タイミングが悪かったんだ」とか、責任転嫁している自分がいました。そんな状態のまま20才になった時、このまま周りのせいにして受け身で待ち続けても自分にはチャンスは巡ってこないと目が覚めたんです。それで、役者としてステップアップするためにお芝居を本格的に勉強しようと決め、1年間オレゴン州の大学で演劇を学ぼうと留学しました。

――1年間留学してみていかがでしたか?

【ホラン千秋】 英語は父に教えてもらっていたので日常会話は問題なかったのですが、大学の講義レベルとなるとそうはいかず、非常に苦労しました。講義内容についていくのも大変だし、演技の授業では台本を読むのに精一杯で、“芝居をする土俵”にも立てない自分が凄く悔しくて…。ただ、演じること以外にも大道具や小道具、衣装や照明に演出と、演劇を多角的に学んだことにより、帰国した後の進路の幅を広げてくれるきっかけにもなったので、この1年間学んだことは本当に良い経験になりました。

――モデルやタレントから役者になる方も多い中で、本格的に演劇を学ぶという選択をされたのはホランさんの真面目さを感じますね。

【ホラン千秋】 どんなルートでもいいと思うんです。必ずしも私のようなやり方が正解なわけではないし、おっしゃるようにモデルやタレントからいつの間にか役者になる道も全然アリだと思います。その人にとって、たどり着きたい場所にたどり着くまでの時間と距離は様々。私の場合は頑固なので、“誰が何を言ってもやりたいことをとことんやる!”という感じで突っ走ってしまっただけで(笑)。結果として役者として芽は出なかったですけど、あの頃やれるだけのことは全て試せたんじゃないかなと。この業界はとにかく“誰かに見つけてもらわないと始まらない”ので、それまでしぶとく生き残っていられるかどうか、それも一つの努力の形です。

■芝居留学から帰国後、役者オーディションは惨敗… 不意の“経済番組”での起用が転機に

――ちなみに、ホランさんが“見つけてもらえた!”と思った瞬間はいつでしたか?

【ホラン千秋】 日本に帰国してからCMやドラマ、映画のオーディションなどを受けて落ち続ける日々を送っていたのですが、2011年にラジオ、TOKYO MXの情報番組『ULALAナナパチ』のMC、TBSの深夜の経済番組『ビジネス・クリック』のナビゲーターと、一気に3つのオーディションに受かったんです。私は結構単純なので(笑)、その時、“もしかしたら芝居以外の場所で輝けるチャンスがあるのかも”と思いました。そこが大きなターニングポイントでしたね。

――その後『NEWS ZERO』のキャスター、『シューイチ』や『バイキング』のレギュラー、そして現在は『Nスタ』のキャスターと、情報・報道番組での抜擢が続いています。それまでの過程で、自分の目指す方向性や気持ちの変化などはあったのでしょうか?

【ホラン千秋】 役者でもキャスターでも、仕事のジャンルに関わらず自分を表現する事には変わりないので、特に目指す方向の変化を意識したことはなかったです。場は変わってもやるべきことは変わりません。結果を残さないと次に呼んで頂けなくなる場合もあるので、そういう緊張感は常にあります。一回一回の現場で結果を出して次につなげる。その継続です。

――『Nスタ』は4月で5年目を迎えられますが、振り返ってみて気付いたことや意識してきたことを教えて頂けますか。

【ホラン千秋】 3時間のニュースをじっと集中して見て下さる方ももちろんいるかもしれませんが、夕方の時間帯は特にお家は忙しい!家事や育児、仕事をしながら見て下さる方が多いようにも感じるので、なるべくその日常の中に違和感なく溶け込めていけるような、心地よい雰囲気づくりをすることを心がけています。例えば、バラエティ番組では最初から最後までエンジン全開のことが多いのですが、『Nスタ』で同じことをやると視聴者のみなさんに緊張感や力みが伝わってしまう気がして。なので、テンションや声のトーンには凄く気をつけるようにしています。

■「楽しい雰囲気のまま一石を投じる」“共感”と“自分らしさ”のバランス求められるタレントの難しさ

――夕方の報道番組は主婦の方も多く見られているかと思います。ホランさんは同性の方からも広く支持されている印象ですが、発言や表現などで気をつけていることは何かありますか?

【ホラン千秋】 どの番組でも自分の言葉には責任を持つようにしていますが、特にニュース番組では、話題によって明確な正解・不正解がない場合もあるので、“自分とは違う意見の人がいる”ということを常に忘れずに発言するようにしています。もちろん大切にしている信念や意見はあるのですが、だからといって自分とは違うスタンスの人を排除しないことと、自分の解釈を一旦疑ってみるのも大事かなと。その上で言葉を選んで伝えるように心がけています。

――色々なことに配慮しながらも、見ている側がスカッとするような、大御所の方にもハッキリとご自身の意見や意志を伝えてらっしゃる印象があります。

【ホラン千秋】 私は負けん気が強いので、カチンときたら結構ストレートに言い返してしまうんです。大人げないんですけど(笑)。大人な対応をしたくても、言い返したい気持ちが勝ってしまうというか。ただ芸能界は少し特殊で、それがある程度許されてしまう部分もあると思うんです。例えば、バラエティ番組で先輩のタレントさんから「どうせ彼氏いないんでしょ?」と聞かれた場合に、「いや余計なお世話ですよ!」と私が強気に言い返してもそれが笑いとして成立してしまうので。それがはっきりした印象につながっているのかもしれません。あとは感覚をアップデートしたいという思いもあります。「恋人がいないって残念」のような空気感にキッパリと言い返すことで、“もうそういう時代じゃないよね”という価値観をその場に投じられたらとも思うんです。楽しい雰囲気のまま一石を投じるのは難しいんですけど、見て下さる方の共感と自分らしさのバランスを考えて試行錯誤しています。

――長年共演されていたおぎやはぎさんは、ホランさんのことを「毎回コメントが100点」「レスポンスの速さがポルシェ並み」とラジオで称されていました。これまで幾度もの挫折を乗り越え、並々ならぬ努力をされてきたからこそだと思いますが、ホラン流の“苦境を乗り越えるコツ”があれば教えて頂けますか。

【ホラン千秋】 そんな褒め言葉、私にはもったいないくらいです。まだまだ未熟なので(笑)。そんな私でも言えることがあるとしたら、柔軟性を持つことで思わぬ可能性が花開くこともあるということです。人生を振り返ってみると、最初の歌手になるという夢に破れ、役者を諦め、アナウンサー試験やテレビ局の制作採用試験に全敗したりと、色んな壁にぶつかっては砕けてきました。だけど私は頑固なので、「自分がやりたいことをやりたい!それ以外はやりたくない!」と必死でしがみついていた時期もあって。その中で気付いたのは、求められるならやってみようかなと、周りの意見を信じて、ある意味“流されること”も大事だということでした。自分を活かす方法は自分以外の人たちの方が知っていたり、実は苦手だと思っていたことが“ここは自分が求めていた楽園の地だ!”と後から気づいたりする場合もあるんですよね。それが最初に思い描いていた未来じゃなかったとしても、流された先で求められ始めると、やっぱり人って嬉しいんですよ。本当にやりたくないことをやれというわけではなくて、やりたいことの本質は変えずに少しだけ形を変えてみることで、自分も知らない自分の可能性に出会える。頑固に一直線に頑張ってきた人は特に、1回流されてみても良いかもしれません。

(取材・文=奥村百恵/スタイリスト=森外玖水子/ヘアメイク=KIKKU)

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